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犬が『外耳炎』を発症しやすいのはなぜ?犬種ごとの違いや気になる症状を解説

わんちゃんホンポ

犬が外耳炎になりやすい理由

外耳炎とは、耳の穴から鼓膜までの間の「外耳道」に炎症が起こることです。

外耳炎は全ての犬に発症する可能性のある病気で、人間と比べて犬のほうが外耳炎を発症しやすいと言われています。

ここでは、犬が外耳炎になりやすい理由を4つ紹介します。

1.通気性があまりよくないこと

犬が外耳炎になりやすい理由は、通気性があまりよくないことです。

人間の外耳道は真っ直ぐに伸びているのですが、犬の外耳道はL字型に曲がっています。そのことが通気性があまりよくない原因です。

2.毛で耳の穴が塞がっていること

犬が外耳炎になりやすい理由は、毛で耳の穴が塞がっていることです。

これは犬種によって大きな違いがありますが、トイプードルやミニチュアシュナウザーなどの犬種が当てはまります。

トリミングのとき、耳の穴がしっかり見えるよう、短くカットされている場合があります。

耳の穴の周りにも毛がびっしり生えた状態であると、通気性が悪くなり、外耳炎を発症しやすくなります。

3.垂れ耳で耳の穴が塞がっていること

犬が外耳炎になりやすい理由は、垂れ耳で耳の穴が塞がっていることです。

ビーグル、パグ、ダックスフンド、ゴールデンレトリバー、トイプードルなどが当てはまります。

常に通気性の悪い状態が続くため、細菌の繁殖が起こりやすく、外耳炎を発症しやすいです。マラセチアという菌が繁殖して起こる外耳炎をマラセチア性外耳炎と言います。

マラセチアという菌は、犬の皮膚に常在しており、健康な犬の耳の中にも必ず存在します。通気性を良くし、過剰に繁殖することを防ぐことが大切です。

4.体質

アレルギーやアトピーや脂漏症によって、外耳炎を発症することがあります。体質的な問題であり、遺伝による病気である可能性もあります。

常に清潔な状態にしておく必要がありますが、耳掃除のし過ぎは絶対によくありません。通気の良い状態を保つようにし、動物病院で定期的に耳の状態を診てもらうとよいと思います。

我が家の愛犬はアトピー性皮膚炎があり、湿度の高くなる時期には外耳炎になりやすいです。そのことを分かっているため、事前に動物病院で耳の中を清潔にするための処置を受けるようにしています。

犬の外耳炎で起こりやすい症状

痒み

強い痒みを伴うことがあり、後ろ足を使ってしりきにカキカキします。傷ができてしまうと、さらに感染症を引き起こす恐れがありますので注意しましょう。

また、強い痒みから、しきりに頭を振る仕草をすることもあります。

耳を傾ける

立ち耳であると分かりやすい症状なのですが、外耳炎を発症している耳を傾けることがあります。傾けたまま元に戻らないことで気づきます。

このとき、仕草から痒みの症状があることにも気づけるはずです。

異臭がする

外耳炎になると、犬の耳の中から異臭がします。普段の耳の中のニオイを嗅いでいると、余計に分かりやすいかと思います。

犬の体臭や耳の中のニオイとは違い、明らかにおかしなニオイであることが分かります。

耳垢が大量に出る

外耳炎になると、耳の穴の外に耳垢が大量に出るようになります。茶色っぽい耳垢、黒っぽい耳垢、赤茶色っぽい耳垢がよく出ます。

健康な耳垢であれば、薄黄色です。

まとめ

犬が外耳炎になりやすい理由を4つ解説しました。

✔通気性があまりよくないこと
✔毛で耳の穴が塞がっていること
✔垂れ耳で耳の穴が塞がっていること
✔体質

外耳炎は放っておいても治りません。症状が見られるときは、すぐに動物病院で適切な処置を受けましょう。

外耳炎は繰り返し発症しやすいです。耳の穴を塞いでいる毛を短くカットするなどし、予防にも努めましょう。


(獣医師監修:葛野宗)

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