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デビュー40周年を迎える【斉藤由貴】実に36年ぶりとなる全国ホールツアーも開催決定!

Re:minder

2025年02月21日 斉藤由貴のアルバム「水響曲 第二楽章」発売日

1985年デビュー組、斉藤由貴も40周年


2023年にRe:minderと昭和40年男で実施した『80年代アイドル総選挙 ザ・ベスト100』。我がレギュラー番組『ラジオ歌謡選抜』(FMおだわら)でも特集し、大いに盛り上がった企画だ。結果は1位が中森明菜、2位が松田聖子、3位が小泉今日子で、ここまでは多くの方が予想した通りだったかもしれない。しかし、それ以下の順位になると自分はまったく予想がつかず、その結果は非常に興味深いものだった。

もちろん、TOP10入りしたアイドルは誰もが知っている国民的アイドルだが、とりわけ1985年デビュー組の人気の高さには驚かされた。その中には “アイドル四天王” と呼ばれた浅香唯、工藤静香、中山美穂、南野陽子のほか、斉藤由貴、本田美奈子、芳本美代子、石野陽子、佐野量子、岡本舞子、若林加奈、志村香などの名前が並ぶ。そんな1985年デビュー組も2025年で40周年を迎えるわけだが、今回はその中から斉藤由貴にスポットを当ててみたいと思う。

斉藤由貴は1984年、第1回東宝『シンデレラ』オーディションのファイナリストになり、第3回『ミスマガジン』コンテストでグランプリに選ばれ芸能界入りしている。同年10月に、明星食品『青春という名のラーメン』のCMが流れ始めると “あの美少女は誰だ?” とクラス内でもその話題で持ちきりになった。翌1985年3月21日、満を持してシングル「卒業」でレコードデビューした斉藤由貴はご承知の通り、一躍トップアイドルに躍り出ることになる。

斉藤由貴の中にある、本質のようなものを見抜いてしまった銀色夏生


デビュー曲「卒業」、セカンドシングル「白い炎」を収録したファーストアルバム『AXIA』の中に「AXIA 〜かなしいことり〜」という曲がある。この曲は本人出演のカセットテープ・AXIAのCMソングだが、詩人の銀色夏生が作詞・作曲を手掛けた名曲だ。作詞家としてはすでに名を上げていた銀色だったが、これは彼女が初めて作曲した曲だ。

「AXIA 〜かなしいことり〜」にはこんな経緯がある。ある時、銀色夏生は「青春という名のラーメン」のCMに出ている少女が気になり問い合わせをしたそう。CMに出演している少女は斉藤由貴という名前で、すでにキャニオン・レコード(現:ポニーキャニオン)からデビューをすることが決まっていること知った彼女は、いきなりキャニオンに電話をかけ、斉藤由貴に歌って欲しい曲があると直談判したそう。

当時、担当ディレクターだった長岡和弘は、銀色が初めて作曲をしたこの曲をアルバムのタイトルナンバーとして採用した。アルバム『AXIA』の収録曲がベテランの職業作家による楽曲ばかり並んでいることを考えると、「AXIA 〜かなしいことり〜」の採用は異例ともいえる。つまり、それほど魅力的な1曲だったということだろう。

「♪ごめんね 今までだまってて 本当は彼がいたことを」のフレーズはCMで流れていたのでご存じの方も多いと思うが、銀色夏生は斉藤由貴の中にある、本質のようなものを見抜いてしまったのではないだろうか。さらに、残酷ともいえる少女のつぶやきをここまで表現できたのも、斉藤由貴ならではの感性だったのだ。

作詞家としても開花。斉藤由貴にしか書けない独創的な世界


また、谷山浩子が詞を提供した「MAY」という曲があるが、この曲を収録した4枚目のアルバム『風夢』(1987年)の中で斉藤由貴は4曲の作詞を手掛けている。セカンドアルバムの『ガラスの鼓動』から本格的に作詞をしておりすでにその才能を開花させていたが、『風夢』の詞はとりわけ秀逸だ。飯島真理が作曲を手掛けた「眠り姫」の他、「体育館は踊る」「家族の食卓」など、斉藤由貴にしか書けない独創的な世界が広がっている。

6枚目のアルバム『PANT』(1988年)に「終りの気配」という曲が収録されているが、山口美央子がディレクターから “斉藤由貴が書いた詞があるんだけど、それに曲を書いてみないか” と依頼され作曲した曲だ。詞を見た瞬間にサビのメロディーが浮かび、あっという間に出来上がったそうだが、ジェーン・バーキンを思わせるフレンチポップス風の楽曲は、詞の世界に吸い寄せられるように完成したと言っても過言ではない。ちなみに山口美央子も自身のアルバム『FLOMA』のボーナストラックでこの曲をセルフカバーしている。

斉藤由貴を語るとき、「卒業」をはじめとするヒット曲や、ドラマ『スケバン刑事』などが語られがちだが、それよりも、斉藤由貴自身が作詞を手掛けた作品に強く惹かれるものがある。彼女の才能は作詞だけにとどまらず、詩集『運命の女』、小説『NOYSY』を発表するなど文才も豊かで、松本隆からもその才能を認められていた。特に全曲の作詞を手掛けた『MOON』(1990年)、『LOVE』(1991年)あたりは是非じっくりと聴いていただきたいアルバムだ。

2月21日にはセルフカバーアルバム第2弾「水響曲 第二楽章」をリリース


21世紀に入ってからは、音楽活動よりも俳優業を中心に活躍してきた斉藤由貴だが、2010年からは周年ごとにアルバムを発表している。デビュー25周年時にはアルバム『何もかも変わるとしても』(2010年)、30周年時には『ETERNITY』(2015年)、そして35周年時には初のセルフカバーアルバム『水響曲』(2021年)をリリースしている。

そしてデビュー40周年である今年の2月21日には、セルフカバーアルバムの第2弾である『水響曲 第二楽章』、さらにBlu-ray&DVD『Studio Live 水響曲「四季」』が同時発売される。さらに、なんといっても最大のニュースは、約36年ぶりのコンサートツアーだろう。これまでにも都内を中心に不定期にコンサート活動を継続してきたが、ここまで大きな規模のコンサートは久しぶり。

40年にわたる芸能活動の中でスキャンダルも何度かあった。しかし、そんなことに巻き込まれる度に彼女の持ち前である芯の強さが発揮され、さらに魅惑的な存在になっていく。それは、自分の思うままに生きて欲しいと願うファンが多いからかもしれない。そんな自分も、斉藤由貴という人にはこの先も、もっともっと自由に生きて欲しいと切に願っている。なぜなら彼女は “自由” に生きることが許されている稀有な存在だからだ。

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