条例制定目指す横須賀市議会 スポーツ振興の意義議論 市民の健康増進、地域活性
スポーツの振興で市民の健康増進を図るとともに地域の活性化を目指す横須賀市議会が、「(仮)横須賀市スポーツ振興条例」の制定に取り組んでいる。詳細を検討している中で広く市民に意見を求めようと4月19日、議員とスポーツ団体の代表、大学生など約30人が集まって、西逸見町の生涯学習センターで意見交換会が開かれた。
前提となる考え方を共有するため、関東学院大学経営学部の奈良堂史准教授が「スポーツによるまちづくりの進め方と要点」と題した講演を行った。奈良准教授はスポーツの価値として、「公平・公正・平等なルールの中で競い合うことや試合後に互いに称え合うなど社会規範を学べる」と説明した。
まちづくりとスポーツをリンクさせて進める上でのポイントには、市のスポーツ振興の「現状認識」、国・県などのスポーツ政策の動向を踏まえた「政策的環境」の認識、現実的な視点で描く「ありたい姿」、「できること、できないこと」を取捨選択した具体的施策、地域色などの「独自性の加味」の5つを挙げた。これらを踏まえ、ビジネスと同様の戦略的な思考と発想で進めることの必要性を強調した。このほかに重要な視点として、人口減少・少子高齢化時代を踏まえる視点も説き、トップアスリートを頂点に置いて、競技人口のすそ野を広げる従来型のピラミッドモデルの発想から「する・見る・支える」の多様な関わり方を重視する意識の変容を伝えた。
策定中の条例案の検討状況については、同協議会で委員長を務める加藤真道市議が報告。全体像として、条例の目的や基本理念、市の責務、市民の役割などが示された。参加者との意見交換では「横須賀の独自性や他市との差別化が見えない」「スポーツをライフスタイルに落とし込む環境整備を求めたい」といった発言や「体育施設のひとつとして学校の活用を推し進めるべき」などの要望があった。
同条例は議員提出議案として、12月定例会の提出をめざしている。