坂本龍一がプロデュースした「コンピューターおばあちゃん」令和のクリエイターによるMV登場
「コンピューターおばあちゃん」が新たな映像で令和の世に再び降臨!
1980年代の名曲「コンピューターおばあちゃん」が、アニメーションによるミュージックビデオとなって、装いも新たに公開された。仕掛けたのは『Re:Re:Re:TUNE』(リリリチューン)という音楽コンテンツ専門のYouTubeチャンネルだ。 “時代を超えて、流行を超えて、出会うはずのなかったあの名曲とアーティスト・クリエイターが次々にコラボレーションし、新たなるリバイバルの形にチャレンジ” を掲げ、シティポップやJ-POPの名曲カバーなどをアップしている。
「コンピューターおばあちゃん」は1981年、NHK『みんなのうた』で放送され、当時の子どもたちに大人気を博した曲。坂本龍一が編曲し、東京放送児童合唱団の酒井司優子が歌っているが、もともとは伊藤良一が作詞・作曲を行い、コスミック・インベンションというバンドがNHKのアマチュア作曲コンテスト番組『あなたのメロディー』に投稿し入賞した作品だ。
コスミック・インベンションはメンバー全員が小中学生で結成されたテクノポップバンド。“YMOジュニア” とも呼ばれ、YMOの武道館公演の前座を務めたことも。ドラム&ボーカルの森岡みまは、後にMIMA名義で日本テレビ系アニメ『魔法の妖精ペルシャ』の後期オープニングテーマ「おしゃれめさるな」を歌っている。また、バンドメンバーには、作曲家の井上ヨシマサも所属していた。
小学生の心をとらえたきれいに韻を踏んだ歌詞
前述の通り、NHKの『みんなのうた』で放送されることによって多くの人が知ることになるわけだが、この『みんなのうた』のアニメーションを “とこいった" 名義で担当したのはアニメーターの堀口忠彦。三つ編みで丸眼鏡をかけたおばあちゃんがロケットに乗って宇宙を旅する様子が、かわいらしく描かれていた。
歌詞は、コンピューターを自在に操ることが出来るおばあちゃんではなく、まるでコンピューターのように何でも知っているおばあちゃんを尊敬する孫目線で書かれたもの。「♪明治生まれのコンピューター 算数国語社会 何でもドンと来いさ」というおばあちゃんは、物知り博学で英語もラクラク。また、「♪バミューダ海域 ハワイはワイキキ」「♪百聞一見 事件を発見」など、きれいに韻を踏んだ歌詞も、小学生の心をとらえた。小学校の昼休みには毎日のように学校で流れていたり、運動会ではこの曲で創作ダンスを発表したりといった風景も見られたようだ。
令和版「コンピューターおばあちゃん」を手掛ける8名のクリエイター
今回公開されたミュージックビデオは、当時の『みんなのうた』バージョンに新たなアニメーションを制作したもの。総合ディレクターはキタニタツヤの『PINK』やアニメ『ぼっち・ざ・ろっく』などを手掛けた映像作家 “最低やさいコーナー” が担当し、CG・実写・ドット・アニメーションと、多方面で活躍中の8名の気鋭クリエイターが、それぞれに制作した。顔の部分がまさにコンピューターのモニターとなったおばあちゃんが、画面狭しと大活躍する。
クリエイターは、シーン順に、ととりか、_karudo、mocobo、 Muscat、JACKSON kaki 、最低やさいコーナー、Yu Takahashi、暗闇まよいの8名。それぞれイラストやアニメーター、アーティスト、DJ、VJ、映像作家などとして活躍している面々が、各自の解釈で新しい「コンピューターおばあちゃん」を作り上げた。
新たな解釈の元で活躍するおばあちゃんの姿はYouTubeでチェック!
YouTubeには “懐かしい。大好きでいつも歌ってた” “コンピューターおばあちゃんってキーワードでクリエイターが映像大喜利してる感じ、好き” “この曲がみんなのうたで流れた時は衝撃的でした” など、数多くのコメントが。また、“リアルタイムで昔の「コンピューターおばあちゃん」を見ていました。が、まだ子供過ぎて何を言っているのか分からなかったので、令和のコンピューターおばあちゃんを見てこんな事を言っていたんだ!と分かって良かったです!” といった意見も。
そして、今回の新しいミュージックビデオでは、地球に隕石が近づいてくるという別のストーリーが展開。当時を懐かしむのではなく、迫りくる危機をおばあちゃんがどんな風にして解決するのかを、その目で確かめてほしい。