【福島市・郡山市・いわき市・会津若松市】女将が伝統の味を受け継ぐ、福島県内の老舗6選
女将さんならではの心配りと温かなおもてなし。変わらぬ味と笑顔に心まで満たされる、福島市・郡山市・いわき市・会津若松市の老舗を紹介。
【令和6年創業】ビアハウス ローゼンケラー[福島市]
新天地でも変わらない“おいしい料理とビール、至福の時を分かち合う場所”
福島市の『ビアハウス ローゼンケラー』の前身は、昭和57年にオープンした「ビアレストラン ローゼンケラー」だ。旧店舗を切り盛りしていたのが小林篤子さん。福島駅前という立地にも恵まれたビアレストランは、気の置けない仲間同士、おいしいビールと料理、至福の時を分かち合う場所、街なかの文化を育む場所としてお客さんを魅了し続けた。
状況が一変したのがアフターコロナだ。料理、サービス、ビールの繊細なおいしさを売りにしているのに、人手不足でそれらが叶わなくなったのだ。令和5年9月、閉店を勇断。その後、再開を待つお客さんたちとビルのオーナーの声を力に令和6年3月、旧店舗があったビルの2階に再オープンを果たした。新店舗では篤子さんの三男・宣允さんが代表兼チーフコック、兄・大介さんがフロアマネジャーを務める。
おすすめは、福島県外から訪ねて来る人もいるという煮込み料理だ。兄弟を見守る篤子さんから受け継いだ煮物などの和食メニューも好評。スープ、サラダ、コーヒーがお替わり自由で、ライスの大盛り無料、特盛と鬼盛は別料金というランチも人気がある。
ビアハウス ローゼンケラー
住所
福島市栄町12-10 ひかりビル2F
電話番号
024-522-8611
営業時間
11:30~14:00(13:45ラストオーダー)
※月~金曜日は17:00~22:00(フード21:00ラストオーダー、ドリンク21:30ラストオーダー)も営業
休み
毎週日曜日(祝日の場合は営業、翌日休み)、12月31日、1月1日
駐車場
なし
リンク
https://www.instagram.com/rozenkera/
備考
キャッシュレス決済/クレジットカード各種、PayPay、他
【昭和22年創業】中国料理 珍満賓館[福島市]
変わらぬ笑顔とおいしい料理がお出迎え。福島の人たちを元気にしてきた町中華
元気いっぱいの明るい声でお客さんを迎え続けて50数年。塩野琴子さんは福島市北町にある中国料理店『珍満賓館(ちんまんひんかん)』の名物女将だ。2024年11月末で78歳になった琴子さんは、台湾出身で料理人の父と日本人の母の第一子として生まれた。
両親が昭和22年に福島市宮町に店を出した後、お父様が昭和45年に亡くなって、4年後に弟や夫の哲央さんと店を継いだ。平成の初めに瀟洒な店構えになっても、お馴染みのメニューは変わらず残っている。
提供する限定20食の日替わりランチは680円。「肉と野菜の五目うま煮」「えびのチリソース煮」「チキンナゲット酢豚風」など、ライスとスープが付いたお得なサービスセット(980円〜)は100円増しでライスをラーメンにもできる。夜もサービスセットは同じ値段なので、仕事帰りに立ち寄る人も多い。
中国料理 珍満賓館
住所
福島市北町2-1
電話番号
024-522-4379
営業時間
11:00~14:30/16:30~20:30(日曜日は~20:00)
※宴会は応相談
休み
第3火曜日
駐車場
17台
備考
キャッシュレス決済/クレジットカード各種、PayPay
【昭和49年創業】チャイニーズレストラン みかど[郡山市]
地元で愛されて50年の中華屋さん。お客様を大切にしながら歴史を刻む
郡山市方八町に店を構えて50年。本格中華の味わいとボリュームで地元から愛される『チャイニーズレストラン みかど』。いつ訪れても変わらないのは女将の佐藤キイ子さんと若女将の智恵子さんの笑顔。そして、厨房で腕を振るうのは、初代の正勝さんと2代目を引き継いだ息子の正樹さん。調理から接客、料理の提供まで、家族4人の美しい連携が心地良い。
ラーメンとチャーハンなどのお得なサービスセットをはじめ、単品料理も充実している。人気を集めるのがインパクト大の「五目カタ焼そば」。カリカリ麺が五目あんの上にのる。多加水麺を揚げた麺はそのままでもおいしく、あんと絡むとより絶品に。
調理師専門学校の同期だった智恵子さんは、新メニュー作りでも正樹さんをサポートしている。さらに息子さんは後継者として、2024年現在都内の中華料理店で修業中だ。「これからも店をしっかり守っていきたいです」と話す智恵子さんから決意が伝わってきた。
チャイニーズレストラン みかど
住所
郡山市方八町2-19-10
電話番号
024-944-8338
営業時間
11:00~15:00/17:30~21:00(20:30ラストオーダー)
休み
毎週木曜日
駐車場
25台
リンク
https://www.instagram.com/chinese.restaurant.mikado/
備考
キャッシュレス決済/不可
【昭和28年創業】チーナン食堂[いわき市]
いわき市小名浜で働く人々の胃袋と心を満たす、明るくおしゃれな双子の女将
いわき市小名浜で、昭和28年から店を構える『チーナン食堂』。老舗の味を守り続ける名物女将は、国井信子さんと片根恵子さんの双子コンビだ。『チーナン食堂』は、姉の信子さんと妹の恵子さんの両親が貸店舗で始めた店。
その後、現店舗の場所にあった小名浜水産高校(当時)が移転し、両親はその跡地に店舗を建てた。恵子さんは高校卒業後、信子さんはその2年後から店を手伝い、いつの間にか引き継いでいたという。
食堂の人気の秘密は、何と言ってもパワフルな女将たち。軽快なトークと弾ける笑顔が、お客さんの心を元気で満たす。メニューはラーメンの他、みそラーメン(850円)、ラーメンと半チャーハン(1,000円)、カツカレー(1,050円)なども人気。
チーナン食堂
住所
いわき市小名浜栄町66-30
電話番号
0246-92-2940
営業時間
11:00~16:00
休み
毎週火曜日
駐車場
12台
備考
キャッシュレス決済/不可
【昭和2年創業】牛乳屋食堂[会津若松市]
女将4代で守りつないできた、創業100年、懐かしの味
昭和2年創業の会津若松市にある『牛乳屋食堂』。ここは女将たちが4代にわたり創業の味を守り継いできた。当時、会津線の開通に合わせ、昭和2年に初代女将が現在の地で牛乳屋を始めたという。そして、近所の中国人に支那そばの作り方を伝授してもらい食堂も始めた。
手作りしていたインパクトのある手打ち極太麺の製造こそ、今は会津若松市内の製麺業者に委託しているが、コシが強くスープとの絡みの良さはそのまま。豚骨に鶏ガラ、煮干しでとるスープは変わることなく、創業からのじんわり染みる素朴さを味わうことができる。
食堂のもう一つの看板であるソースカツ丼は、福島県産豚肩ロースをブロックで仕入れ、厚みのある肉をカラリと揚げている。それをふわふわした手切りの千切りキャベツにのせ、継ぎ足しながら使ってきた秘伝の甘辛ソースをまとわせる。また、休日には最低でも100食の注文がある一番人気の「ミルクみそラーメン」は、元牛乳屋を取り入れた3代目女将のアイデア。
現女将で4代目の井上美紀さんはラーメンの味は守りつつ、新しいメニューや新しい販売方法にもチャレンジしていきたいと話す。
牛乳屋食堂
住所
会津若松市大戸町上三寄香塩343
電話番号
0242-92-2512
営業時間
11:00~14:45/17:00~19:45
休み
毎週水曜日
駐車場
20台
リンク
http://www.gyunyuya.jp/
備考
キャッシュレス決済/不可
【明治35年創業】六代目 鰻のえびや[会津若松市]
「変わらないように変えていく」を胸に、老舗の暖簾を守るため踏み出した一歩
会津若松市の繁華街に店を構える老舗『鰻のえびや』は令和4年、後継者のないピンチに直面していた。そんな折、店を切り盛りする女将として白羽の矢を立てたのが、柳津観光協会に13年勤務していた金坂富巳子(ふみこ)さん。仕事柄、飲食店との付き合いはあっても飲食業の経験はゼロ。悩み抜いた末「老舗をなくしてはならない」と一大決心し、再建のために女将を引き受けることにした。
割きたて、焼きたて、蒸したてをモットーにするこの店では、その節々で産地を厳選した国産の活鰻を毎朝入荷。この道50年の親方が手際よく割き、焼き担当が串を打って白焼きにする。写真のメニュー「うなまぶし」は、まずうな重をそのまま食べ、次に小どんぶりによそって、とろろをかけいただく。最後に薬味とダシをかけて締めるという3通りの味わい方を楽しめる。
また、冬季限定メニューの「うなぎ鍋」(4,400円)も登場。うなぎの頭と骨からとったダシにセリやネギなどの香味野菜を加え、白焼きを煮込んでアツアツを柚子胡椒でいただく。締めは卵とじにして、汁の最後まで味わい尽くすという体の温まる新名物を楽しみたい。
六代目 鰻のえびや
住所
会津若松市馬場町1-21
電話番号
0242-22-1288
営業時間
11:00~14:30(13:30ラストオーダー)/17:00~21:00(20:00ラストオーダー)
休み
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は、翌日休み)
駐車場
なし(ハッピーパーキングの利用で1時間分の駐車券発行)
リンク
https://unaginoebiya.co.jp
備考
キャッシュレス決済/カード各種