オーガニック給食推進など求め、「かなえる会」が4700人余の署名を四日市市に提出
「四日市市で学校給食無償化とオーガニック給食をかなえる会」が6月3日、学校給食にオーガニック給食を導入することを求め、4722人の署名とともに要望書を市に提出した。地域で栽培された減農薬などの農産物を使用し、地域の有機農業が拡大されるよう取り組むことも求めている。
「かなえる会」は、同行の市議を含む10人ほどが市役所を訪れ、多湖由貴さん、片岡陽子さん、松本友実さんの3人の共同代表名での要望書を署名簿とともに渡辺敏明副市長に手渡した。
多湖共同代表が要望書を読み上げ、化学物質や農薬を使用した農産物が子どもの発育などに影響する懸念があり、先進地の取り組みがあるように、四日市市でもオーガニック給食を推進するよう求めた。学校給食に何らかの有機食品を利用しているのは、2022年度で193自治体に増えているほか、有機農業の産地化や新規就農者の増加など地域づくりにへの好影響が報告されてもいるという。
「かなえる会」は、大前提としてオーガニック給食を進めることを求めつつ、当面は学校給食に地域で栽培された減農薬、減化学肥料農産物を使用し、地域の有機農業が拡大されるよう市としての取り組みをするなど、少しずつでも進めてほしいとの考え方も述べた。
渡辺副市長は、「今の給食も安全性には気をつけて提供されており、現状では、すぐにオーガニック給食を導入する状況にはないと考えるが、よりよい給食にする目的は同じなので、みなさんとの話し合いはしていきたい」などと話した。
市側(左)は今すぐ導入は考えていないが、話し合うとの姿勢を見せた
農林水産省のホームページなどによると、学校給食での有機農産物などの利用は、東海地方だけでも、愛知県岡崎市、大府市、あま市などで米やニンジン、ダイコン、タマネギなどで取り組みがされている。千葉県いすみ市では、2012年から有機農業への転換に挑戦し、2015年から地元産の有機米が市内の小中学校の給食に使用され、2017年には100%有機米にしたといい、その後も有機野菜の採用へ進んでいるという。