「ファラオ認定」は嘘だけど、古代エジプト風にガチ醸造 いわて蔵ビールがエイプリルフールにかける熱量がエグすぎる
2024年4月1日、岩手県一関市の老舗酒蔵・世嬉の一酒造のビールブランド「いわて蔵ビール」は、改名を発表した。
なんでも「エジプト蔵ビール」になり、ファラオ認定「はじまりのビール」を販売するのだという。
プレスリリースには、不思議な決断に至るまでの経緯が記載されていた。
いわて蔵ビールは、ビールの世界的コンペティション「ワールドビアアワード」で高く評価される商品を複数手掛けてきたブランド。
しかしスタッフたちはそんな現状に満足せず「どうしたらもっとおいしいビールが作れるのか」と、向上心をもって日々悩んでいるという。
ファラオに認定されるビール造りの始まりは、そんなディスカッション中のことだった。
「基本が大切だよね~」「基本ってなんだろう!」「そもそもビールとは...」――そんな話をしていたら、ある行為に至ったのだという。
酒の神にお祈りしてみた結果
その行為とは、「酒の神様」にお祈りすること。
いわて蔵ビールを手掛ける世嬉の一酒造は、100年以上日本酒を作ってきた。日本酒造りをする人たちは、お酒の神様をまつる京都の松尾大社にお参りするなど、信仰も大切にしているという。
そこでビール造りにおいても、同様の精神が大切なのではないか、と考えた。
だから、神話に出てくる「酒の神」バッカスにお祈りすると......。
バッカス神は「願いを叶えよう」と言ってくれたそうだ。そしてスタッフたちは光に吸い込まれ......。
なぜかタイムスリップすることに。たどり着いたのは、砂漠だったという。
1つだけ「ホント」が混ざっています
ピラミッドがあるということは、ここはエジプト。しかも、古代エジプトだ。
砂漠を放浪したあと、ファラオのいる宮殿に辿りついたいわて蔵ビールのスタッフたちは、ビールの作り方を教えてほしいと頼んだそうな......。
ファラオもこれを快諾してくれたようで、いわて蔵ビールのスタッフたちは古代エジプトでビール修行を積むことに。
そして、できた。おいしいビールができたのだ。
ファラオもこれには大満足。お墨付きを与えてくれた。
それが、ファラオ認定「はじまりのビール」ってわけ。
――っていうのはまあ、皆さんお察しの通り、エイプリルフールの嘘なのだが。
ただ1つだけ、真実が紛れ込んでいる。それは......。
ビールが本当に生まれているということ!
何でも同社では、「クラフトビールで少しでも明るい世の中になれば」という思いのもと、2020年からエイプリルフール企画でちょっと変わったビールを真面目に作っているんだとか。
今回はエジプト初期のビールを参考に、原材料には小麦やオーツ麦、さらに香辛料(コリアンダー、クミン、シナモン、フェンネル)を大量に入れ、当時なかったホップは少量だけ使用。アルコール度数が7%と通常よりも高めなのも、文献を参照して設定したものだという。
エイプリルフールのために本当にビールを作ってしまうなんて......。熱量がすごい。
ファラオが認めるかどうかは分からないが、このビールは【エジプト蔵ビール「はじまりのエジプト」】として販売される。
価格は1本330ミリで660円(税込)、限定 1000本販売される。気になる人は公式サイト(https://sekinoichi.co.jp/)へ。