南京町『ザギンでシースー』で本格派の江戸前鮨をカジュアルに楽しんできました 神戸市
南京町のメイン通りから1本南に入ると見えてくるポップな店舗。本格的な江戸前鮨をカジュアルに楽しめる『ザギンでシースー 南京町店』(神戸市中央区)に行ってきました。
同店は「食べログ百名店」にも選ばれた“寿司赤酢”の流れをくむ高級江戸前鮨店『鮨肇(はじめ)』の系列。高級店が多い江戸前鮨をもっと気軽に楽しめるよう出店した店舗で、三宮横丁にも出店中です。ユニークな店名は、バブル期に女性を誘うセリフからつけたそう。
最初は必ず5貫か10貫のコースを注文するのがお決まり。今回は「上5貫コース」(1,650円・税込)をお願いしました。
今回鮨を握ってくれたのは、グループ代表を務める山崎さん。実は本格江戸前鮨が初めてと打ち明けると、豊富な知識で丁寧に説明をしてくれます。普段からお客さんとの会話を大切にしているそう。
米は新潟産「みずほの輝き」。大粒で、固めに炊くのに向いた品種です。酒粕を長時間熟成して作る赤酢と、塩のみを加えたシャリは、ネタの甘みや柔らかさを引き立たせます。
魚は本店一括で仕入れて加工を施した後、各店舗で分けるため、品質の確かなものを安く扱えるんだそう。マグロは日本一の専門仲卸といわれる豊洲「やま幸」さんから10~15㎏のブロックで仕入れています。
まずはその「熟成天然本鮪赤身漬け」から。ほんのり温かいシャリにねっとりとした鮪の舌触りが◎。福井産の地がらしが効いています。
二貫目はネタとシャリの間に忍ばせた柚子がふわっと香る「天然真鯛昆布締め」。鯛に歯ごたえがしっかり残っているのが印象的。赤酢のシャリのまろやかな旨味にはまりそう!
お客さんが来る度に擂りおろしている伊豆のわさび。薬味に至るまでこだわっています。
塩をしてバーナーで軽く焙った兵庫県産「熟成鰆」は、口の中で溶けるような柔らかさ。ねぎと生姜、大葉を擦り合わせた薬味が香ります。
静岡産「天竜金目鯛」には、ふきんを掛けて皮の上から熱湯をかけ、氷水で〆る”湯霜造り”を施しています。焙った香ばしい皮とすだちが香り、焼き魚のような風味です。
「煮ほたて」は身がふわっふわ。貝類は、熱を加えると甘みや旨味が増すかわりに身が固くなってしまうのですが、40℃の低温調理をし、出てきた出汁に醤油とみりんを加えて数日漬け込み、柔らかく仕上げています。
シャリの温度は低め。鮪に始まって貝で終わるのは、ネタに合わせたシャリの温度管理が理由でもあるそう。
5貫をいただいた後、絶対に食べたかった「名物雲丹トロタク巻き」を追加でお願いしました。シャリの量は2倍、熟成トロと北海道産無添加雲丹があふれんばかりに乗った贅沢盛りを直接手渡しで。これがとっても甘かった~!
保存食としてのルーツを持つ江戸前寿司ですが、現在は技法もすっかり進化し、ネタによっては生よりも旨味が引き出せると知って、”新鮮な生の寿司ネタが一番”という固定概念がすっかり覆る体験でした。
場所
本格江戸前鮨ザギンでシースー南京町店
(神戸市中央区栄町通2丁目5-5)
営業時間
11:00〜15:00(L.O.14:30)
16:00〜21:00(L.O.20:30)
定休日
水曜日
駐車場
なし