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変わったアゴをした有袋類「ティラコスミルス」とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話】

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変わったアゴをした有袋類「ティラコスミルス」とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話】

ティラコスミルス

変わったアゴをした有袋類版サーベルタイガー

新生代新第三紀中新世(約2300万年前から約530万年前)の南米アルゼンチン付近にいたティラコスミルスの特徴は、なんといってもその不思議なアゴでしょう。

ティラコスミルスの上アゴには爪のようにやや三角状の牙があり、下アゴにほぼ同じ長さの骨の突起が下に伸びているのです。

まるで、刀を大事に収めるサヤのように、この部分に牙を収納する構造になっていたと考えられています。

この特徴的なアゴを除けば、ティラコスミルスの外見と牙サーベルタイガーによく似ています。サーベルタイガーは、上顎の犬歯がブレード状になったネコ科の動物の総称です。外見は長い刀のような牙をもつトラといったところです。

じつはティラコスミルスはコアラやカンガルーのように母親の体にある袋で子どもを育てる有袋類の仲間です。

ティラコスミルスは切歯(前歯)が存在しないので、ネコのように前歯で獲物をがっしりとつかむようなことには向かなかったのかもしれません。牙の成長が止まらないため、このように伸ばしすぎない構造をもつ必要があったのでしょう。

ティラコスミルスのような収斂進化の実例は、いまの哺乳類の有胎盤類(真獣類)と有袋類にも数多く見られます。

たとえばモモンガとフクロモモンガ、モグラとフクロモグラ、アリクイとフクロアリクイなどがその一例です。

進化の系統がまるで異なっていても、環境やそこで果たしている役割が似ていれば、生物は似通った姿になることがあるといえるでしょう。

刀のような牙をもつティラコスミルス

ティラコスミルス

新生代 新第三紀中新世
哺乳類 有袋類
約1メートル

一生伸び続ける常生歯
死骸の内臓を食べる どう猛ではない!

鋭い牙をもつが、歯の摩耗や犬歯の形から、歯の力はそれほど強くなく、おもに死骸の内臓などを食べていたのではないかとされている。

スミロドン

乳歯と永久歯が入れかわる どう猛なハンター
よく似た収斂進化の代表例だが、じつは異なる性質をもつ

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話』代表監修:大橋 智之

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