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鶴間山観音寺 太子堂が建立30年 1月21日に開帳

タウンニュース

相模太子講の世話人たち=12月20日・観音寺

下鶴間にある鶴間山観音寺(田近道啓住職)境内の「太子堂」が、今年で建立から30年の節目を迎える。建築業者らで組織される「相模太子講」(篠原將晃講元)が木造聖徳太子立像を安置するために建造した。

相模太子講は、建築で使用される「差し金」を中国から持ち帰ったことから「大工の神様」とも言われる聖徳太子を崇敬する職業講。現在、大和市内を中心におよそ40人の講員がいる。聖徳太子の命日とされる毎年1月21日には観音寺で太子堂を開帳し、法要を営むなどの活動を行っている。

観音寺には、享保10(1725)年につくられたとされる木造聖徳太子立像が、本堂に長らく安置されていた。相模太子講では1995年6月、太子像をまつる六角形の「太子堂」を境内に建立。講員たちの手でおよそ1年かけて造られた。前講元で当時を知る高橋則文さん(92)は「太子像を守るために講員たちが六角堂(太子堂)の建築に励んだ。30年はあっという間に感じる」と振り返る。

匠の技術、次世代へ継承を

観音寺によると、太子堂に安置されている聖徳太子立像は、高さがおよそ87センチ。右手には柄香炉を持っている。墨書銘から享保10年につくられ、明治期に修理されたことが分かっている。

普段は太子堂の扉は閉じているが、今年1月21日(火)の午後3時に予定されている法要ではその扉が開かれ、聖徳太子立像がお目見えする。

昨年12月20日、1カ月後に迫った法要を前に、相模太子講の世話人たちが観音寺を訪れた。講員の伊澤重昭さん(67)は太子堂を見つめ、「当時講員たちはそれぞれの作業場で御堂の骨格をつくり、それらをお寺に持ち寄って皆で組み立てた」と、チーム一丸で建築に汗を流した日々を振り返った。講員の熱意と浄財によって完成した太子堂は、相模太子講の悲願でもあった。

それから30年。太子堂を守ってきた講員たちも年齢を重ねた。建築技術者の減少が続く厳しい現実がある中、講元の篠原將晃さん(83)は「講員の輪を広げながら、太子堂はもとより、職人たちの技術や情熱も次の世代に引き継いでいきたい」と前を向く。

「職人の技術向上を常に目指し、太子堂を守っていこうという、皆さんの姿勢と気概には頭が下がる思い」と田近住職。昭和49年に発足した相模太子講は、平成、令和、その先も、活動の火を灯し続ける。

太子堂に安置されている聖徳太子立像

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