「ちょっと強面」の観光ガイド誕生…クマ対策まで担う?!桜の名所で始まったユニークな試み【北海道・奈井江町】
北海道でお花見シーズン真っ盛りとなった5月頭。
空知のサクラの名所では、「ちょっと強面」の観光ガイドが、観光客をやさしくお出迎えしていました。
クマ対策にもなり、観光スポットにもなる…?ユニークな取り組みです。
連載「クマさん、ここまでよ」
約1800本のエゾヤマザクラが咲き誇るサクラの名所
札幌市から車で1時間、北海道空知地方の奈井江町。
「にわ山森林自然公園」は、約1800本のエゾヤマザクラが咲き誇るサクラの名所です。
5月5日まで「ないえ桜まつり」が開かれ、多くの花見客で賑わっていました。
しかし北海道では、クマの出没も心配なところ。
「安心して花見を楽しんでほしい」と、イベントを主催する観光協会が、味方を迎え入れました。
「ワオー!ワオー!」遠吠えが響き渡ります。
声の主は、ロボットオオカミ「モンスターウルフ」です。
クマの天敵、オオカミの風貌と大音量の威嚇で、公園にクマを寄せ付けない…クマ対策グッズです。
奈井江町商工会は、「クマが頻繁に出没するので、クマ対策で設置している。そんなに怖がる子どももいない」と話します。
とはいえ、このままだとクマだけではなく、観光客も威嚇してしまいます。
そこで、「モンスターウルフ」を開発した会社「太田精器」が、ある改良を加えました。
オオカミが遠吠えした後に、やさしく地元を案内するのです。
「ワオーン!ようこそ!ここからの眺めは空知地方でも指折りの絶景。ひときわ高いのが標高1100メートルのピンネシリです」
強面から想像もつかない「かわいい声」です。
ちょっと強面の観光ガイドが誕生しました。
訪れた人は、「いいと思いますよ。滝川でもクマが出たんですよね。何となくこんなのがあると楽しいし安心」と話していました。
奈井江町商工会は「ほかの山とは違って『クマよけ』があるということを楽しんでほしい」といいます。
モンスターウルフが、最後にこう語りかけてくれました。
「ここで出会った風景、音、空気が、皆さんの心にやさしく長く残りますように」
連載「クマさん、ここまでよ」
暮らしを守る知恵のほか、かわいいクマグッズなど番外編も。連携するまとめサイト「クマここ」では、「クマに出会ったら?」「出会わないためには?」など、専門家監修の基本の知恵や、道内のクマのニュースなどをお伝えしています。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部IKU
※掲載の内容は取材時(2025年5月2日)の情報に基づきます。