阿部慎之助監督や鈴木誠也選手を育てた名指導者 「個人的な事情」で打撃アドバイザー退任
■くふうハヤテの打撃アドバイザー 内田順三氏が退団
プロ野球ウエスタン・リーグの「くふうハヤテベンチャーズ静岡」は、打撃アドバイザーを務める内田順三さんの退団を発表した。内田さんは巨人や広島でコーチを務め、今シーズンから地元の静岡県に誕生したくふうハヤテに加わっていた。
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静岡県三島市出身の内田さんは東海大一(現:東海大静岡翔洋)で甲子園に出場した。駒沢大学を経て、ドラフト8位でヤクルトに入団。主に外野手としてヤクルト、日本ハム、広島の3球団でプレーした。
内田さんの名前が現役時代よりも、引退後に指導者となってからだった。1983年から打撃コーチなどを務めた広島では、1984年にリーグ優勝と日本一に貢献。後にチームの主軸となった野村謙二郎さんや江藤智さん、前田智徳さんや金本知憲さんらを育成した。
広島を退団後は、巨人で打撃コーチや2軍監督でも選手の育成に尽力した。高橋由伸さんや阿部慎之助監督ら多くの打者を育てた。その後は広島と巨人を行き来し、カブス・鈴木誠也選手も広島時代に内田さんの指導を受けている。
内田さんはバットを内側から出すインサイドアウトを大切にしながら、自分の考え方を押し付けない指導や豊富な引き出しを特徴にしていた。今シーズンから打撃アドバイザーを担ったくふうハヤテでも選手たちの相談に乗り、練習中は時に大きな声を出してチームを盛り上げていた。
■コメント発表「個人的な事情で退任させていただきます」
内田さんは、くふうハヤテを退団する理由について「個人的な事情」としている。球団を通じて次のようにコメントした。
「私の個人的な事情で退任させていただくことになりました。今年 1 月にチームはゼロからスタートをしました。各方面からの支援をいただきながら、私の50数年の野球人生の中においても新たな経験をさせていただき、大変感銘を受けました。球団の理念である育成・再生・勝利そして地域密着にチーム全員がチャレンジし、ファンの皆さんには選手・球団の挑戦を後押ししていただき、喜びを感じていただけるように活動してまいりました」
「くふうハヤテベンチャーズ静岡は12球団に人材を輩出することも目標の1つです。選手たちにとって NPBリーグに参戦 し、そのレベルでプレーすることは大変価値があると思います。最後にくふうハヤテベンチャーズ静岡が一歩一歩発展していくことを心から願っております。ありがとうございました」
内田さんの退団を惜しむ野球ファンも多い。他の球団での指導が見たいという声がある一方、現在77歳とあって「地元の球団で指導することを最後の仕事と考えていたのかもしれない」という声もあった。
(SHIZUOKA Life編集部)