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昭和レトロ!日本最古の公営団地「羽衣団地」が静岡市に!知る人ぞ知る日本初の「防火帯住宅」とは?

アットエス

全国に5棟しかない「48型」団地。当初の間取りを復元した共同浴場を公開

今年は昭和元年から100年目の節目に当たり、昭和という時代に改めて注目が集まっています。戦後間もない頃に建設された「静岡市営羽衣団地」と、昭和レトロな佇まいを見学できるツアーについて、静岡市住宅政策課の小澤映里さんに紹介してもらいました。聞き手はSBSアナウンサー影島亜美。  

影島:静岡市営羽衣団地について教えてください。

小澤:羽衣団地は1948(昭和23)年に建設工事が始まり、翌年に完成しました。静岡市初の鉄筋コンクリート造りの公営住宅で「48型」団地と呼ばれています。

1947年に東京都で建設された「47型」が戦後初の鉄筋コンクリート造りの団地ですが、現在は建て替えられています。現存する日本最古の団地は「48型」で、全国に5棟しか残っていません。

そのうちの2棟が静岡市にあるんです。建設から77年が経った今も半数以上の入居者が暮らしている現役の団地なんです。

大火や空襲を経て計画された、全国初の「防火帯住宅」

影島:静岡市中心部から少し離れた安倍川寄りに建てられた理由はありますか?

小澤:1940(昭和15)年の静岡大火と戦時中の空襲で、中心市街地が2度焼失しました。安倍川からの西風で火災が広がることが多く、全国初の「防火帯住宅」として燃えにくい鉄筋コンクリート造の建物が並べられました。

羽衣団地2棟のほかに、南側には駒形団地、北側に新通団地があり、計4棟が一直線に並んでいます。当時はさらに南側に県営団地が2棟あり、計6棟で防火帯となっていました。ちなみに、駒形団地と新通団地は1949年に建設された「49型」です。

木のぬくもりを感じるノスタルジックな小窓

影島:静岡市まちづくり公社のサイトに羽衣団地の写真や動画があります。昭和レトロの極みのような間取りだと思いました。

小澤:間取りは2Kで、6畳と8畳の和室2部屋、約3畳のキッチン、水洗トイレが備わっています。当時はお風呂がなく、地下に共同浴場が設けられていました。現在は改修され、各部屋にお風呂が設置されています。

影島:共同浴場はどんな雰囲気だったのでしょうか?

小澤:檜風呂のような浴槽が置かれ、時間を区切って各世帯が交代で入浴していたようです。

影島:キッチンと部屋の間に小窓があって、レトロでかわいいなと感じました。バルコニーも見えますが、当時からあったのでしょうか?

小澤:バルコニーは1992(平成4)年に設置されました。それまでは屋上で洗濯物を干していたそうです。以前は高い建物が少なく、4階建ての屋上から安倍川や富士山を望めたそうです。

影島:屋上がコミュニケーションの場にもなっていたのでしょうね。

内部や屋上を見学できるツアーを定期的に開催

影島:この団地を見学できるツアーがあるんですよね。見どころはどんなところでしょうか?

小澤:普段は入れない部屋や、復元された地下の共同浴場、そして屋上もご覧いただけます。建設時のエピソードや歴史もご紹介しますので、ぜひ昭和の暮らしを体感してください。

影島:ここでご飯を食べたり、洗濯物を干しておしゃべりしていた様子を想像すると楽しいですね。小澤さんのお気に入りスポットはどこですか?

小澤:キッチン周りです。今も当時から使われている食器棚などが残っていて、昭和の暮らしのぬくもりを感じられます。

島:木のぬくもりがあって、とてもかわいらしいですね。

小澤:今後も定期的に見学ツアーを開催しますので、ぜひお越しください。

影島:小澤さん、ありがとうございました。

羽衣団地見学ツアーは、2025年4月29日(火・祝)、5月6日(火・振)に開かれます。申込みは静岡市営住宅の公式サイトから。

※2025年3月18日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。​

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