船カワハギ釣りで18尾キャッチ【神奈川・一之瀬丸】底から50cm上を狙い撃つと連発
10月中旬。東京湾をはじめ、相模湾の船宿でも一気に釣り物の看板が増えるカワハギ。東京湾金沢八景(洲崎町)の一之瀬丸が10月11日(金)にスポット出船するので、予約して釣行した。
一之瀬丸でカワハギ釣り
舵を握るのは西村幸治船長。「初出船ですが、メインポイントの竹岡沖は、サバフグなどが多いと聞いています。カワハギはもちろんですが、ゲストの活性を見ながら、いろいろなポイントを探りながらやっていきましょう」と話す。
この日、乗船したのは6人。片舷3人ずつに分かれて7時に出船。
途中、昨年ワッペンゲームに湧いた第二海堡を狙ったが、顔を見た程度で終了。すぐに竹岡沖へとポイント移動。8時すぎ、甚九郎根の西側、水深21mでリスタートとなる。
まず、どの層に食い気のあるカワハギがいるのかリサーチ。活性が高ければ浮き気味になるので、底から1m上を基点に、誘い下げながらアタリに集中していく。
しかし、いきなり厄介者のサバフグが登場。ハリスをすべて切られたり、仕掛けの全損も数度あって、なかなか釣りに集中できない。
誘い幅が大きい場合や、派手な動きになるとサバフグの餌食になる傾向が強いと感じているので、ソフトかつ、小さな誘いで続けていくが、カワハギのアタリは遠い。
低活性なスタート
船中では、私以外は集寄や中オモリを使って底中心に狙っている。ポツポツながら、本命が顔を出しているようで、活性の低さを物語る状況。
そこで、オモリを根歩きさせながら、魚が着く硬い底質の場所でステイ。ゼロテンションでアタリを見極める釣り方に変更。しかし、釣れるのはトラギスやベラなどのゲストばかり。本命がなかなかアタらない。
右隣りの鎌倉市・小池さんも同じ状況。オモリを着底させて中オモリを揺らすタタキの誘い。その後一瞬、仕掛けをたるませる間をおいて、聞き上げていく丁寧な釣りを繰り返していた。
突然の連続ヒット
本命のアタリは遠かったが、10時過ぎに待望の1尾を釣ったのを皮切りに、今までが嘘のように7連チャン。横で見ていても圧巻だったが「急に釣れてビックリしています。これで今夜、カワハギを食べることができて嬉しい」と笑顔を見せてくれた。
右舷トモに座った横浜市の熊谷さんも、やはり集寄の釣りでていねいな組み立て。底を中心に、誘ったあと潮に乗せるなかでアタリを取っていた。「なかなかサイズが上がりませんが、やはりカワハギは面白いですね」と話す。
左舷ミヨシは世田谷区の野本さん。小さな幅のスローなテンポで底をオモリで叩き、そのあと長めのステイ。竿先に集中し、アタリを見極める釣り方。軟らかめの竿で食い込みを促し、バラシを軽減させていた。
底付近から本命登場
周りで釣れているのは底ばかり。私もここで仕掛け上部に脱着式の中オモリを装着。仕掛け着底後、その中オモリを大きく揺らして誘いを入れ、その重さを竿先に感じながら仕掛けのテンションを抜いていく。
すると、ゴッゴッとハリが口の中に入ったアタリが到来。聞き上げるようにアワセを入れ、リーリング。船中ただ一人本命を手にしていなかった私もようやく初顔。胸をなでおろしたのは言うまでもない。
同じ釣り方で4尾追釣。周りの釣り方をヒントにすることの重要性を実感した瞬間であった。
連チャンヒットを楽しむ
正午を迎えると、ゆっくりと流れていた上げ潮が止まり、底中心の釣り方ではアタリが出なくなる。
活性が上がるような要素は感じられなかったが、ここで攻めるタナを上げ、底から50cm上を基点に宙狙いにチェンジ。すると、いきなり仕掛けにまとわりつく気配を手感度でキャッチ。
穂先だけを使って小さく誘いを入れ続けていると、ハリを噛むアタリが出始める。カチッという手感度とともに、竿先が少し押さえ込まれたときがアワセ時。ドドドッと竿が叩かれ、激しい抵抗を見せてくれた。
この宙への誘いダナの変更が功を奏して8連チャン。流し替え後も魚は浮いており、ここでも3尾を追釣することができた。
計18尾キャッチ
14時の沖上がりまで、釣れるタナは刻々と変化。宙と底を攻め分けながら、なんとか3尾追加し、計18尾で終了。船中釣果は12~26cm7~18尾。序盤は活性が低く、なかなかアジャストできない時間帯もあったが、各所でカワハギの気配が感じられ、これからの本格期が楽しみな初出船となった。
下船後、西村船長に今後の展望を聞くと「まだ水温が高いので、浅場にいるカワハギが落ちてくるのはこれからでしょう。気配はどのポイントでも感じられましたから、気温の下がるこれからが楽しみですね。分からないことはレクチャーしますので、ぜひカワハギ釣りに足を運んでください」と締めくくってくれた。
難しいからこそ釣って面白く、アフターフィッシングはどんな食べ方でも美味しさを発揮するカワハギ。
本格的なシーズンを迎えるこれからの季節。秋の深まりを船上で実感してみてはいかがだろう。
<週刊つりニュース関東版APC・田中義博/TSURINEWS編>
一之瀬丸
一之瀬丸(いちのせまる) >
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この記事は『週刊つりニュース関東版』2024年10月25日号に掲載された記事を再編集したものになります。