【高校野球】東海大相模が狙う同一県勢の甲子園“連覇”、過去の達成例は?
東海大相模・原俊介監督が甲子園初勝利
甲子園球場で開催中の第106回全国高校野球選手権大会の6日目第2試合で東海大相模(神奈川)が富山商(富山)に4-0で完勝し、3回戦にコマを進めた。
東海大相模は初回に2年生ながら4番を打つ金本貫汰のタイムリーで1点を先制すると、6回にも1点を追加。8回には柴田元気(2年)が大会第1号となるソロ本塁打を右翼席に放り込み、9回にも1点を奪ってダメを押した。
投げては先発した1メートル98センチの長身左腕・藤田琉生(3年)が7回13奪三振無失点。2番手の最速150キロ右腕・福田拓翔(2年)が2回を抑えて完封リレーを完成させた。
今大会優勝候補の一角に挙げられている東海大相模は、元巨人の原俊介監督が就任して甲子園初勝利。次戦は第10日(16日)第1試合で同じく優勝候補の広陵(広島)と激突する。
夏の選手権で同一県勢による連続優勝は4度
昨夏は同じ神奈川の慶応が107年ぶりに優勝。今夏は神奈川大会5回戦で敗退し、甲子園の開会式では加藤右悟主将が独りで行進し、深紅の大優勝旗を返還した。
もし、その優勝旗を東海大相模が持ち帰ることになれば珍しい記録になる。同一県勢の違う高校が連続優勝を果たした例は少なく、夏の選手権では以下の4度となっている。
1919年の神戸一中、1920年の関西学院中と兵庫県勢が“連覇”したのが最初。2度目が1970年の東海大相模と1971年の桐蔭学園の神奈川県勢だった。
1970年、2回目の出場だった東海大相模は決勝でPL学園(大阪)を10-6で下して初優勝。翌1971年は初出場の桐蔭学園が、「小さな大投手」田村隆寿を擁して旋風を巻き起こした磐城(福島)を決勝で破って県勢として“連覇”を達成した。
その後は1974年の銚子商と1975年の習志野の千葉県勢、2018年の大阪桐蔭と2019年の履正社の大阪府勢が連続優勝している。
春の選抜で同一県勢による連続優勝は3度
センバツでも同様の連続優勝は3度しかない。
1928年の関西学院中と1929年の第一神港商の兵庫県勢、1938年の中京商と1939年の東邦商の愛知県勢と戦前に2度記録されている。
戦後唯一の“連覇”は1971年の日大三と1972年の日大桜丘の東京都勢。1971年の日大三は決勝で大鉄(大阪)を2-0で下して初優勝。翌1972年決勝は連覇を狙う日大三と初出場の日大桜丘の「東京対決」となり、日大桜丘が5-0で紫紺の優勝旗を手にした。
同じ高校の連覇も少ないが、同一県勢の違う高校の連続優勝は県全体のレベルが高くないと達成できない。今大会で唯一その権利を持つ東海大相模にはそれだけの実力がある。
果たして夏の甲子園で5度目の“連覇”は達成されるか。今後の戦いぶりに注目だ。
【関連記事】
・関メディ中等部出身の報徳・今朝丸、東海大相模・才田、金本ら6人が甲子園に凱旋!今夏は関メディ旋風?
・東海大相模進学直前の金本貫汰・福田拓翔の貴重なインタビュー動画
・高校野球の甲子園連覇は過去何校? センバツ、選手権、春夏、夏春の連続優勝を振り返る
記事:SPAIA編集部