マイケル・ファスベンダー、ジェームズ・ボンド役オーディションを受けてみるも何故かダニエル・クレイグの宣伝をしていたと明かす
シリーズの役は、多くの俳優がぜひ演じてみたいと切望するキャラクターだ。今日のAリスト俳優が、過去にボンド役のオーディションを受けていた例も多く、『X-MEN』シリーズや『プロメテウス』(2012)のマイケル・ファスベンダーもその一人。しかしファスベンダーはオーディションで予想外の言動をしていたらしく……。
『X-MEN』シリーズや『イングロリアス・バスターズ』(2009)など役を射止めた作品から、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)のように役を逃した作品まで、ファスベンダーはこれまで受けたオーディションの数々をPodcast番組『』で振り返った。その流れで番組ホストのジョン・ホロヴィッツはファスベンダーに「今まで実際にジェームズ・ボンド役の話が出たことはないんですか?プロデューサーのバーバラ・ブロッコリと話したことはありますか?」と尋ねている。
「バーバラ・ブロッコリとは通りすがりに会ったことがありますし、ダニエル(・クレイグ)が起用される前に、オーディションにも受けました」と、ファスベンダーはボンド役に挑戦していた事実を明かす。「でも私は自分自身がその候補にいたとは思っていません」と冷静に顧みながら、次のようなエピソードを披露した。
「あの部屋に入って、ブロッコリと(同じく『007』のプロデューサーであるマイケル・G・)ウィルソンに会って、『ダニエル・クレイグは……』と話したことを覚えています。何で私がダニエル・クレイグを宣伝していたのかは分からないんですけどね。自分自身のことを宣伝すべきだろうと。でも、それが私が言ったことなんです。あのオーディションでの私は酷いものでした。」
事実、6代目ジェームズ・ボンド役を勝ち抜いたのはクレイグだが、ファスベンダーの目から見てもそれは明らかだったということだろうか。思わずクレイグを宣伝してしまった心理はファスベンダー本人にも分からないようだ。
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「ダニエルは素晴らしい仕事ぶりだったし、史上最も成功したボンドになったと思います。でもそれ以降、私には何の話もないですよ」とファスベンダーが伝えると、ホロヴィッツは「あなたも素晴らしいボンドになっていただろうと思いますし、まだ可能性はあるでしょう」とすかさずフォロー。ファスベンダーは「終わったことですよ」と流しつつ、最新作『Black Bag(原題)』で共演している、レゲ=ジャン・ペイジが、今後ボンド役のフロントランナーになるのではないかと見立てている。ペイジは「ブリジャートン家」や『グレイマン』(2022)に出演した、目下注目株の実力派俳優だ。
ちなみに、クレイグは『ドラゴン・タトゥーの女』(2011)で、ファスベンダーは『ザ・キラー』(2023)で、ともにデヴィッド・フィンチャー監督作で主演を務めた共通点がある。クレイグはイギリス人、ファスベンダーはドイツ系アイルランド人と出自こそ異なるものの、ともに寡黙でクールな役柄がハマることを思うと、ファスベンダーによるボンド役もきっと魅力的だったことだろう。
ファスベンダーは現在、ペイジを推しているが、『007』シリーズのクリエイティブ権をAmazonがしたことが先日報じられたところばかり。7代目ボンドのキャスト決定までは、まだ時間がかかりそうだ。
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