日本では滅多に見かけることができない『珍しい犬種』4つ 国内で暮らしている頭数や特徴、原産国までご紹介
1.ノヴァ・スコシア・ダック・トーリング・レトリーバー
ノヴァ・スコシア・ダック・トーリング・レトリーバーは、カナダ原産の大型犬で2023年にJKCによって血統書が新規発行されたのは4頭です。
ラブラドール・レトリバーやゴールデン・レトリバーは、日本でも人気の高い大型犬種ですが、似た体格・性格を持つこちらの犬種はあまり知られていません。
毛色はレッドやオレンジで、尻尾の先端や足先、胸、ブレーズ(鼻筋から両目の間を抜けて頭頂付近まで)のいずれかに白い斑が入るのが特徴です。
ほかのレトリバー種と同様に、猟師のパートナーとなって水鳥をおびき寄せたり、撃ち落とされたりした獲物を回収したりする仕事をしてきた犬種です。
陽気で穏やかな気質を持っているうえ、人や他の犬とコミュニケーションを取ることも好きなタイプなので、様々な環境の家庭犬に向いています。
ただし、体力があり身体能力も高いので、十分な運動をさせないとストレスが溜まり、いたずらや破壊行動をするようになることも考えられます。
2.ブル・テリア
ブル・テリアはイギリス原産の犬種で、2023年にJKCによって血統書が新規発行されたのは3頭です。
平均体高は53~56cmと大型犬のなかではそれほど大きくありませんが、がっちりとした筋肉質な体格が特徴です。力強さが感じられる体型と、つぶらな瞳ののっぺりとしたユーモラスな顔つきのアンバランスさが魅力と考えられています。
19世紀の初め頃、ブル・ファイティングやベア・ファイティングなどをおこなうために作り出された闘犬です。
1835年に闘犬が禁止されてからは、興奮しやすさや攻撃性の高さを排除する形で改良がおこなわれて、現在では家庭犬向きの明るく遊び好きな気質を持つ個体が増えています。
飼い主に対する忠誠心や穏やかさを持っているため、しつけをしっかりとおこなえば大きな問題が起こることはありません。しかし、体の強靭さや頑固さも持ち合わせているため、わがままにならないように注意しなければなりません。
3.アイリッシュ・ウルフハウンド
アイルランド原産のアイリッシュ・ウルフハウンドは、平均体高85cm〜90cmと世界でも最大の体高を誇る超大型犬です。なかには、100cmを超える個体もいて圧倒的な存在感を放つ犬種です。
2023年にJKCによって血統書が新規発行されたのは2頭です。日本全体の飼育数としては数十頭いるとされていますが、なかなか見かけることはないかもしれません。
視覚で獲物を捉え、俊敏な動きで追いかけて捕まえる「サイトハウンド」の一種ですが、元々は人間が育てていた家畜をオオカミなどから守る仕事をしていました。
穏やかで飼い主へに対して忠実、人間の子供や他の動物にも優しいため、家庭犬に適した気質を持ちます。しかし、体が非常に大きく運動もたっぷりしなければならないので、それに見合った生活環境を整える必要があります。
4.コモンドール
コモンドールはハンガリー原産の大型犬で、番犬や護衛犬、牧羊・牧畜犬など様々な仕事をしてきた犬種です。
まるでモップのような縄状の被毛が最大の特徴で、2023年にJKCによって血統書が新規発行されたのはたった1頭です。
印象的な被毛は子犬の頃は縄状ではなく、成長するにしたがって羊毛のような密で柔らかなアンダーコートに、ウエーブのかかったオーバーコートが巻きついて「コード」と呼ばれる縄のような状態になります。
通常のブラシでケアをするとコードがほぐれてしまうため、こまめに手で汚れを取ったり毛玉を解消したりと、こまめなケアが必要です。汚れが溜まって臭くなりやすい上、シャンプー&ドライに非常に時間がかかるため、お手入れに手間がかかります。
さらに、すべてのトリミングサロンがコモンドールのコードに対応しているわけではないので、そのあたりも注意が必要です。
性格は忠誠心が強いものの、独立心や頑固さも持っているため、しっかりと信頼関係を築いてしつけをおこなわないと、コミュニケーションがうまくいかないこともあります。
コモンドールは、じっくり犬と向き合う時間がある人が育てるのに向いている犬種でしょう。
まとめ
ここでは、2023年にジャパンケンネルクラブ(JKC)に登録された頭数を参考にして、日本で見かけることがあまりない珍しい犬種を紹介しました。
ただし、この頭数は1年間に新規登録された数のため、日本で現在飼育されている頭数とは異なります。また、個性的なミックス犬や正式認可されていない犬種も含まれていません。
世界には700~800もあるとされる犬種は、それぞれ見た目も気質も異なります。その特徴に合った育て方や接し方をすることはとても大切なことなので、犬を飼う際にはぜひ意識してくださいね。