【井原市】熱誠 まるでん 〜 こだわりと真心が詰まったお好み焼。店主夫妻の人柄と多彩なラインナップで楽しく過ごせる空間
タップリのキャベツに麺、そして甘辛いソースに、香ばしい匂い。
お好み焼は手軽にお腹いっぱいになれる、庶民の味方です。
井原市に、こだわりの詰まったおいしいお好み焼を提供する店があります。
その店は「熱誠 まるでん(ねっせい -)」です。
熱誠まるでんが提供するお好み焼は、広島で定番の重ね焼きスタイル。
広島県出身の気さくな店主が、子どものころに愛したお好み焼店の味を目指し、腕をふるっています。
作りかたはもちろん、麺や野菜・肉・小麦粉などの素材にもこだわったお好み焼は、スタンダードなものから個性的なもので数多くラインナップ。
さらにサイドメニューも充実しています。
こだわりのお好み焼を作る熱誠まるでんの魅力を紐解いていきましょう。
熱誠まるでんは井原駅前にあるこだわりのお好み焼店
熱誠まるでんは井原市七日市町、井原駅前にあるお好み焼店です。
2019年(令和元年)11月に福山市北部・神辺町でオープンしました。
そして2022年(令和4年)2月に現在地・井原へ移転しています。
まるでんのお好み焼は、店主の出身地である広島県でおなじみの「重ね焼き」スタイルです。
連日、学生からご年配まで幅広い世代が来店し、お一人様から家族連れ・グループまでさまざまなお客でにぎわっています。テイクアウトも可能です。
駐車場は建物の北側に4台分あります。
建物の南側や東側は隣接店舗の敷地です。
誤って駐車しないように注意をしてください。
店内はカウンター席と座敷があります。
いずれの席にも鉄板が据え付けてあり、鉄板から直にお好み焼を食べられるのも、熱誠まるでんの魅力です。
熱誠まるでんのメニュー
2024年(令和6年)12月時点の情報。価格は消費税込
熱誠まるでんのお好み焼は重ね焼きスタイルで、なかに麺が入ります。
入る麺は定番のそば(中華麺)のほか、うどん・ピリ辛麺などから選べます(ピリ辛麺はプラス50円)。
ただし「田中焼(でんちゅうやき)」は、うどんのみです。
麺の変更はダブル(2玉)だけでなく、麺なしやセミダブル(1.5玉)、トリプル(3玉)などがあるのもうれしいですね。
なお麺の増量に合わせて、キャベツの量も増やして調整している点もポイントです。
入る具材・載せる具材によって、さまざまな種類のお好み焼がラインナップしています。
しかも「美星肉玉」「田中焼き」など、井原にゆかりのあるユニークな名前のメニューもあるのがおもしろいです。
美星肉玉は熱誠まるでんの基本といえるメニューで、いわゆる「肉玉そば(うどん)」「豚玉そば(うどん)」にあたるもの。
薄く丸く焼かれた生地に、麺・キャベツ・モヤシ・天カス・豚バラ肉・玉子などが載ったものです。
お好み焼のほかにも焼そば・焼うどんや揚げもの、一般料理、週末限定メニューなどもあり、酒類を飲みながら料理も楽しめます。
週末限定メニューの内容は、黒板で確認してください。
なお冬季の週末限定メニューとして、2024年よりおでんが登場しています。
多くのメニューが持ち帰り販売に対応。
事前に電話で注文しておくと、待ち時間が少なくスムーズなのでおすすめです。
人気・おすすめのメニュー紹介
数多くラインナップしている熱誠まるでんのメニューのなかから、人気が高いものや店主イチオシのものを紹介します。
まるでんスペシャル
「まるでんスペシャル」は店名を冠しているとおり、熱誠まるでんを代表するメニュー。
取材時は、麺をそば(中華麺)にしました。
美星肉玉をベースにし、イカ天(イカの姿フライ)と大葉が追加され、さらに上からタップリの刻みネギがかかっています。
まさにボリューム満点のメニューです。
ソースや生地が見えないほど大量に載ったネギは圧巻です!
ネギにもこだわりがあり、呉市倉橋島産の「宝島ネギ」を使っています。
ボリュームがあり、ホカホカ熱々のお好み焼をほおばると、具材の味わいや香ばしさ、麺の食感や風味、玉子のフワフワ感、ソースの甘辛い味などが一体に。
加えて大葉の爽やかな風味、イカ天の香ばしさが加わり、また違ったおいしさに。
そこにタップリの刻みネギのシャキシャキ感とみずみずしさ、ネギ特有の風味も加わってクセになる味わいになります。
複雑で満足感のある至福のおいしさを楽しめました。
スパイシーカレーマヨ
辛いもの好きに好評なメニューとして「カレーマヨ」があります。
それをさらにパワーアップさせたのが「スパイシーカレーマヨ」です。
辛いもの好きのお客から「もっともっと辛いものを!」との要望から生まれました。
カレーマヨをベースに、激辛トウガラシとして知られる「ハラペーニョ」を追加している、聞いただけで舌がピリピリしてきそうなメニューです。
麺の上に炒めた豚挽き肉と刻みハラペーニョが載ります。
なお肉は挽き肉だけでなく、豚バラ肉も入ります。
スパイシーカレーマヨはお好み焼の上から、ソースとカレーマヨ・塩コショウ・ゴマがかかります。
カレーマヨは自家製で、和風ダシを加えているのが特徴。
和風カレーのような、熱誠まるでん独特の風味が楽しめます。
スパイシーカレーマヨを食べると、キャベツのシンナリ感とやさしい甘みに、ソースの甘辛さ、カレーマヨのほんのりとしたピリ辛感と甘辛いカレー風味が良く合います。
そこに挽き肉の香ばしさやうまみ・甘み、挽き肉の脂でカリカリになった麺の香ばしさ・食感が加わって、さらにおいしく感じました。
ときおり現れる豚バラ肉も香ばしく、甘みがあります。
ハラペーニョを食べると一瞬、ピリッとした辛さがあるがあとに引かず、ほかの具材のおいしさと混じり合って食べやすい。しかも加熱したピーマンのような甘みもほんのりと感じます。
取材時はスパイシーカレーマヨ自体の味わいがわかりやすいよう、麺は通常の中華麺にしました。
辛いもん好きの人は麺をピリ辛麺に変更して、より辛くして楽しむのもいいのではないでしょうか。
炙りマヨチー(ピリ辛麺変更)
「炙りマヨチー」は、熱誠まるでんで1・2位を争うほどファンが多い人気メニューです。
取材時は、麺をプラス50円してピリ辛麺に変更しました。
炙りマヨチーは名前のとおりお好み焼の上にマヨネーズとチーズをタップリとかけ、さらにガスバーナーで炙ったもの。
ベースとなっているお好み焼は、美星肉玉です。
朱色のピリ辛麺は、適度に焦茶色の焼き目がついて香ばしそう。
一口食べると、ものすごく熱々。
同時に口のなかに、なんともいえない香ばしさと風味が広がります。
そして肉玉の味わいに加え、ネギのシャキシャキ感やみずみずしさ・風味、マヨネーズのまろやかな味わいがしてきて、クセになるおいしさです。
さらにピリ辛麺は香ばしく、炙りマヨチーの濃い味わいのなかでハッキリとしたピリ辛さが感じられます。
ヘラがドンドンと進み、アッという間に平らげてしまいました。
炙りマヨチーはマヨネーズ好き・チーズ好きにおすすめの、ボリューム感あるメニューといえるでしょう。見た目・匂い・味とも破壊力抜群の逸品です。
ほかにも炙りマヨチーの元になったメニュー「炙りネギマヨ」や派生の「炙り明太ネギマヨ」などもあり、人気です。
かなりうまい普通の焼そば
お店のお好み焼以外でのイチオシメニューとして、焼そば・焼うどんがあります。
焼そばは数種類があり、ソース味と塩味があります。
基本となるのが「かなりうまい普通の焼そば(旧称:まるでん焼そば)」で、ソース味の焼そばです。
焼そばの具材は、豚バラ肉・キャベツ・モヤシ・天カス・刻みネギ、紅ショウガ。
しかも豚肉やキャベツは一切れが大きめサイズで、しっかりと味わいが楽しめます。
焼そばの麺はモッチリとした弾力ある食感で、スパゲッティーで言う「アルデンテ」のようにシッカリとした”芯”も感じられ、力強さがある麺です。
ソースはお好み焼用のものより濃いめの味わいで、ややスパイシーさもありました。
麺や具材にソースの味わいが良く絡みます。
かなりうまい普通の焼そばはスタンダードな焼きそばで、麺のおいしさや具材の食感、ソースの味わい、香ばしさなどが感じられ、大変おいしいです。
鉄板で巻くだしまき玉子
熱誠まるでんでは、サイドメニューも豊富。
とくに人気なのが「鉄板で巻くだしまき玉子」です。
名前のとおり、鉄板の上で作りあげていきます。
食べると、玉子の表面は非常にフワフワッとした仕上がり。
しかもフワッとしながら、内側はトロッとした舌触りです。
店主の話では、外がフワッと内はトロッとなる独特の食感は、鉄板で作るだしまき玉子だからこそ生まれるそう。玉子の風味が濃厚に味わえながら、口のなかに広がっていくダシの風味が心地良く、玉子とダシのバランスが取れた絶品です。
なお派生メニューとして「鉄板で巻く明太だしまき玉子」もあります。
こだわりの詰まった多彩な広島お好み焼やサイドメニューが人気の熱誠まるでん。
運営する合同会社 まるでんの代表社員・店主の田村周(たむら しゅう)さんに話を聞きました。
熱誠まるでんの店主・田村 周さんにインタビュー
こだわりの詰まった多彩な広島お好み焼やサイドメニューが人気の熱誠まるでん。
運営する合同会社 まるでんの代表社員・店主の田村周(たむら しゅう)さんにインタビューをしました。
前職がドクター・ストップに。好物のお好み焼を本職にしようと決意
──開業の経緯を知りたい。
田村(敬称略)──
もともと私はずっと配送の仕事をしていたのですが、体調不良になってしまいました。
体調は回復したものの、後遺症により医師から「もう配送の仕事はできない」とドクター・ストップがかかったのです。
ショックで打ちひしがれたのですが、生活していかねばなりません。
気を取り直して新たな仕事を探すことにしました。
次の仕事はどのようなものがいいのか探るため、自身の過去を思い返してみると、お好み焼が思い浮かんだのです。
私はお好み焼が大好物で、お好み焼店が非常に多い広島県内の店をたくさん食べ歩いてきました。
そこで「お好み焼店しかないな!」と決心したのです。
目指すのは思い出の店の味
──修業はどのようにした?
田村──
実は修業らしい修業はしていません。
私は広島県の府中町の出身でして、小さいときに住んでいた自宅の近くに思い出に残る店がありました。
「橋本」という店で、住宅地にありながらお客さんの絶えることがないような人気店。私はそこの常連だったのです。
高齢の女性が切り盛りしていた店で、小学生だった私はよく店主の手伝いをしていました。私は成長するにすれ、忙しくなって店に行く頻度が減り、社会人になってからは行けなくなりました。
そしていつの間にか、橋本は閉店していたのです。
私にとって思い出の店であり、今まで食べてきたお好み焼のなかでもトップクラスのおいしさの店だと思っています。
だからお好み焼店を開業するなら、橋本の味を目指そうと決めたのです。
──今はなき店の味をどのように再現した?
田村──
小学生時代に店の手伝いをしながら、見たり聞いたりして橋本のおいしさの秘訣は心得ていました。
実際に家でお好み焼を作ってみたところ、橋本に近い味わいを再現できたのです。小さいころに興味を持ったことはずっと覚えていると言われますが、まさにそのとおりですね。
だから補助的にソース会社の研修を受けたくらいで、本格的な修業はしなくともお好み焼は作れました。
ただ実際に営業するとなると、お好み焼の調理以外の面も重要です。経理など店の運営に関すること、接客など。また自分や家族に作るわけではなく、お客様に作る点も違いますよね。お客様が大勢来られたとき、さばきかたなどもコツが必要です。
実際に営業を始めて、お好み焼づくり以外にも大変なことが多くて苦労しました。
なんとか営業を続けていくうち、少しずつコツを掴んでいけましたね。
人の縁で開業し、人の縁で井原へ移転
──開業したのはいつ?
田村──
開業したのは、2019年(令和元年)11月です。
ただし店舗があったのは現在地ではなく、福山市北部の神辺町道上(みちのうえ)。
開業を決めてから、物件探しと厨房機器探しを始めました。
このとき厨房機器を扱う会社の営業担当から、顧客のなかにお好み焼店を閉めて、その跡地で営業してくれる人を探しているかたがいると紹介されたのです。
そのかたを紹介していただき、いわゆる「居抜き」(※)のような形でオープンしたのです。
※居抜き:旧店舗の設備などを利用して新店舗を営業すること。
──神辺から井原へ移転・リニューアルした理由は?
田村──
神辺の店は、立地の面で少し難がありました。
その話を井原出身の常連のお客様に話してみたところ「井原市の中心部で、土地を活用してくれる人を探している知り合いがいる」と教えてくれたのです。
しかもそのお客様は井原に対して強い情熱を持っており、「井原に移転して、ぜひ井原の街を盛り上げてほしい」と。せっかくのご縁ですし、大通り沿いで幹線道路や駅にも近い好立地でもあったので、移転を決意しました。
こうして2022年(令和4年)2月に井原の現在地に移転し、リニューアル・オープンをしたのです。
井原ゆかりの名前を付けたメニューがあるのは、移転の経緯もあり、少しでも井原を盛り上げたいという思いがあるからですね。
──店名の由来は?
田村──
「熱誠(ねっせい)」は「熱く燃える誠意」や「ひたむきな真心」を意味する単語。
お好み焼という熱い料理を真心込めて作り、誠心誠意の心構えで店を運営していきたいという思いを込めています。
「まるでん」は、苗字の頭文字「田」から取りました。
食材や調理法への細やかなこだわり
──こだわっている点を教えてほしい。
田村──
お好み焼で一番たくさん使う具材がキャベツなので、キャベツにはこだわっています。
使用しているキャベツは寒キャベツです。
時季によって産地は変遷します。暑い時季の産地は北方になりますし、寒い時季は南方が多くなります。
また取引先には「1箱6玉入りの中サイズ」「キャベツのなかが詰まっていて、繊維がシッカリとしているもの」を指定しているんです。
いろいろ試してみて、お好み焼に合う食感・味わいがこのサイズだったので。
キャベツのカットの仕方も独自に考えています。当店では、細めにキャベツをカットするんです。
カット専用の機械を使い、カットの設定も特殊なやりかたにしています。
小麦粉もお好み焼に重要なポイントですね。
当店では「マロン」という銘柄の小麦粉を使っています。味も香りも甘みがあって、うまみも強めなんです。焼いたあと時間が経っても、生地がプルッとやわらかめなのが特徴。
お好み焼は持ち帰りが多いため、持ち帰って食べても生地がやわらかく食べやすいんです。
これは神辺の店舗で、私たちの前にお好み焼店を経営されていたかたに教えていただきました。実際に食べ比べてみたところ、これが一番だったのです。
肉は豚肉・牛肉・鶏肉とも宮崎県産を使用しています。
さまざまな産地を食べましたが、宮崎県産がもっとも良かったですね。
ちなみにお好み焼のソースは、思い出の店「橋本」と同じミツワソース社のものを使っています。私はミツワソースファンでもあるので。
ただ焼そばや焼うどんのソースは、お好み焼とは違っています。
焼そばや焼うどんに合うよう、独自にブレンドしました。
麺にも強いこだわりが。なんと3社から仕入れ!
──麺にもこだわりがある?
田村──
麺にも強いこだわりがあります。
お好み焼に入れるそば(中華麺)は、福山市の製麺企業に特注しています。
細めでありつつもコシがあり、芯が感じられる麺をお願いしました。
製麺企業が何度も試作をしてくれ、私たちの注文を忠実に再現した麺を作っていただいています。
焼そば用の中華麺は、お好み焼用とは違うものです。
焼そばに合うように、麺の表面はモッチリ感・弾力があり、なおかつ内に力強い芯があるものをお願いしています。
お好み焼のものより、太めにしているのもポイントです。
焼そばは麺が主役ですから、具材に負けない、麺の存在感を楽しめるものを意識しています。
さらにピリ辛麺は、井原市内の製麺企業に作ってもらっています。
以前は別のピリ辛麺を使っていました。
しかし、もう少し細めで、もっとハッキリとした辛さを感じられる麺がほしいと感じていたのです。
そんなある日、たまたまた井原の製麺企業の社長さんが来店されたので、ピリ辛麺について相談してみました。すると後日、社長さんが試作してくれたのです。
幾度かの改良を経て、理想だった細めでハッキリとした辛さが感じられる麺に仕上がりました。
以来、その社長さんの会社のピリ辛麺を仕入れています。
お好み焼の中華麺・ピリ辛麺を細めにしているのは、細めにカットしたキャベツとの一体感にこだわっているから。
麺が細めだと、細めのキャベツが際立つのです!
また、うどんは冷凍麺です。
しかも仕入れは中華麺とは別の企業にお願いしています。
通常のうどんよりも、やや細めなのも特徴ですね。
一度湯がいてから鉄板で炒めるので手間がかかるものの、袋麺よりも冷凍麺のほうがモッチリとした強めのコシがあっておいしいのです。
うどんにもこだわっているため、当店のお客様はお好み焼のうどん注文率が他店より高め。他店はうどんを注文する人は1〜2割くらいのところ、当店では約3割です。
そば党のかたが気分転換でたまたま当店でうどんのお好み焼を食べ、それをきっかけにうどん党になるかたもいます。
麺だけで3社と取り引きしているお好み焼店は、なかなかないんじゃないでしょうか(笑)
お客の要望は積極的に採り入れるが、品質にはこだわる
──商品開発、メニュー考案などで工夫している点はある?
田村──
お客様の要望を積極的に採り入れているのが、当店の特徴だと思います。
トッピングのハラペーニョは、辛いものが好きなお客様から「すごく辛いのを」という声を聞き、メニューに採り入れました。
同じく辛いものが好きなお客様からの声から「スパイシーカレーマヨ」も生まれています。
もともとカレーを使ったお好み焼を食べたいというリクエストで、「カレーマヨ」を作りました。その後「もっと辛いのを」という要望があって、スパイシーカレーマヨも考えたんです。
さらに炙りネギマヨがおいしそうだけどネギが苦手だという声から、ネギをチーズに変えて「炙りマヨチー」が誕生。
また期間限定メニューだった「ネギ塩」は、通年で食べたいという声が想像以上にあったので、レギュラーメニューに昇格させました。
ネギ塩はソースを使っていないので匂いが残りにくいことから、とくに女性など匂いを気にするかたから圧倒的な人気があります。
また揚げものをたくさんラインナップしたのも、お客様の声が元になっています。
神辺時代も揚げものを少しだけやっていました。しかし、思った以上に揚げものの需要があったため、井原へ移転時にフライヤーを導入し、本格的に揚げものを始めました。
ただお客様の声を採り入れるものの、メニューとして出す以上、一定レベル以上の品質は実現させます。
要望をいただいたら、いったん試作をしてみます。
そしてメニューとして出せる手応えを感じたら、そこから試行錯誤して品質を上げていき、メニュー化するのです。
たとえば2024年(令和6年)冬から週末限定メニューとして、おでんを始めました。
これはお客様からの声があったのと、広島市周辺ではお好み焼を注文後、おでんを注文して焼きあがりを待つ習慣があるからです。
しかしメニュー化までは時間がかかりました。
納得のいくダシや作りかたが実現できなかったからです。
試行錯誤の末、やっとおでんをメニュー化できました。
せっかく要望をいただいても、品質を上げられる見込みがなく、残念ながらメニュー化を断念したこともあります。
──リクエスト以外で、自分たちで発案したメニューはあるか。
田村──
自分たちで発案したメニューもありますね。
たとえば「田中焼き(でんちゅうやき)」です。
これは京都へ旅行に行った際、山椒七味(さんしょうしちみ)が売られていました。
試食してみると「山椒とお好み焼は合うのでは?」とインスピレーションを感じたのです。
帰宅後にさっそく試してみたところ、うどんとだけ相性が抜群でした。
こうして、うどん限定で山椒七味を使ったお好み焼が誕生したのです。
田中焼きのように、普段の生活のなかで突如としてひらめきが生まれるときもあります。
この場合も試作して、一定レベルを超えなければメニュー化しません。アイデアは浮かんだが、お蔵入りしたものも多いですね。
お楽しく気持ち良くごせる空間づくりを続けていく
──今後の展望や課題があれば、教えてほしい。
田村──
お好み焼など料理に強いこだわりを持っており、店の運営でもこだわりがあります。
お客様が「熱誠まるでん」という空間で過ごす以上、楽しく気持ち良く過ごしてほしいのです。そのためのお店づくりに力を入れています。
だから、今後もお客様が楽しく過ごせる空間を守っていく所存です。
あとは当店のこだわりのお好み焼を、より多くのかたに広め、味わっていただきたいという思いがあります。
さまざまな方法が考えられると思いますので、今後はその点にも力を入れてきたいですね。開業も移転も、これまで運営してこられたのは、本当に人のご縁のおかげだと思っています。
お客様、取引先様、さまざまなご縁を大切に営業を続けていきたいです。
こだわりのお好み焼やサイドメニューが魅力の熱誠まるでん
個性的なお好み焼や各種鉄板焼がそろっている熱誠まるでん。
昼ごはんや晩ごはんとしてお好み焼を楽しむのも良し、お酒を片手にお好み焼・サイドメニューを楽しむのも良し。
座敷があるので、家族やグループでも行きやすいのも魅力です。
そして気さくな店主夫妻との会話も楽しみのひとつです。
味良し・人良し・ところ良しの三拍子そろった熱誠まるでん。
こだわりのお好み焼をぜひ味わってみてください。