【秋の味覚】洋梨はまさかのローストビーフと相性抜群だった!
今年9月に「和梨」について特集しましたが、今回は秋の味覚の代名詞「洋梨」にスポットライトを当てます。スーパーで見かけて購入したものの、固いまま食べてしまい「あれ、思ったよりおいしくないな……」とがっかりした経験はありませんか?
そこで今回も、果物のプロフェッショナル、元・東京青果の加藤宏一さんに、洋梨の奥深い世界について伺いました。洋梨と和梨の違いから、品種ごとの特徴、驚きの食べ方まで、洋梨の魅力を余すところなくお届けします。
「洋梨」と「和梨」は何が違う?
加藤さんによると、両者の最大の違いはその食感にあります。
和梨: 特有のジャリジャリとした(石細胞しょくさいぼう)成分があり、シャキシャキとした歯触りが特徴です。日本原産で縄文時代から自生していたと考えられており、長い歴史の中で品種改良されてきました。
洋梨: 大体が「メルティング質」と呼ばれる、非常に滑らかでとろけるような口当たりが特徴です。栽培の歴史は古く、日本には明治時代に伝わり栽培が始まりました。また、洋梨は和梨に比べて食物繊維が豊富に含まれているそうです。
失敗しない洋梨の選び方と食べ頃
洋梨の代名詞ともいえる「ラ・フランス」は、実は非常に硬い状態で市場に出回ることが多く、購入者が食べ頃を誤りがちです。洋梨の食べ頃サインは「しっとりと手になじむ感覚」です。
ただし、朗報です! これからの時期に流通する多くの品種は、ほぼ食べ頃の状態で店頭に並ぶことが多いそうです。安心して購入し、すぐにその美味しさを堪能できます。購入後は冷蔵庫で冷やして、早めに食べ切りましょう。
様々な洋梨を食べ比べ
今回、東京都内のスーパーで購入することができた洋梨を4種類食べ比べてみました。なお洋梨の品種は約100種類あるそうですが、地元のみで消費されている品種も多いそうです。
1. 洋梨といえばこれ!「ラ・フランス」
日本の洋梨ブームの火付け役。国内生産の多くが山形県産です。フランス発祥ですが、栽培が難しいため本国フランスではほとんど作られておらず、今や「日本独自の洋梨」となっています。
スー&近藤の感想: 「甘くて品があって、しっとりしている。甘すぎないバランスが良い。」
2. 山形県が誇るオリジナル品種「メロウリッチ」
洋梨生産量全国1位の山形県が開発したオリジナル品種です。「ラ・フランス」に似た食感ながら、より糖度が高く、名前の通り「メロウ(まろやか)」で「リッチ(濃厚)」な味わいです。
スー&近藤の感想: 「めちゃめちゃ美味しい! 柔らかさの中に和梨のような感じもある。見つけたら絶対に食べてみてほしい!」
3. フランス生まれ青森育ち「ゼネラル・レクラーク」
フランスで生まれ、青森県などで主に栽培されている品種です。和梨のようなサビ模様の皮が特徴的。非常にみずみずしく、滑らかな口当たりが魅力です。市場に本格的に流通するのは今まさにこの時期からです。
スー&近藤の感想: 「ものすごくみずみずしい! 今までにない柔らかさで、口当たりがとにかく滑らか。」
4. 希少な赤い洋梨「レッドコミス」
「ドゥワイエンヌ デュ コミス」の枝変わり品種です。その名の通り皮が鮮やかな赤色をしています。生産量が少なく少し高価ですが、きめ細かく濃厚でクリーミーな舌触りは格別です。
スー&近藤の感想: 「全然味が違う! 他の品種にあったフレッシュな酸味はなく、とにかく濃厚でクリーミー。」
意外な組み合わせ!「ローストビーフ×洋梨」が絶品
果物のプロ・加藤さんおすすめの食べ方は、なんと洋梨とローストビーフの組み合わせ。試してみると驚くほど相性が良いことが判明!
スーさんの感想: 「市販のローストビーフに洋梨を巻くだけで、めちゃめちゃ美味しい! 生ハムメロンよりも美味しいかも!」
今が旬の洋梨。そのままはもちろん、意外なアレンジもぜひ試して、秋の味覚を存分に堪能してください!
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)