【北海道の方言】意外と多い!? 北海道民がよく使う北海道弁20選
関西や東北などほかの地域と比較するとクセが強くない北海道弁。そのため、北海道の方言はあまり多くないと思っている北海道民も多いはず。
今回は、過去にご紹介した『北海道Likers』の記事のなかから、北海道にいるとよく耳にする北海道弁をご紹介します。
なかには若い方はあまり使わないですが、年配の方からはよく聞く方言もありますよ。
1:したっけ
北海道弁のなかでも認知度の高い「したっけ」には2つの意味があります。
1つ目は「そうしたら」という意味の接続詞として使われる「したっけ」。
たとえば、「〜ってことがあってさ」などの場合には「山本さんに出会ってしたっけね」のように使うことがあります。
2つ目はあいさつに使われる「したっけ」。
標準語で「さようなら」や「それではまた(失礼します)」の意味。また「それじゃ、また後でね!」のような意味を込めて「したっけね!」と言われているのも道内ではよく耳にします。
2:おばんです
あいさつとして使われている「おばんです」という言葉。“ばん”は、漢字で表すと“晩”に当たります。夕方から夜にかけて使うあいさつで、「こんばんは」に当たる言葉ですね。
20代で使うことはほぼなく、40~50代以降の人に使われているようです。
3:なんも
汎用性の高い万能ワード「なんも」。
「問題ない」という意味の「大丈夫」「いいよ」「ちっとも」という意味で使われる北海道弁です。
いろんなシーンで使えて、短く言いやすい言葉として頻繁に北海道では使われています。
「ありがとう」と言われて返す「なんも」は、「ちっともだよ」「いやいや、とんでもない」といった謙遜の意味に。
「ごめんね」と言われて返す「なんも」は、「いいよ」「平気だよ」「気にしないで」という気遣いの意味になります。
4:~だべさ
「だべさ」は典型的な北海道弁の1つ。「~べ」や「~さ」だけで使われることもあります。例としては、
「北海道の方言といえば、“わや”だべさ」
意味)北海道の方言といえば、“わや”だよね
「明日は、早く学校に行くべ」
意味)明日は、早く学校に行こう
というような使い方をすることが多いです。
5:~しょや
「しょや」は、「~でしょう」という意味で使われる語尾。「~でしょう」の“で”と“う”がとれたものと考えると使いやすいと思います!
「いつも早く寝なさいって言ってるしょや」
意味)いつも早く寝なさいって言ってるよね
「この問題は難しすぎるしょや」
意味)この問題は難しすぎるよ
「そんなことは気にしなくてもいいしょや」
意味)そんなことは気にしなくてもいいんだよ
6:ばくる
ばくるの意味は“交換する”です。自分のものと相手のものを交換するときに使います。そのため、「車のタイヤをばくる」「新しい電球にばくる」というように、部品を交換するというような意味では、めったに使用しません。
例文をみてみましょう!
「私のカードとばくりっこしよう」
意味)「私のカードと(あなたのカードを)交換しよう」
「わたし野菜苦手だから、君のお肉とばくって~」「しょうがないな~、ばくってあげる」
意味)「わたし野菜苦手だから、君のお肉と交換して~」「しょうがないな~。交換してあげる」
7:うるかす
道産子なら当たり前のように使っている「うるかす」という言葉。
水につけておく、水を含ませるという意味です。
食べ終わったお茶碗をお米がこびりつかないように水に浸したりするときに使います。
たとえばこんな感じ!
「食べ終わったらお茶碗うるかしといてよ」
意味)「食べ終わったらお茶碗水につけといてよ」
8:いずい(いづい)
都合が悪い、状態が良くないという意味で使われる言葉です。
ほかにも何となく変だなとか、違和感があるとき、モヤモヤしたときなどにも使います。
例文をみてみましょう!
「目にゴミ入ったのかな……いずい」
意味)「目にゴミ入ったのかな……違和感ある」
9:しゃっこい
「しゃっこい」は、“とても冷たい”という意味。“ひゃっこい”と発音する人もいるようです。雪はもちろん、飲み物の冷たさにもよく使われます。
「雪かけないでよ、しゃっこいから!」
意味)「雪かけないでよ、冷たいから!」
「今朝の水ひゃっこい!」
意味)「今朝の水とっても冷たい!」
10:わや
“ヤバい”と同じような意味で使われている「わや」。
滅茶苦茶、手を付けられないなど、どうしようもない状態のときに使う言葉です。起源は関西にあるそうですよ!
「今年の12月の雪はわやだわ」
意味)「今年の12月の雪は手が付けられないわ」
「ワインこぼしたと思ったら、グラス落としてさ、もうわや!」
意味)「ワインをこぼしたと思ったら、グラスも落として、もう滅茶苦茶!」
こんな感じで使います。最近では必ずしもマイナスな場面だけで使うというわけではないようです。
11:~さる
「~さる」とは、自分の小さなミスの結果何かが起きてしまったが、自然発生的であることを強調するための方言です。
たとえば、リモコンのボタンを間違えて押してしまったときは「押ささっちゃった」と言いましょう。「押そうと思って押したわけではない」という気持ちを弁解できます。
12: ちょす
「さわる」という意味で使われる「ちょす」という言葉。
友達が家にきたときには「勝手に引き出しちょさないでね」なんて使い方をしますね。日常的に使うことが多い方言でしょう。
13:(手袋を)はく
おもに手袋を身に着けるときに使う言葉が「はく」です。一般的には“手袋をつける”ですが、北海道では“手袋をはく”という表現を使います。
北海道では幼児から年配の方まで使っている方言です。
14:まかす
「まかす」は、こぼす・ひっくり返すという意味。おもに、水や飲み物をこぼす、ひっくり返してしまう場合に使います。漢字で書くと「撒かす」で、「撒き散らす」という意味に当たります。
15:ちょっきり
「ちょっきり」は、ちょうど・きりがいい・過不足がない、といった意味があり、主に話し言葉で使われます。「ちょっきし」と言う人も多いです。SNSなどで気軽に書くときにも用いられる言葉です。
標準語では「ぴったり」や「きっかり」といった言い方をしますね。
16:てんをきる
「てんをきる」は、「トランプや花札を混ぜる・きる」という意味の北海道弁です。トランプや花札をするときに、「てんきっといて」など使われます。
西日本の一部地域ではトランプをきることを「トランプをくる」というそうです。地域によってさまざまな呼び方がある言葉ですね!
17:~れ
北海道弁では、動詞の最後に「れ」をつけることで命令形になります。「やめろ」を北海道弁でいうと「やめれ」になります。
実は九州の一部の地域でも使われているらしく、方言だと思わなかったといわれることが多い言葉でもあるようです。
18:ぼっこ
「ぼっこ」とは、北海道弁のひとつで、“(比較的短めな)棒”という意味を持ちます。なので、“木の棒”なら「木のぼっこ」というような言い方をすることが多いです。
こちらも実は愛知県や三重県など、ほかの地域で使われている言葉でもあります。
19:ごみを投げる
こちらは北海道の方言として有名かもしれません。もちろんゴミを本当に投げるのではなく、“捨てる”という意味。
テレビ番組やSNSなどを通して「投げるってどこに?」「初めて耳にして驚いた!」というエピソードが取り上げられることも多く、今では面白い方言として割とメジャーになりました。
20:つっぺ
「鼻血が出たらつっぺしなさい」。道民の方なら誰もが言われたことがあるのでは。
「つっぺ」は“栓”を指す言葉で、鼻血が出たときに使うティッシュやビール瓶の栓、耳栓などをつけることを“つっぺする”といいます。
北海道Likers編集部のひとこと
北海道でよく耳にする北海道弁をご紹介しました。
北海道には方言があまりないイメージも強いですが、意外といろいろな言葉がありましたね。このほかにもたくさんの方言や訛りがありますよ!
文/北海道Likers
【画像】buritora、PicStyle、Fast&Slow、ペイレスイメージズ1(モデル) / PIXTA(ピクスタ)
※北海道Likersの過去掲載記事をもとに作成しています。
※この記事は2021年6月12日(土)に配信し、2024年12月31日(火)に再編集しています。