県高校総体前特集 バレーボール男子(2)大分南 覚醒したエースが、県総体制覇に導く 【大分県】
県高校総体の組み合わせが決まったバレーボール。男子は31日から3日間の熱戦が繰り広げられ、夏の王者を決める。大分南が頭一つ抜けているが、シード校に変わりはなく、力を付けている。第2回は優勝候補筆頭の大分南。全国高校選抜候補のエースを軸に県総体制覇へと挑む。
覇権を争っている大分南と大分工業。実力は拮抗(きっこう)しているが、春の高校バレー県予選、県高校新人大会と大分南が勝利し、一歩リードしている印象だ。
その勢いを証明したのが、4月に行われた全九州バレーボール総合選手権大会の県予選(以下、九総予選)。1セットも落とすことなく勝ち上がり、決勝でも大分工業をストレートで下した。普段は辛口の柿原茂徳監督が「まずまず」と満足げな言葉を紡ぐほど、安定した内容だった。
選手たちはそれぞれ見せ場をつくったが、中でも際立ったのがキャプテンでエースの井手平夏和(いでひら・なお、3年)。サーブ、スパイクとあらゆる場面で躍動し、会場を沸かせた。元々高いポテンシャルを持つ井手平は、全国高校選抜候補第3次合宿に選出され、全国の強豪たちと切磋琢磨(せっさたくま)する中で飛躍的に成長。打点が高くなるなど技術、身体能力ともにますます磨きがかかっている。高校選抜の最終結果が分かるのは県高校総体後だが、今後さらなる活躍を見せてくれるのは間違いない。
3年生を中心にチーム作りを進める大分南
今年のチームは、井手平を始め、芦谷稔、宮永晃宏、姫野蓮史ら3年生が中心。全員が実力、人間性ともに優れており、「主体的によく練習するし、3年生に任せれば安心」と柿原監督の信頼も厚い。現在は最初の攻撃となるサーブ戦術など、一歩踏み込んだ練習に取り組む。そのほか、5年ほど前から導入しているブレイン(メンタル)トレーニングにも力を入れており、思考法を変えたことが心の安定につながり、チーム全体に安定感をもたらしているという。
県総体の目標は言うまでもなく優勝。昨年、大分工業に接戦の末敗れた悔しさがあるだけに勝利への渇望は強く、九総予選の結果にも決して満足はしていない。井手平は「(九総予選の)2セット目はサーブで崩され、負けパターンにハマった。勝つことはできたが、自分たちの弱さを痛感した。ディフェンスに課題があるし、もっといいサーブも必要。高校選抜候補合宿でレベルの高い人にもまれ、自分の目指す理想像が明確になった。それをチームに還元したい」とおごることなく、優勝の二文字を見据えている。
3年生中心ではあるが、次期エース候補として期待される嵯峨史都(2年)や、中学時代に県中学選抜チームでキャプテンを務めた森山慎平(1年)など下級生にも能力の高い選手が多い。昨年の雪辱を果たすために一丸となって県総体に挑む。
県総体では昨年の雪辱を晴らす
(甲斐理恵)