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【東京・日本橋浜町】ふんわりとろける“大人のチョコレートかき氷”「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO(ネル クラフト チョコレート トーキョー)」

CAKE.TOKYO

カカオニブやキャラメリゼしたナッツのヌガーなど、カリッとした触感が楽しい。

ひんやりスイーツの代表格・かき氷。いちごやブルーハワイ、宇治金時など定番フレーバーも魅力的ですが、今年注目したいのは「チョコレート氷」です。

今回ご紹介するのは、日本橋浜町のクラフトチョコレート専門店が手がける「カカオ金時」。口の中でふんわりとろける、大人のための贅沢なチョコレートかき氷として都内で人気を集めています。

CAKE.TOKYO編集部

カカオ豆から手掛けるクラフトチョコレート専門店

「浜町に、大人のチョコレートかき氷があるらしい。」

──そんな噂に誘われてやってきたのは、都心でありながらも緑の揺らぎが感じられる、東京・日本橋浜町の「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」。カカオ豆の選別・焙煎からチョコレート作りを手掛ける、こだわりのクラフトチョコレート専門店です。

浜町駅・水天宮前駅から徒歩約10分、「HAMACHO HOTEL」の1階に店を構える。

扉を開けると、ふんわり香るカカオのいい香り。開放的な店内には明るい日差しが差し込み、居心地の良い落ち着いた空間が広がっています。

木の暖かみを感じる明るい店内。

このお店でショコラティエを務めるのは、村田 友希さん。

村田さんは、京都の洋菓子店からお菓子づくりを始め、世界的に有名なチョコレート職人・水野直己さんのもとで研鑽を積んだ実力派のショコラティエ。フランスやルクセンブルクでの修業を経て帰国。「手しごと」と「日本らしさ」をコンセプトにしたチョコレートショップに立ち上げから携わっています。

ショコラティエの村田 友希さん。

浜町のまちづくりのコンセプトでもある“手しごと”から着想を得て「世界中の人に親しまれているチョコレートを、カカオ豆の焙煎から手掛ける専門店があったら面白いのではないか」と考えた村田さん。

店名の「nel」も、そうした「手しごとで練り上げる」という想いから名付けられ、nelのショコラはすべて、選別から加工、焙煎から仕上げまで「Bean to Bar」の手法を用いて、一粒一粒丁寧に作られています。

カカオ豆の選別など、工房の様子をガラス越しで見ることができる。

チョコレートづくりへのこだわり

nelのチョコレートづくりで村田さんが特にこだわっているのは、素材の厳選と口溶けです。

まずチョコレートの原料となるカカオ豆には、ベトナムにあるカカオ農園を実際に訪れ、村田さん自身が「おいしい」としっかり感じたカカオ豆を使用。カカオ愛に溢れる農家さんと契約をして取り寄せ、それを手作業で一粒一粒選別して、お店で焙煎しています。

カカオ豆はできるだけ空気に触れないよう、少量を真空パックにして保管する。

また、チョコレートづくりでは口溶けを意識して、カカオをなめらかに練り上げる「コンチング」という作業に、とても時間をかけているのだとか。

「時間をかけて練り上げることで、口に入れた瞬間にすっと溶けていくような、口溶けなめらかなショコラになるんです」と語る村田さん。クラフトチョコレートらしい個性を持ちながらも、誰もが食べやすいチョコレートを意識して、なめらかな口溶けにこだわっているのです。

チョコレートと小豆が織りなす「カカオ金時」

今回訪れた目的となる「カカオ金時」は、そんなこだわりのチョコレートをたっぷりと使用したかき氷。カカオを溶かし込んだチョコレート氷と北海道十勝産小豆を削り、底に小豆の餡をしのばせた、夏限定の贅沢なグラスデザートです。

ベースのチョコレート氷には、カカオパルプ(白い果肉の部分)が入っている。

■カカオ金時 ¥1,430(税込)

こちらのかき氷は、なんとチョコレートだけでなく餡も自家製で、京都の和菓子職人に学んで豆から丁寧に炊き上げたもの。お店で炊き上げることにより、より一層カカオの風味を引き立てられる味に仕上がったのだといいます。

小豆との相性にまでこだわって仕上げた、チョコレートのかき氷。一体どんな味なのだろうと、わくわくしながら口へと運ぶと、綿菓子のようなふわっとした食感のチョコレート氷が、口溶けなめらかに溶けていきました。

雪のようにふわっと溶けるのに、このチョコレート氷がとっても濃厚! 小豆の程よい甘さが後味を軽やかにし、最後まで飽きずに楽しめます。

二層のソースをかけることでカカオ感がアップ。

またかき氷は、別添えのカカオと練乳を重ねたソースをかけることで、違った味わいに変化。

最後のひと口までおいしく食べられるようにと、たくさんの仕掛けがされているのです。リピーターの中には、一日に三回も食べる方もいるのだとか。

一方で、通年で楽しめる定番のグラスデザートとして人気のメニューが、「nelチョコレートパフェ」。爽やかなアプリコット風味のチョコレートクリームと、オリジナルのチョコレートアイスが印象的な逸品です。

カカオニブやキャラメリゼしたナッツのヌガーなど、カリッとした触感が楽しい。

■nelチョコレートパフェ ¥1,430(税込)

チョコレート本来の濃厚な味わいが楽しめるパフェですが、ライチピューレを泡状にした軽やかなソースが爽やかさを添え、食べ進めるごとに軽やかな味わいになるように作られています。天に向かって伸びるチョコレートプレートをパリッと割る瞬間も楽しく、ザクザクカリカリとした食感も魅力的な、五感で楽しめるグラスデザートです。

※ドリンクセット:¥1,980(税込)

多彩なフィリングを詰め込んだ「ボンボンショコラ」

ずらりと並んだボンボンショコラのショーケース。

かき氷のようなグラスデザートは店内でしか食べられませんが、nelには持ち帰り可能なチョコレート菓子も多くあります。その中でも特に人気のものが「ボンボンショコラ」シリーズ。

ボンボンショコラとは、フランス語で「ひと口サイズのチョコレート菓子」を意味する言葉で、中にガナッシュやフルーツピューレ、スパイスなど多彩なフィリングを詰めこんだチョコレートのことです。

ブンチャプベトナム75%(左上)、山椒(右上)、沖縄パッション(右下)、日本橋HAMACHOCO(左下)各¥380~¥430(税込)

ボンボンショコラは、定番の「ブンチャプベトナム75%」にはじまり、「梅」、「紫蘇」、「山椒」といった和の素材を活かした味もラインナップ。

かき氷の小豆然り、nelのコンセプトのひとつには「日本らしさ」があるという村田さん。ホテル利用者に海外の方が多いことから、クラフトチョコレートにも和の食材や新しい食材を積極的に使用しているのだといいます。

「作る上で苦労したのは、山椒チョコレートの香りの出し方ですね。山椒やコショウは、フランスでも使用されることがありますが、粉末や実を砕いてショコラと合わせることが多いので、どうしても辛味成分がチョコの中に出てきてしまいます。

できるだけ辛味を抑えて、山椒のいいところだけをチョコレートと合わせられないか、とあれこれ考えました」と村田さん。

試行錯誤した結果、山椒の実を生クリームに一晩浸すことで、表面の香りだけを抽出することに成功しました。

実際に食べてみると、辛味は全くなく、山椒ならではのよい風味がチョコレートにベストマッチ。手間暇をかけた調合が、新たなおいしさを生み出しているのです。

沖縄パッション。完熟パッション果汁を使用したガナッシュと、パートドフリュイの二層仕立て。

ボンボンショコラは定番の味12種類に加えて、季節限定のものが1~2種類、春夏秋冬で登場します。5月から8月までは沖縄パッションフルーツと島バナナのフレーバーが登場。

こうした期間限定のチョコレートには、チョコレートで季節感を楽しんでもらいたい、という村田さんの願いが込められています。

日常のご褒美を至福のチョコレートで

「チョコレートって、バレンタインなどに渡す、少し特別な贈り物という風に感じ取られる方がやっぱり多いんですよね。でも私はこのまちに根づくチョコレート屋にしたいという想いから、もっと日常的に楽しんでほしいと思っているんです」と話す村田さん。

今年もカカオ農園の訪問を予定しているそう。

サラリーマンが仕事終わりに、チョコレートドリンクでほっとひと息。暑い休日には、カカオ金時を家族でシェアしながら。そんな“日常の中のちょっとしたご褒美の時間”を、浜町のチョコレート屋さん「nel」は提供してくれます。

浜町という街の時間にやさしく息づいているショコラトリー「nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO」。この夏は「ふわりとろける」新感覚のチョコレート氷を味わいに、日本橋浜町を訪れてみてはいかがでしょうか。

コーヒーもチョコレートに合うものを提供している。

WRITER:雨乃詩織

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【SHOP INFORMATION】

SHOP:nel craft chocolate tokyo(ネル クラフト チョコレート トーキョー)

ADDRESS:東京都中央区日本橋浜町3丁目-20-2 HAMACHO HOTEL

OPEN:平日・土日祝 10:00~18:00

CLOSE:不定休

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