「資金調達の目途が立たなくなった」伊藤忠商事と創業家の伊藤家がセブン&アイHD買収から離脱
セブン&アイ・ホールディングス(以下、セブン&アイHD)は2月27日、同社株式の非公開化を目指していた創業家の伊藤家から「資金調達の目途が立たなくなった」との連絡があったと発表した。セブン&アイHDの伊藤順朗副社長と創業家の資産管理会社である伊藤興業は、カナダのコンビニエンスストア大手のアリマンタシォン・クシュタール(Alimentation Couche)による買収提案に対抗して、同社株式の非公開化を目指していたものの断念することとなった。
伊藤興業はセブン&アイHDの株式8.14%を所有しており、総額で8兆円規模の買収を検討していたが、26日には参画を目指していた伊藤忠商事も離脱する意向を固めたことが明らかになっていた。資金調達の目途が立たなくなったことが明らかになった27日、セブン&アイHDの株価は大幅安となり、前日から11.7%下落した。
セブン&アイHDは傘下の総合スーパー「イトーヨーカドー」事業を展開するイトーヨーカ堂の売却について、米投資ファンドのベインキャピタルに優先交渉権を与える見込みで、コンビニエンスストア事業へ集中する体制の構築を急ぐ。セブン&アイHDを巡っては今後の協議の行方に注目が集まる。