藤沢工科高2人 サイバー防犯コンで初V 他校混成チームが大学生ら制す
情報セキュリティー分野の専門知識や技術を競い合うコンテスト「第7回CTF(キャプチャ―・ザ・フラッグ)神奈川」が先月26日、横浜市神奈川区にある情報セキュリティ大学院大学で開催された。県立藤沢工科高校の2人が他校生徒との混成チームで初めて出場。大学生らチームを大差で抑え、見事優勝を果たした。
将来のサイバーセキュリティ―人材の発掘や育成を図り、サイバー空間の脅威への対処能力向上を目的に、県警と同大、NPO情報セキュリティフォーラムが主催する、サイバー犯罪などに対応する同大会。俗にホワイトハッキングコンテストとも言われる。
参加対象はインターネットを利用した犯罪の被害を防ぐため警察関係機関と連携し、サイバー空間のパトロールや防犯教室の開催、広報啓発活動などに協力する高校・大学生らのサイバー防犯ボランティアで、1チーム3人編成だが人数制限はない。難易度の異なる問題に次々と挑戦し、隠された答え(フラグ)を見つけ出し、その合計点の高さで順位が決まる。
今回6チームがエントリー。同校の仲摩涼平さん(2年)、川上真さん(3年)の姿もあった。「あるネットショップのサイトから顧客情報が流出した。その顧客数とクレジットカード情報の件数を報告してほしい」といったものや、全体の半分が欠けた二次元コードの復元、写真1枚から場所を割り出すなど問題の種類はさまざま。1問正解すると1千点獲得できるが、他チームが正解するたびに点数が減るルールだ。2人が参加した混成チームは2万775点の結果を収め、2位の大学生チームと約3千点差で栄冠を手にした。
大会後、仲摩さんは「気持ちいい」と爽快そうに語り、川上さんは「CTFに初めて触れたけれど、回答できた問題もあり、新たな分野に興味を持つきっかけになった」と振り返る。
同校ボランティア部の部員は近隣の小中学校を訪れ、情報を投稿する際の注意点や危険性などネット社会のモラルを劇を通じ、児童生徒に伝える活動を定期的に行っている。顧問の黒須智紀教諭は「大会優勝を契機に”被害に遭わない、加害者にもならない”を合言葉に掲げ、さらなるサイバー防犯の拡充に拍車がかかれば」と期待感をにじませた。