<実家依存のワンオペ>実家に住む姉「半年間うちには来ないで」突然言われても困る!【まんが】
私はアヤミ。20代半ばの会社員で、2歳の男の子・ルイのママです。わが家は夫婦で共働き。ルイが生後6か月のときには職場へ復帰し、保育園に預けています。保育園の送り迎えは、パパがしている家庭も珍しくはありません。しかし私の夫・レイジは家事育児に一切関わろうとしません。共働きなのにこういうスタンスの夫は、今どき珍しいと思います。ですが仕方ありません。私が何を言っても頑として協力しようとしないのですから……。幸いなことに実家が車で10分の距離にあり、両親もまだ60代と元気なので、いつも甘えさせてもらっています。
仕事が終わると自宅に帰らず、近くの実家に寄ってご飯やお風呂をいただいています。
実家に住む姉も協力的で助かっています。
実家には未婚の姉・サヤカ(29)も住んでいます。姉はとても面倒見がよく、ルイも姉に懐いています。夫よりもうちの姉のほうが、よっぽどルイと遊んでいる時間が長いような気もします。
ありがたいことに、ルイの急な発熱やお迎えが遅くなるときなどにも実家にサポートしてもらっています。このまま私とルイの日常は、実家の助けを得て順調に過ぎていくはずだったのですが……。
たしかに姉は、以前から「とりたい資格がある」と言っていました。でも私たちが今まで通り実家にお世話になっても、勉強くらいはできるはず。そう姉にも伝えましたが、ルイがいることで勉強に集中できなくなりそうとのこと……。
私は途方に暮れてしまいました。実家の支えがあったからこそ、育児と仕事の両立がなんとかできていたというのに……。夫は絶対に助けてくれないでしょうし、やることだらけで仕事を続けられるかどうかさえわからなくなります。いざというときにどうするかも考えなければなりませんし、幸せな毎日からドン底に突き落とされた気分です。「半年間実家に来ないで」だなんてひどすぎます。帰ってから夫に協力を仰ぐのが、憂鬱でなりません。
家事・育児の分担を夫に相談するも……。案の定答えは「NO!」
私は夫に、姉が資格取得を目指していることについて話しました。しかし夫は「頑張るしかない」と他人事。予想通りですが、激しくモヤっとしました。夫にはやはり、自分が家事や育児を負担するという考えが毛頭ないようです。
仕事をしながら私ひとりで家事も育児もするのは、どう考えても大変です。そこで私の両親に家に来てもらって手伝ってもらうことを提案しますが、夫はそれも拒否。
夫はいつもこうです。話し合っても何も生まれません。そもそも夫は、私を対等な関係の人間として見ていません。
私が強く望んだ結婚は、夫にとっては「子どもができちゃったからまあ……」くらいのものでした。「私が頑張るから結婚しよう」なんて言った私が悪いのですが、いくら夫に「協力してほしい」と訴えても、今後のルイのお世話について譲歩してくれそうにありません。正直、誰の助けもないまま、働いて子育てして家事もこなして……はムリです。ここはやっぱり姉に折れてもらうしかないようです。絶対に勉強のジャマをしないから、これからも実家に行かせてほしいと頼みこむしかありません……!
【姉の気持ち】「ずっと支えてきたけど…」無責任な妹にモヤモヤ
私はサヤカ。もうすぐ30歳になります。独身、実家暮らしの契約社員。彼氏はずっといません。先々のことを考えて、一生安定して働けるよう資格をとることにしました。勉強に集中したいので、実家へよく来る妹に「しばらくうちに来ないでほしい」と頼みましたが、難色を示されました。妹は復職後、毎日のように2歳のルイくんを連れてわが家へやってきます。復職前から頻繁に来ていましたが、食事にお風呂にルイくんのお世話など、仕事終わりに至れり尽くせりやってもらえるのはかなり助かるのでしょう。そんな実家依存の妹に「しばらく実家に来ないで」というのは酷かもしれませんが、私にとっても今が頑張りどきなのです。
妹が困っているのは十分わかります。でも結婚して家を出た身なんだし、子どもは夫婦で責任をもって面倒を見るべきものなのではないでしょうか。そもそもルイくんの体調不良時、年齢のいった両親に預けること自体、モヤモヤしているというのに。
モヤモヤした私は、さらに踏み込んだ話を切り出しました。試験は決して簡単なものではないので、3年くらいかかってしまうかもしれないこと。しかし妹は、今の快適な状況を手放すことがどうしても諦められないのか、全く理解してくれません。
たしかにルイくんはかわいい。でも、小さい子どもの面倒を見るのは時間もパワーも必要。そのうえ、うちに来ると妹は私たちに頼りっきりだというのに。今までたくさんの手伝いをしてきたのに、「自分のことばっかり考えてないで」とは、どういうことなのでしょうか……。
そう、うちの両親も私も、妹とレイジくんの微妙な関係にずっと巻き込まれてきたのです。妹がレイジくんを好きなのはそれで構わない。強く言えないのも構わない。でも、そのしわ寄せを食らっているのはうちなのです。
私がきっぱり言うと、妹はしばらく黙り込んでいました。もしかしたら、妹にとっては一番言われたくないところだったのかもしれません。しかし私としては、ここを解決してもらわないとどうしようもありません。 それに私の生活が安定していないと、将来的に妹に迷惑をかける可能性だってある話なのですから、理解してもらわないと困ります。「自分のことばっかり考えてないで」と悪者扱いされてしまいましたが、勉強に集中するために甥っ子の訪問を拒むのは、はたしてそこまでひどいことなのでしょうか。 妹が職場復帰して2年間、この家はずっと妹中心に動いてきました。それはもちろん私もです。でも、私だってそろそろ自分のために時間を使いたいのです。
【私の気持ち】好きだから?夫に従う理由は?母の問いかけに「わからない……」
なんとかして姉の説得を試みるも、「資格を取ることは将来親を支えたり、アヤミに世話をかけないことにもつながる。親を見る気もないのに甘えてばかりなんて自己中だ」と手厳しいことを言われてしまいました。
実家に行かなくなってからまだたったの半月なのに、もう音を上げそうです。ルイはすごくかわいいけど、次から次へ押し寄せる日々のタスクで、心身ともに精一杯。顔はいつも鬼のように険しく……日々の生活で笑うことがなくなっていきました。
ひとりきりでの家事育児に疲れ切っていたある日、母が電話をくれ、半月ぶりに実家へ行くことに。
母は、魂が抜けたような私を見て「手伝いに行こうか」と優しい言葉をくれますが、夫が嫌がるので頼むわけにはいきません。
母からの素朴な疑問に、私はきょとんとしてしまいました。たしかに……言われてみれば、そうかもしれません。正直夫に家を出ていかれても困りませんし、恋愛感情というよりは結婚当時言った「頑張るから!」を守りたいだけのような気がします。なんだかわからなくなってきました。
私は母の言葉を噛み締めます。毎日倒れそうなくらい仕事と家事育児に追われて、それでも夫は一切助けてくれなくて、それでいて生活費は完全折半。薄々疑問を感じていたのですが、やはりはたから見てもそうなのか……と心のなかで大きく頷いてしまいました。 母に言われた「どうして従わないといけないの?」という質問で、長年の洗脳がとけた気分です。金銭面は対等、家事育児は私、それなのに夫の主張に従ってばかり。別居には正直まだ迷いがありますが、それでもこの夫婦関係は変えなければならないとわかってきました。
ムダだった?必死に訴えても助けてくれない夫「……いらない!」
今の私、ものすごく格好悪いな……と思っています。「できない、ツラい、限界」と泣いて、怒鳴って。でもどんな醜態をさらしても、とにかく私は夫に助けてほしかったのです。しかし、夫は私の全身全霊の訴えを、あっさりとスルーして家を出て行こうとします。
バタン、とドアが閉まった時点で、心のなかで何かが切れました。私がここまで大変だと、もう倒れそうだと言っているのに助けてくれない夫。きっとこんな夫、私が失業や病気などで人生の危機に陥っても助けてくれないでしょう。今日みたいに「俺知らない」と言って冷たく見放されるのが目に見えています。
これからのことを考えると、大変だと思う一方、なぜか憑き物が取れたかのような前向きな気持ちになれました。実家に依存して、ぬるま湯に浸かっているうちは気づきませんでした。死ぬほどツラい思いをして、やっとわかったのです。 自分にとって大事なものと、そうでないものが……やっと目が覚めた気分です。きっかけをくれたのは姉。最初はなんてひどい仕打ちをと思っていましたが、今は目を覚まさせてくれてありがとう……と心のなかで感謝しています。
【夫の気持ち】ついに離婚が成立、独身バンザイ「オレ自由だ~」
俺はレイジ。20代後半で、服飾系の販売員をしている。2歳の息子ルイがいるが家事や育児にノータッチでいたら、妻のアヤミがブチ切れた。ちょっと前まではアヤミの実家にいろいろ助けてもらっていたが、義姉の事情もあって実家を頼れなくなったらしい。だけどそんなこと、知ったこっちゃない。そもそもアヤミと結婚したのも、子どもがデキちゃったから仕方なくといった感じだったし、俺は乗り気じゃなかったんだ。
俺は外見がいいので女性から言い寄られることも少なくなかった。泥沼になるのも面倒くさいので曖昧に流してきたが、内心もったいないとばかり思っていた。
こんなに我慢しているのに、家でも我慢して協力しろだなんて話が違う。でも結局、アヤミは息子ルイを連れて出ていき、その後離婚が成立した。ルイとの別れは寂しかったが、アヤミがいなくなったのは「まー、しょうがないか」くらいにしか思えなかった。あれだけ俺と結婚したがっていたアヤミから離婚をつきつけられたのは意外だったが、俺は自由に過ごせる嬉しさでいっぱいだった。
20代後半だった俺も30代となった。3年と聞くとそう年数が経ってないようにも思えるが、この3年はものすごく変化した期間でもあった。離婚してしばらく経ったあたりから、友人たちの結婚ラッシュが始まった。なにより一番変わったのは俺。転職したし、飲み仲間がいなくなった代わりに、自分の好きなものを食って飲んで心を満たすようになり、ちょっとだけふくよかになってしまった。
テレビ越しのアヤミは、昔よりずっときれいになっていた。話し方に落ち着きがあり、品もある。そのうえテレビに出るなんて、働きながら順調にキャリアアップしていった証拠だ。俺は、自分が原因で離婚したことから職場で冷たい視線を浴び、居心地が悪くなって安い給料のところに転職したというのに……。 家事育児と仕事を両立しているアヤミがキラキラしていて、自由になったはずの俺がこんな状況。あれ、何だこれ? 自分より下の場所にいたはずのアヤミが、ずっと上の遠いところへ行ってしまった……?
【私の気持ち】突然の電話「オレまだ独身…」キモッ!復縁なんてまっぴら御免
息子を連れて家を出て3年、現在に至ります。
離婚して3年。当初は週に数回手伝いに来てくれていた母も、今では月に数える程度。夕食やルイのお世話を中心に協力してくれます。
ちなみにルイが急病のときも、可能な限りお世話は私。というのも、上司に粘り強く掛け合ったことで、在宅勤務など融通がきくようになってきたのです。こうして職場の理解と家族の手助け、そしてルイの成長でなんとかこなせるようになってきました。
育児と仕事の両立は大変ですが、できる仕事は全力で。するとある日、社内で発足した働く母親の環境改善プロジェクトのリーダーをすることになったのです。今までの苦労が糧になったと思うと、なんだかとても嬉しいです。
先日はその件で、ローカルニュースからの取材も。ちょっと気恥ずかしかったですが、父も母も喜んでくれました。しかし……。
スーッと自分が冷たい感情になるのを感じます。大好きだった元夫。彼の言うことならなんでも従っていた。それこそ召使いのように。でも今は……嫌悪感しかない。
いつかルイが希望すれば、面会はさせようと思っています。思い出のない父に会いたいと言うようになるのかはわかりませんが、どちらにせよ復縁なんて御免です。
その後も穏やかに日々は過ぎ……嬉しいニュースが。姉のサヤカが、ずっと目指していた資格を取得したのです。「遅くなっちゃったけど……」と照れながら話す姉を、久々に行く実家で抱きしめます。 これからも節度ある距離感でいようとは思いますが、今は家族みんなが幸せな状態で集まれた嬉しさでいっぱいです。 私も姉も、自分の力を振り絞り、ときには立ち止まりながらも幸せな未来のために進み続けた結果、2人とも道が開けました。私たちの毎日が今充実しているのは、頑張った結果。神様がくれたご褒美だと思っています。