淡路島西海岸の丘の上で亡き人の想いを繋ぐ「たもやん桜」壮大な一本桜が今年も満開に 淡路市
淡路市尾崎の昔ながらの棚田が広がる地域に、「たもやん桜」の愛称で親しまれる大きな一本桜があります。長いことその噂を耳にしていながら、実物を見たことのなかった記者。今朝、「今日こそその桜に会いに行こう!」と思い立ちました。
「たもやん桜」は、今から60年以上前に地元住民の高田保さん(通称たもやん)が同地に植えたソメイヨシノ。植樹者が亡くなった後も成長を続け、現在では地域のシンボルツリーとして、保存会をはじめとする地域の人たちに大切に管理されています。
淡路島西海岸沿いを走る「淡路サンセットライン」を北上。製薬会社を過ぎた辺りの角を山側に右折すると、標識が目に入りました。これに従って直進すると、間もなく到着。
これがその「たもやん桜」です。この日は八部咲きといったところ。初めて見た巨木の存在感に、記者はただただビックリ!
10mはゆうに超えるであろう高さの巨木は幹が5つに分かれて、大きな枝を四方にのびのびと広げています。どの枝にも薄桃色の桜の花がぎっしりと咲いています。
木が斜面に立っているためか、花の咲いている枝たちが顔の近くに感じます。まるで「どうぞ」と木が花の咲いた枝を差し出しているよう。なんだか暖かな気持になります。
たもやん桜の向こうには、なだらかな棚田と素朴で穏やかな家々の風景、そして広い海が見晴らせます。清々しい解放感が心地よい眺めです。
さらに高台に上がってみると、たもやん桜の全容を上から眺められました。本日は海の方に靄がかかっていましたが、スッキリ晴れると言葉にならないほどの絶景が期待できそう。
記者が訪れたのは朝ですが、夕方には「日本の夕陽百選」にも選ばれた淡路島西海岸の夕陽をバックに桜を観賞できます。桜の開花時期には、夜間ライトアップも行われているそう。
ここで「たもやん桜」を見に行く際に気をつけてほしいこと、ひとつ目!
道路が狭いです。31号線を曲がると、桜がある場所までは2台の自動車が対向する幅はほぼありません。くれぐれも安全運転でお願いします。
ふたつ目!トラブル防止のため、桜の周辺での飲食は原則禁止となっています。お花の鑑賞に専念しましょう。
遠い昔に「たもやん」さんが植えた一本の桜。その想いは時間を超えて、桜を見る多くの心の中に小さく、でも明るく灯り続けます。今年は4月12・13日の週末頃がお花の見納めとなりそうです。
場所
たもやん桜
(淡路市尾崎)
見学時間
24時間
料金
無料