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「一緒に歌えるのが嬉しい!」 ミュージカル「黒執事」~緑の魔女と人狼の森~ 立石俊樹&小林郁大インタビュー

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左から 立石俊樹、小林郁大

ミュージカル「黒執事」の最新作、「緑の魔女と人狼の森」にて3度目のセバスチャン・ミカエリスを演じる立石俊樹と、本作からシエル・ファントムハイヴ役で出演する小林郁大。「悪魔で執事」&「13歳の伯爵」──命懸けの契約を交わし、「女王の番犬」として絶妙なコンビネーションを発揮して闇の任務を請け負うふたりの活躍に、さらなる期待が高まる!

──こうしておふたりで顔を合わせるのはまだ数回だそうですが、初対面の印象は覚えていますか?

立石 郁大くんに初めて会ったのはビジュアル撮影の日で、その時はもう準備も終えてシエルの姿だったんですよ。なので、郁大くんというよりも「あ、シエルだ」と。写真もシエルらしくちょっとツンとしてる表情だったりしたんですが、「今いくつ?」「13歳です」「おお〜っ」とか(笑)少しお話もできて、緊張している様子なんかに触れてるとすごく可愛らしくて自分の心も洗われるようだな、と思いました。あと、ケータリングでお菓子があったんですけど、とあるチョコのお菓子だけすごい減ってて……

小林 あ、はい。ずっとお菓子食べてました(笑)

立石 それもなんか可愛いなぁと。

小林 あのときは立石さんもセバスチャンのメイクだったので、「わ、本物のセバスチャンだ!」って思って、僕はめっちゃドキドキしてました。実際に話したらすごい優しいお兄さんで嬉しかったです。

立石 うん(ニコニコ)

──小林さんはこれが舞台2作目。シエルに決まった時の気持ちはいかがでしたか?

小林 去年出た舞台がすごく楽しくて、今回も「絶対受かりたい!」って気持ちでオーディションに臨んだんです。シエルはいろんな性格があるので、そこを演じ分けるのが鍵なのかなと思って色々研究して…だから決まってとっても嬉しかったです。

立石 僕も嬉しいです。新しいシエルはどんな子なのかなってすごく楽しみでしたし、今こうして隣で声を聞いてると、やっぱりその年代でしか出ない声色というか、この年齢にしか出せないリアルっていうのはあるよなぁと。オーディションでしっかり演技について意識していたというのも…あらためてすごいなぁと感心してしまいます。なんかこの感情、リアルに執事と主人っていうような気持ちになりますよ。

──今は本稽古前の歌稽古が進んでいるそうですね。“生執事”の楽曲、難易度も高いのでは?

小林 どの楽曲もそのシーンの雰囲気に合ってて「すごいな」と。だからその歌に合わせて自分の演技とかもしっかり歌って表現したいと思って稽古しています。歌は大好き。でも今は少し声変わりがあるのでやっぱり音の出にくさとかはたまにあったりもするんですけど、そこも自分でしっかりコントロールしながらやっていければ。

立石 ふたりでの歌稽古はまだ1回だけなんですけど、彼、歌声もすごい魅力的だし、上手ですし、聴いていて「歌が好きなんだな」っていうのが伝わってくるんですよ。やっぱりまず「好き」っていうのは表現の上でも大前提だと思いますし、芝居に入ったらもっと良くなるんじゃないかなっていう予感しかないです。一緒に稽古していくのが楽しみ!

小林 僕も立石さんと一緒に歌えるのが嬉しいです。

立石 (頷く)

──立石さん、なんだかすごく照れているような。

立石 いや〜、僕もお兄さんの立場で自分よりも年齢の若い人としっかり関わっているこの感じがマネージャーさんやスタッフさんにとってもこの状況はすごく新鮮らしいんですけど、何を話せばいいのやら……ちょっと、どうしたらいいかわかんない!

小林 フフッ(笑)

立石 でも郁大くんにはもう本当に自由にやってほしいなっていうのはすごい思っていて、稽古でも本番でも、自分が思うシエルっていうのを演じてもらえたらいいなって。そして僕はそれを全部受け止めていきたい。

──まさに執事と主人の関係のように。

立石 そうそう。

小林 僕、原作を読んでいてセバスチャンとシエルの関係性がすごいいいなって思ってて……「契約」なんだけど「絆」みたいなのがすごいぐっとくるっていうか。それを立石さんとも作っていきたいので、そうやって言ってもらえてすごい心強いです。

立石 大丈夫大丈夫。あの歌声を聞けばもう、絶対大丈夫だから。

小林 わぁっ。

立石 僕も今回3回目なんで、素直に「任せてください」って言えますよ。とにかく無理せず、自分軸を持って、自分らしいシエルにしていって欲しい。そうしたら自分のこだわりや悩みすらもうまく役にリンクするんじゃないかな。郁大くんとシエルの感情が自然に繋がっていくような気がすごくするので。そしてそういう郁大くんと向き合うことでどういうセバスチャンになるんだろうなと自分自身もとても楽しみです。

小林 いっぱいアドバイスもらって導いてほしいです。

立石 もちろん!

小林 嬉しいっ。

──ちなみに小林さんはミュージカル「黒執事」のどんなところに魅力を感じていますか?

小林 やっぱり、シリアスなやり取りの中にもコミカルなところがあって、原作やアニメでもそういうところはめっちゃ好き。気持ちをくすぐられる感じがするんです。

立石 そうなんですよ〜。結構シュールな笑いどころもあったりと、ずっとシリアスなわけじゃなくて。

──「そこ」があるからこそ、観ている側もさまざまな悲劇的展開でも心を整えて没入できる。「緑の魔女編」もかなりドラマティックなストーリーで、シエルが背負うものも相当ヘヴィーですが……

小林 そういう部分でも、やっぱりさっき言ったシエルのいろんな性格面の演じ分けを大切にしたいです。かっこいいところ、クールなところ、あと、たまに子供っぽい可愛らしさがあるのも見どころだと思うので。そこのメリハリをはっきり表現していきたいです。

立石 今回はシエルももちろん、緑の魔女であるサリヴァンが背負ってるものがかなり作品全体に反映されていますよね。あの年代の……13歳ぐらいの子たちのピュアな気持ち、悩みながらもなんとか本当の自分の思いに気づいて歩み出していくときのパワー、未来の光に立ち向かっていく姿に、やっぱり僕は大人としてすごく励まされるというか、「ああ、若さっていいなぁ」としみじみ思うんです。サリヴァンは少しの間、お世話もさせていただくので、シエル以外の人物に初めて執事として振る舞えるってところもお芝居としてひとつ楽しみなポイントです。

──今作から作品初期を担ってきた毛利亘宏さんが演出として戻ってこられます。小林さんは初舞台でも毛利さんとご一緒していましたね。現場で印象に残っているやりとりはありましたか?

小林 はい。俳優さんに対してお話するときに「こうして」という指示ではなく、「こうしたほうがいいんじゃない?」みたいなアドバイス、ヒントを出してくれたのが印象に残っています。自分もいろいろ言っていただいて、すごく参考になりました。

──立石さんは初タッグ。

立石 はい。まだインタビューで1回、そしてビジュアル撮影のときにご挨拶した2回しかお会いできていないんですが、作品に対してどこまでも突き詰めたいっていう情熱をもった方だというのがインタビューの中で感じられて。そういう毛利さんとご一緒できるのはすごく嬉しいですし、「生執事」の経験者という部分も含め、共により自由に新しいものを求めていけそうだなって考えています。

──ある意味原点に帰り、そしてさらなる新しい扉を開いていく“生執事”最新作。立石さんは前回のインタビューで「作品に描かれた人間ドラマを伝えたい」と語ってくださいました。

立石 そうですね。今回ほんとにセバスチャンとシエルだけじゃなく、「こんなに人間ドラマがあるのか!」ってくらい、登場する1人1人それぞれが背景にすごい深いものを抱えたキャラクターばかりなんです。それがミュージカルナンバーで綴られることで大きな見どころになっていく。そんなシーンの連続、もうまさにミュージカルだからこそ味わえる「黒執事」になってるんじゃないかなと思います。

──セバスチャンとシエルの関係を再確認する出来事や、シエルに訪れる試練もなかなかに過酷で……

小林 (頷く)。今回のシエルはこれまでの物語とは少し違う雰囲気なんです。いつものシエルは「セバスチャンがいればどんなピンチのときも大丈夫」みたいな感じだったんですけど、今回はちょっとそうじゃないところもあって…これまでのようにはいかない、これまでのようには振る舞えないシエルの姿にもぜひ注目してもらいたいです。

──おふたりが描くネクストステージ、期待しています!

小林 今回、僕もこうしてミュージカル「黒執事」の世界に入ることができ、立石さんたちと一緒にお芝居できることがすごい嬉しいです。『黒執事』のファンの人たち、生執事のファンの人たち、そして、ミュージカルが好きな人たちに楽しんでいただける作品になるように、精一杯、頑張ります。

立石 作品自体を素晴らしいものに仕上げていく、良い舞台をお届けするという気持ちはもちろんなんですが、そういう役者としての思いだけじゃなくて、人間として、自分自身としての思いが強く芽生えているんです。郁大くん含めて今回幅広い年齢層のカンパニーになっているので、年齢が違う人同士が出会うことでお互いに影響するものってすごくあると実感しています。稽古でいろんなことを乗り越え、そして本番中もどんどん変化していくであろう「モノ」がこの舞台からはすごく感じられるし、魅せられると思います。

──立石さん個人の思いに強く響くものがここにたくさんある。

立石 そうなんですよ。脆さや弱さ、繊細さもたくさんあるからこそ、本当に舞台の素晴らしさも伝わっていくだろうなって。ここから1ヶ月みんなで稽古して……幕が開く頃にはびっくりするような作品になるんじゃないかと僕は思ってるんです。絶対に最高の舞台になると思っていますので、ぜひみなさんにもそれを目撃しにきていただければと思います。

取材・文=横澤由香 撮影=山崎ユミ

【立石俊樹】
ヘアメイク:カスヤユウスケ(ADDICT_CASE)
スタイリスト:MASAYA(PLY)

【小林郁大】
ヘアメイク:齊藤沙織
スタイリスト:MASAYA(PLY)

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