【大覚寺限定】龍頭舟の焼き印が心くすぐる!バイカル『月水鏡』
こんにちは。ライターの森山あゆみです。
「目で楽しむ逸品~京都×焼き印グルメ探訪~」第4回目はバイカルが販売する大覚寺限定「龍頭舟焼印入月水鏡」をご紹介します。
京都人に愛される洋菓子屋さん「バイカル」
京都市バス「洛北高校前」下車すぐ、下鴨本通北大路の交差点にバイカル下鴨本店はあります。1955年に創業し、今年で創業70周年を迎えた「バイカル」。京都人なら誰もが知る、老舗の洋菓子店です。
2024年にリニューアルオープンした下鴨本店。かつては洋館を思わせるクラシカルな外観でしたが、リニューアル後は一転して、モダンで洗練された雰囲気に生まれ変わっています。
ガラス張りになった新しい店内は、明るく開放的な雰囲気。入り口の真正面にはブランドカラーの赤をあしらったショーケースがあり、存在感抜群です。
ショーケースの中には、定番のモンブランやミルフィーユに加え「はんなりショコラ」や「京抹茶ケーキ」といった、京都らしさあふれる名前のケーキも。色とりどりのケーキがきれいに並んでいて、見ているだけでも幸せな気持ちになります。
下鴨本店には工房が隣接されていて、パティシエたちの作業風景を窓越しに見学できる、まるでオープンキッチンのような造り。こちらでは看板商品のアップルパイやカステラなどが作られています。
また、イートインスペースも開放されているので、往来を眺めながらゆったりと憩いのひとときを過ごせます。
大覚寺限定!「龍頭舟焼印入月水鏡」
今回は、洋菓子店バイカルと大覚寺がコラボレーションした特別なお菓子「龍頭舟焼印入月水鏡」をご紹介します。
「月水鏡(つきすいきょう)」とは?
「月水鏡」はバイカルが販売する、丸い月のかたちを模した乳菓(*)。京都産のミルク、バター、生クリームを惜しみなく使用した、なめらかなミルククリーム餡を柔らかい生地で包んだ一品です。
グランシェフの竹田さんいわく、中央が淡く、外側が濃い黄色になるような美しいグラデーションを作り出すには、焼き加減を10秒単位で調整するという繊細な技が求められるそうです。
ちなみに、「月水鏡」という美しい名前は、嵐山の川の水面に映った月が綺麗だったことにインスピレーションを受けて誕生したことに由来しています。
(※)乳菓とは
牛乳を入れて製した菓子
(コトバンクより)
通常の「月水鏡」には焼き印はなく、「龍頭舟」の焼き印が入っているのは大覚寺限定のみ。
押し方によって焼き印の“顔”が変わってしまうため、ひとつひとつ丁寧にパティシエが手作業で押しているとのことです。
「龍頭舟」とは?
焼き印にデザインされているのは「龍頭舟」のモチーフ。
これは、大覚寺で毎年中秋の名月にあわせて開催される「観月の夕べ」をイメージしたもの。「観月の夕べ」は境内の大沢池に龍頭舟を浮かべ、月を愛でながら楽しむ風雅な催しです。
そもそもこの龍頭舟は唐から伝わったとされるもので、舳先(へさき)には龍や「鷁(げき)」という想像上の鳥の頭が飾られているのが特徴です。
平安時代には、宮廷貴族たちが朝廷の行事や宴でこの舟に楽人や舞人を乗せ、詩や音楽、舞を楽しんだとされていて、実際に『紫式部日記絵巻』などにも登場しています。
現物の「龍頭舟」は華美で龍の雄々しさがありますが、焼き印用にデフォルメされたものはなんとも愛らしい姿に。龍の鱗や装飾は、四角形や三角形の図形で細やかに表現されていて、その繊細な造形も魅力のひとつ。ミニマムな龍頭舟の可愛らしさに、思わず心がくすぐられます。可愛らしい焼き印がお土産にも喜ばれること間違いなし。
1150年以上歴史「大覚寺」
大覚寺は京都市右京区嵯峨にある真言宗大覚寺派の本山。正式には「旧嵯峨御所大覚寺門跡」という名称で、嵯峨御所とも呼ばれます。876年(貞観18年)に嵯峨天皇の離宮を寺院へと改めた門跡(*)寺院で、その歴史は1150年以上。明治時代初頭までは、歴代の天皇や皇統の方が住職を務めた格式高いお寺です。
(※)門跡
平安時代以後、皇族・貴族などが出家して居住した特定の寺院。
(コトバンクより)
境内の東側に広がる「大沢池」は、嵯峨天皇が中国の洞庭湖に思いを馳せて造ったといわれています。
また、名月の名所として知られ、毎年中秋の名月には「観月の夕べ」が開催され、多くの人々が幻想的なひとときを楽しみに訪れます。
ミルキーな優しい甘さが心をほどく「月水鏡」
月水鏡は直径10cmほどの手のひらサイズ。
生地のなかにはみっちりとミルククリーム餡がつまっています。
黄金色の生地はツヤがあり、口当たりも柔らか。
口に運ぶたびミルクとバターの香りがふんわりと鼻をくすぐり、一口食べればまったりとしたミルククリーム餡の食感と優しい甘さが心をほどきます。
「龍頭舟焼印入月水鏡」は大覚寺「お堂エリア内売店」のみの販売です。人気商品なので、売り切れになっているタイミングもあり要注意。どうしても購入したい場合は、事前に電話などにて確認することがおすすめです。
かわいい龍頭舟の焼き印にほっこりしながら、「月水鏡」の優しい甘さに癒されるひとときを。大覚寺でしか出会えない特別なスイーツです。
店舗・施設名 旧嵯峨御所 大本山大覚寺
住所 京都市右京区嵯峨大沢町4
電話番号 075-871-0071
※土産物に関する問い合わせ先は大覚寺 財務部 販売課・売店まで
交通 市バス28「大覚寺」下車すぐ
駐車場 あり 有料
料金 大人500円 小中高生300円(お堂エリア参拝料含む)
※大沢池エリアは別途参拝料
ホームページ https://www.daikakuji.or.jp/
■スポット情報
店舗名:バイカル下鴨本店
住所:京都市左京区下鴨本町4−2
電話番号:075-781-1891
営業時間:無休
(販売)10:00~19:00(イートイン)11:00~18:00
交通:京都市バス「洛北高校前」下車すぐ