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“世界で一番過酷な”「名もなき育児」 パパや周囲の無理解はこう乗り越える

コクリコ

「名もなき育児」に関するモヤモヤの原因は、パパをはじめとする周囲の無理解。どのように理解してもらうのか、ママ自身の気持ちの切り替えかたやパパへの伝えかたのコツなど、実践的な方法をお伝えします。

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「名もなき育児」をテーマに4回にわたってお伝えしています。

実に94%のママがあると回答した「名もなき育児」の存在がわかった第1回。ママを苦しめる「名もなき育児」に名前をつけてみた第2回、「名もなき育児」に無理解なパパに対するママの怒りを深掘りした第3回。

最終回(第4回)の今回は「名もなき育児」になぜママがモヤモヤするのか、その理由にせまります。さらにママたちがモヤモヤを乗り越えるために工夫していること、実際にやってみてどう変わったのかというエピソードなどをご紹介します。

コクリコラボアンケート「AnyMaMa(エニママ)」登録者およびコクリコメルマガ会員を対象に 2024年7月26日~8月8日インターネット上で実施。有効回答数は84件。※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります。また明らかな誤字等は修正のうえ記載。

「名もなき育児」にモヤモヤする理由

当初、コクリコラボでは、子育て中のママへのアンケートとして「名もなき育児の悲しかったエピソード」と「笑えるエピソード」の2つを募集しました。

しかし集まったアンケート結果は「悲しかった(モヤモヤした)エピソード」が圧倒的に多く、「笑えるエピソード」は予想以上に少なくほとんど集まりませんでした。なかには「笑える境地に達していないかもしれません……」という回答もあるほどで、渦中にいるママにとっては切実な問題であることが浮き彫りになりました。

前回の記事でご紹介したとおり、「名もなき育児」へのモヤモヤの大きな原因のひとつには「パパの無理解」がありますが、ほかにも理由があるのでしょうか。ママから寄せられた「悲しかったエピソード」をもとに、モヤモヤする原因を探ってみましょう。

・ふだんと違う子どもの様子など、判断しなければならないことには戸惑いました。肌のかぶれひとつをとってもそうですが、「母親が判断して」という家庭内の圧力は、判断力が落ちている(ただでさえ疲れている)自分にとって重荷に感じる。

「母親が判断して」という圧力を重荷に感じる、という点に共感するママは多いのでは?

「母親だから子どものことがわかる」のではなく、日常における子どもの緻密な観察、情報収集などの「名もなき育児」の積み重ねがベースにあるからわかるだけなんですよね。育児書の記述や医療関係者の声かけの裏にすら「母親なんだから判断できるよね」という風潮を感じることもまだあり、ママの負担が多いと感じます。

・子ども不登校問題で、休むか登校するか、登校するなら何時に行くか、何時に帰るか、などの決定権が母親一人に委ねられている。話を聞いてくれる人はたくさんいるが、最終決定をするのは自分一人しかいない。教育の専門家でもなんでもないのに、どう決めていいのか分からない。

前の回答にも通じることですが、不登校問題においては日々さまざまな選択、判断がせまられます。子どもへの声かけも気を遣うため、無数の「名もなき育児」が隠れているはずです。たとえ話を聞いてくれる人がいても、最終決定するときには「自分一人しかいない」というママの孤独感が伝わってきました。

こう乗り越えた「名もなき育児」

想像以上に深刻なエピソードが続出した「名もなき育児」へのモヤモヤ。先輩ママはどのように乗り越えたのでしょうか。ママたちを集めた座談会では、次のようなママの経験談が寄せられました。

・以前は学校や園のことはパパがノータッチのことが多くてモヤモヤしていたんです。先日、保育参観にパパに休みを取って出てもらったところ、保育園の先生や子どものお友だちにも親近感を持ってもらえたようで、それ以降は少し率先して興味を持って園のことに関わってくれるようになりました。(3歳と小3の男の子のママ)

パパが子どもの行事に積極的に参加することで、我が子を取り巻く状況を「自分ごと」としてとらえてくれたのでしょう。パパを蚊帳の外にしないことが、理解してもらうための一歩になるかもしれません。

・連絡帳などは週1回でも夫に役割を譲るようにしています。夫にもこういうタスクがあると知ってもらえるし、やってみたら意外に効率的に書くアドバイスをくれることもあります。たまに夫に役割を譲るのはよいと思っています。(5歳男の子のママ)

「名もなき育児」を思い切ってパパに任せてみたことで、タスクを理解してもらえたり、思わぬ副産物があったりしたというこちらのママ。ほかにも

・体操服にゼッケンをつけたり、エプロンに紐をつけたりする仕事は、お裁縫が得意な義理の母にやってもらいました。なんでもかんでも自分でやるのではなくて、頼れることは頼ったほうがいいんじゃないかと思いました。(同上)

と、外部に頼ることの大切さを教えてくれました。抱えない勇気も必要です。

・私も夫も忙しくて食器や洗濯ものなどの家事が回らない場合には、もう数日「やらない」という選択をすることで乗り越えることもあります。(4歳男の子のママ)

いっそ「やらない」選択肢をとるのも手です。もちろんあとにしわ寄せがくるのは承知の上ですが、大変なときに無理をしないというマインドを持つことで、モヤモヤは少し減らせそう。

・実家が遠方なので、やはりふだんのモヤモヤを乗り越えるための相手は夫です。でも仕事が遅かったりでなかなか話せないので、LINEでひたすらふだんの困りごとを伝えています。遠慮なくお知らせすることによって、割と動いてくれるようになっています。困っていることを伝えると、土日に大きな家事を率先してやって、私の負担を減らすようにしてくれています。(0歳男の子・年長女の子のママ)

こちらのママは、産後入院することが多くてあまり家事ができず、パパが仕事をしながらワンオペでこなす時期があったのだそう。強制的にママの日々の環境を体験したことで、パパが「名もなき育児」を理解したのですね。体験しないにしても、日々の困りごとを伝え続けて可視化することでパパの理解が深まると信じたいです。

・ここ4年間ずっと睡眠不足に悩んでいて、子どもが寝相悪いので夜中に蹴られたりするのがストレスになっていました。今はお休みの日はパパと一緒に寝るようにしてもらって、私はゆっくり寝れるようになりました。実際に体験したパパから「こんなに大変なのに4年もやっているなんてすごいね」と言ってもらえて嬉しかったんです。やっぱり共感してもらえるのは嬉しいし、大事だなと思います。(4歳男の子のママ)

パパが体験したことで「名もなき育児」に共感してくれて嬉しかったというママの声もありました。またパパへの伝えかたのひと工夫をシェアしてくれたママも。

・モヤモヤは不満のように伝えず、「こんなことがあってさー。こうやってみた」と知識の共有のように伝えて、ふたりともが名もなき育児をできるようにする。

モヤモヤを溜め込んで爆発させてしまえば、パパも素直に聞くことができません。「知識の共有のように伝える」というハックは、すぐに実践できそうです。

・明るく軽く、嫌味なく、何度も名もなき育児、そして名もなき家事があることを伝える。私が言うだけじゃなく、「世界で一番過酷な仕事」という動画を見せて客観的に伝えるようにした。

ご紹介いただいた動画には「名もなき育児」が端的にまとめられています。言葉で伝え続けることに疲れてしまったママは、パパにシェアしてみてはいかがでしょうか。

参考:YouTube「World's Toughest Job(世界で一番過酷な仕事)」

アンケートでは、パパだけでなく子どもに理解させることで乗り越えるという意見もありました。

・家事と同じで、やらなくてもなんとかなることは「やらない」と割り切る。子どもにも多少「そこまでのフォローはお母さんでも難しい」「伝えてくれないとわからない」と伝え、親は万能でないということをわかってもらう。・子どもにどんどんお手伝いをお願いしていく。そして、たっぷりのありがとうを伝える。子ども自身も家族内での役割が持てて嬉しそうでよかったなと思う。

ママだけが抱えていた「名もなき育児」のなかには、意外と子どもに任せてみるとうまくいくものがあるかもしれません。

・「自分ばかり大変」と気持ちがネガティブになったときは、必ずひとり時間を確保して好きな本を読んだり外食したりします。手こずっている内容を書き出し、できる範囲で改善を試していきます。

「名もなき育児」からいったん離れて、問題を書き出すというアイデアもありました。ママのひとり時間を確保する方法については、以前コクリコラボで特集していますのでぜひ参考にしてみてください。

ママだけのブラックボックスにしない

今回「名もなき育児」の調査をして痛感したのは、共働きが増えた現代においても「名もなき育児」は、名もないがゆえに暗黙の了解でママが担っていること。

ママだけが抱えてこなしてしまうので、家庭内でも家庭外でも、ブラックボックス状態なのが問題なのではないでしょうか。すでにいっぱいいっぱいのママにいうのははばかられるのですが、やはりタスクを可視化し、パパや子ども、実家や外部サービスなどに任せられるものは任せないとパンクしてしまいます。

今回の特集を通して、世の中にもっと「名もなき育児」や「名もなき家事」の存在への理解が進み、ただ認知するだけではなくママだけが抱えずに子育てできる世の中になることを望みます。

コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。

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