中央区内在住岡見裕透さん 「熱波」世界大会へ タオル振り技術など競う
世界中の「熱波師」が集結する「TheBattleofGladiators」に中央区内在住の岡見裕透さん(28・熱波ネーム/オカミチオ)が日本代表として出場する。350人を収容する世界最大規模のサウナを会場に磨き上げた技術を披露する世界大会は、2月26日から3月1日にかけてポーランドで行われる。
近年、サウナはブームから文化になりつつある。代表的な入浴方法の1つが、熱せられたサウナストーンに水をかけ発生した蒸気をタオルなどであおぎ、入浴者に熱風を送るサービスで日本では「熱波」と呼ばれる。熱風を送るタオル技術に音響、照明などが加わったドイツ発祥の「アウフグース」はエンターテインメント性が高い競技となっている。
伝道師として
今回、岡見さんが出場するのは2人が同時にサウナ室で技術を競い合うグラディエーターバトル。タオルを振る技術はもちろんのこと、観客の盛り上がり、音楽との調和、香りなどが審査される。世界大会を控え、「世界で最も大きなサウナで披露できることは誇り。良いサービスで観客を魅了したい」と意気込む。
「熱風」受け「鳥肌」
数年前、世界王者に君臨していたポーランド人アウフグースマイスターが見せた世界観に魅了されて以来、研鑽を重ねてきた。「美しい世界観でありながらも、しっかり熱も感じられた。タオルを振る技術は基本に忠実でありながらも、熱風を受けながら鳥肌が立った。サウナの新たな可能性を感じた。この感動を多くの人に伝えたい」
横浜駅直結の「スカイスパYOKOHAMA」に籍を置きタオルを振り、いまや人気アウフグースマイスターの一人となった岡見さんは、各地のサウナから声がかかり遠征もしばしば。「追っかけ」が付くほどの人気ぶりだ。
JNファミリー出身
2021年まで16号線沿いで開業していたスーパー銭湯「JNファミリー」にアルバイトとして勤務した経歴を持つ。高校生の時にはヒッチハイクで大阪に行き、大学生の頃には自転車やフェリーで47都道府県を踏破するなど、「挑戦」は人生訓ともいえる。
「日本でもアウフグースの存在を知ってもらえるようになってきた。そんなタイミングだからこそ、私たちアウフグースマイスターには責任がある。立ち居振る舞いひとつで大きく変わってしまう」。数年前、衝撃を受けた感動を伝える姿は伝道師さながらだ。