自分たちでつくりあげる最高の音楽を目指す 大分豊府高校吹奏楽部 【大分県】
新体制となり初めての大会となった「大分県高文連ブラスカーニバル」で金賞・最優秀賞を受賞した大分豊府高校吹奏楽部。3年生の人数が前年よりも少ないことや、先輩たちの後を受け継ぐことに不安もあったというが、見事結果を残した。「この大会が転機となった」と話すのは顧問の中村慎之介教諭。「新メンバーでの初めての大会で、いまひとつ自信を持てなかった生徒たちが結果を聞いて涙を流して喜んだ。自分たちの良さや、やればできるという気持ちを身に付けることができた」
続く「第49回九州アンサンブルコンテスト」でも金賞を受賞。さらに「第7回全九州高校総合文化祭大分大会」では、最も審査員の印象に残った学校に贈られるヤマハ賞を手にした。部員たちにとって驚きの連続だったが、結果を残せたのは謙虚な姿勢とチームの一体感にある。「全員が自分の言葉を素直に吸収し、何事も前向きに受け止めてくれる。一生懸命に音楽に向き合う気持ちと団結力が、一つ一つの大会を乗り越えている」と中村教諭。
夏には「大分県吹奏楽コンクール」が待っている。この大会では2011年から12大会連続の金賞を受賞し、九州大会も5年連続出場しているが、目標は賞だけではないという。部長の高橋里緒(3年)は、「結果は大切。でも、何よりも大切なのは自分たちの音楽を完成させること」と、一つの曲を全員でつくりあげることが最大の目標であると話す。
これからある多くの大会やイベントで目指すのは、最高の演奏を自分たちの手で奏でること。「自分たちが心動かされる音楽をつくりあげた時に、結果は必ず付いてくる」と中村教諭。豊府高校吹奏楽部の音楽には、素直さと謙虚さ、そして演奏できる喜びに感謝する心が表現されている。今年もまた、自分たちの音楽と真っすぐに向き合い成長を続けていく。
(塩月なつみ)