『売れ残ってしまった猫』のために私たちができる4つのこと 彼らはそのあとどうなるの?
売れ残ってしまった猫たちの運命
生体販売では、多くの消費者が子猫を求めることから、猫が大きくなってしまうと購入希望者が減少します。売れ残った猫は、販売者にとっての商品価値が下がるため、できるだけ売れ残らないように積極的に値下げをして安く販売されるようになります。
しかし、それでも売れ残った場合には、譲渡やブリーダーへ返却されます。以前は処分する目的で保健所へ持ち込むことがありましたが、現在では多くの保健所が持ち込みを拒否することから「引き取り屋」に渡されることもあります。
引き取り屋のなかには、動物たちの命を軽視するような悪徳業者も存在することがわかっています。そして、この現状を改善するためには、ひとりひとりが動物の福祉について考える必要があるのです。
売れ残り猫たちのために私たちができること
猫好きなら、どんな猫でもツライ目には遭ってほしくないと考えるのではないでしょうか。
生体販売で売れ残った猫たちの未来をすこしでも明るくするために、私たちができることを考えてみましょう。
1.里親として迎える
猫をお迎えしようと考えたとき、販売元から引き取った猫の保護施設や実際にペットショップで値下げされている猫を検討することは、売れ残り猫たちの命を救う直接的な方法になります。
すでに大きくなっている猫や年齢が上がっている猫を避ける人もいますが、はじめて猫を飼う人は、やんちゃな子猫よりも落ち着いたオトナの猫の方が飼いやすいものです。
2.猫保護団体を支援する
猫を飼うかわりに、猫保護団体への寄付やボランティア活動で支援することも猫たちの支援には有効な手段です。多くの団体は経済的にギリギリの状態で運営されていますので、寄付は金銭だけでなく、フードや衛生用品などの支援も感謝されるでしょう。
ボランティア活動では、猫たちの世話だけでなく、サイト運営や経理、グッズ販売などをみんなで協力しあっている団体もあります。猫を飼えない人でも参加できるのがメリットです。個人でも小さな行動から、猫の過剰繁殖を抑制するための力になれるのです。
3.生体販売のあり方を見直す
「命」を商品にするビジネスに対して、各々が疑問を持ち、学び、現状の改善に関して意見を交換する必要があります。
世界的にも、ペットショップでの生体販売自体を禁止する国が増えており、イギリスやドイツ、イタリアに次いで今年2024年からはフランスも生体販売を禁止しました。一方、日本では、2022年に動物愛護管理法が改正され、繁殖制限や取引の透明性が強化されましたが、まだペットショップでの販売を禁止するまでに至ってはいません。
日本で生体販売を禁止にするための活動しているのは、いくつかの民間団体しかありませんが、賛同する署名活動に参加することも私たちができることのひとつです。
4.地道な啓蒙活動
人間の都合で過剰生産される猫たちを減らすためには、数人にとどまらず社会全体での認知が必要になります。そのために必要なのは、消費者の意識改革です。
理想は、各地の動物保護施設や保護団体と連携して、先頭に立って情報発信することですが、このようなことを個人で行うのはとても大変です。
もし身近な人から猫を飼いたいと聞いたら、購入するよりも保護猫を推奨したり、SNS上で情報発信したりすることは個人でも簡単にできます。もし、たった一言の言葉でも、売れ残った猫の未来を大きく変えることがあるのです。
まとめ
売れ残ってしまった猫たちの未来を変えるために、私たちにできることは「猫を購入する」だけではありません。
猫保護団体への寄付やボランティアも支援となります。また、生体販売のあり方を見直して、従来のペット業界の変革を促すことも可能です。いきなりガラッと社会の流れを変えるのは簡単ではありませんが、多くの猫好きたちが立ち上がり、正しい情報の発信や周囲に保護猫を勧めるだけでも、状況を少しずつ変える力になります。自分たちにできることをすこしずつ始めることが、確実に大きな影響を生む一歩となります。
幸せに暮らせる猫たちを増やすため、まずは自分にできる小さな一歩を考えてみてはいかがでしょうか。