SUPで健康革命!都心で始める水上フィットネス生活
今日は、大型連休前にピッタリの水上アクティビティ「SUP」の話題。スタンドアップパドルボード、略してSUPは、ボードに立ってパドルで漕ぐアクティビティ。
都心で楽しむSUPの魅力
海のアクティビティというイメージを持たれがちですが、実は、都会の真ん中でも気軽に楽しめるそうなんです。どういうことなのか?横浜で活動する一般社団法人 水辺荘 代表理事 山崎博史さんのお話です。
一般社団法人 水辺荘 代表理事 山崎博史さん
公共スペース、河川とか港って公共空間じゃないですか。それをサップを使って有効に活用していきたいという思いで始めたんですね。街中の水辺というのは海と違って、割と平らな水面が広がってるんですね。お子様、10歳ぐらいのお子さんから、シニア、60代~70代ぐらいの方までですね、割と海より安全にできたりする可能性が高いです。沿道ですとか橋の上から見かけますので、声かけたり手振ったりする人が非常に多いです。観光客とのコミュニケーションというのが、水上と陸上からできるというのがですね、ちょっと海と違うところですね。例えば大岡川というのは桜の名所ですので、その満開の時期に合わせて「水上茶会」という大きいメガサップっていう、大きいサップがあるんですが、そこにお茶席を設けまして、桜を見ながら水上でお茶の先生がたてたお茶をいただくというようなイベントもやっております。
サップも用途に合わせて色々な種類があるようですね!その場で普段着のまま乗ることができるので、マルシェに来た方がついでにメガサップに乗って、マルシェで買ったドリンクを飲みながらクルーズだとか、愛犬と一緒に乗りたいとか、小さいお子さんと一緒に乗りたいという方も無理なく乗れるのがメガサップ。メガサップは安定性がかなりあるので、座っていれば落ちることはまずないそうですよ!
桜の時期のSUP 提供:一般社団法人 水辺荘
この「都会でできる」というのが大きな魅力で、アフターサップは街でランチをしたり、観光地を回ったり・・・アクティビティとして楽しむのはもちろん、仕事帰りや週末の朝、思い立ったらすぐ水上へ。まさに新しい都市型のリフレッシュ習慣として人気が高まっています。
横浜でSUPを楽しむ様子 提供:一般社団法人 水辺荘
健康づくりに役立つスポーツへ
そしてサップは「中高年の方の健康づくり」にも、もってこいなんです!どのように良いのか、鹿屋体育大学 中村夏実 教授に伺いました。
鹿屋体育大学 中村夏実 教授
本学で中高年齢者を対象としたサップ運動教室というようなものをやって、その前後で体力的な指標がどれぐらい変わるかというようなことをチェックしています。恐らく筋力に負荷がかけられたり、あとバランス能力を高められるんじゃないかなというような期待を持っているというところです。特に中高年齢者とかっていうのは、転倒とか筋力が弱くなったりということがあるじゃないですか。なのでサップの上に立つときに太ももの前とか、すねあたりとか足裏のあたりがすごく刺激されて、例えばつまづくっていったところも予防できるような筋力的な効果も、あるんじゃないかなっていうような予想を持ってやってますね。若い子供のうちから(サップで)遊んで、そういうとこに慣れている人たちが将来的に増えると、介護予防とか健康づくりの方にも役立つスポーツの一つになるんじゃないかなと思っているっていうのが最終的なところですね。
バランス感覚がかなり鍛えられそうですよね!競技をやっているサップ選手とサーフィン選手で、バランス能力、立っているときのふらつきを比べると、サップ選手のほうがふらつきが少ないというような研究報告も出ているんです。膝や腰に不安がある方でも、サップは水の浮力を利用することで、ウォーキングよりも関節に優しく、全身運動ができる可能性が高いんだそう。無理なく「楽しい」と感じながら続けられる魅力がありますね。
鹿屋体育大学の研究では週1回のサップを14回行った結果、中高年の10人全員が筋肉量は変わらず維持、脂肪量が若干減る結果であったそう。いずれにしても継続することが健康づくりへの1歩、健康寿命を延ばすことに役立つかもしれません。
水上事故やトラブルを防ぐために
観光目的でもフィットネス目的でもサップ人口が増える一方で、水難事故やトラブルも増えているようで・・・サップを安全にどう楽しんでいくべきか、一般社団法人 日本スタンドアップパドルボード協会 理事長の柿澤寛さんのお話です。
一般社団法人 日本スタンドアップパドルボード協会 理事長 柿澤寛さん
一番多いのは「帰還困難」といって、沖に出て帰ってこれなくなるような事故が多くなってきてます。海に出る前にしっかりした海の知識とか、船も走ってますんで船舶の知識とか、そういったものを身につけて、なおかつ技術のあるインストラクターにサップの技術を習ってからやっぱり水上に出てほしいと思っています。全国いろいろトラブルとかを見ますと、やっぱりお互いの情報共有のなさとか、そういったところからトラブルが起こることが多いんで、同じ水域で楽しむためにもお互いのことを知るということが一番大切ですし、普段からいろんな活動を通して、そういった(水上の)事業者さんと交流をもってお互いの領域を確認し合っているということがすごく大切なことになるのかなと思います。
特に、海と違って都市河川などは狭いスペースで船の通行もあるので、お互いの動線確保、そして事前の情報共有がかなり重要。協会は、インストラクターの育成をはじめ、大会やツアーを通して、丁寧に安全啓発を行っていきたいと話していました。
これから水上レジャーが盛んな時期になりますが、熱中症なども心配ですよね。無理をせず、徐々に身体を慣らしながら行うのがポイントです。サップは座った姿勢から始める方法もあるので、インストラクターがしっかりサポートしてくれる場所を選べば安心です!自分に合ったサップの楽しみ方を見つけてみるのもいいかもしれません。
(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』より抜粋)