「里芋」の失敗しない選び方。鮮度を落としてしまう“2つのNGな保存方法”とは
秋に旬を迎える「里芋」。買ったものの、すぐに傷んでしまい長持ちしなかった経験はありませんか? そこで今回は、青果のプロである小林青果株式会社の方に「新鮮でおいしい里芋の見分け方」や「鮮度を保つ正しい保存方法」を教えていただきました。
教えてくれたのは……小林青果株式会社
創業以来70年以上にわたり、北九州中央卸市場にて青果の生産者と小売店舗のバイヤーを結ぶ仲卸業を営む小林青果株式会社。九州各県だけでなく、全国各地から旬の食材や特性の強い商品を仕入れ、お客様へお届けしている。安全で安心できる食品の提供はもちろん、作り手の思いや熱量、消費者の期待、販売店の信頼を大切にしている。
鮮度がよく、おいしい里芋を選ぶ「3つのポイント」
里芋は日本の食文化に深く根ざした伝統的な食材であり、特に煮物によく使われます。その独特のねっとりとした食感が多くの人に愛されています。
おいしい里芋を選ぶためには、鮮度が非常に重要です。鮮度のよい里芋を見分けるための3つのポイントをご紹介します。
1.土つきのものを選ぶ
土がついた状態で、湿り気のあるものを選ぶのがおすすめです。土つきのほうが日持ちもよくなります。
ひび割れしているものは、高温や乾燥によって肉質が硬く変化してしまっているため、調理しても食感や風味が落ちている可能性があります。
2.触感で選ぶ
触ったときに、固くしっかりしたものを選びましょう。里芋のおしり側(親芋との切り口があるほう)がふかふかしている場合、傷んでいる可能性があるので避けてください。
3.断面をチェックする
カットした断面が白く、みずみずしい里芋がベストです。鮮度が落ちると、断面が乾燥して茶色に変わります。断面が白くてみずみずしい里芋は鮮度がよい証拠であり、鮮度を見分ける際の大きなポイントになります。
里芋の鮮度を落としてしまうNGな保存方法
おいしい里芋を選ぶことはもちろん、鮮度を保つためには保存方法も大切です。以下の2つのポイントを押さえておいてくださいね。
NG1.土を落としてしまう
里芋は乾燥や湿気に弱いため、土つきを購入した場合は、調理するまで土がついたままの状態で保存することで長持ちしやすくなります。
【ただしい保存方法】
・里芋は、洗わずに泥付きのまま新聞紙を広げた段ボールに入れる
・段ボールはふたをせず、15℃前後の風通しのよい冷暗所で保存する
新聞紙やキッチンペーパーが適度に湿気を取り、乾燥も防いでくれます。直射日光が当たらない風通しのよい場所に置いてください。
秋から初冬以外の季節や適切な冷暗所がない場合、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
NG2.袋に入ったままにする
ビニール袋などに入っているものは、袋の内部が湿ってくもっていたり、水滴がついていたりすると湿気によって、カビが発生しやすい可能性があります。袋から出して保存するようにしましょう。
表面が湿ったままキッチンペーパーで包むとカビ臭くなることがあるため、1時間ほど天日で乾かしてからキッチンペーパーで包みましょう。
おいしく食べられる旬の時期も知っておこう
最近では、3月上旬に鹿児島の離島で収穫される品種「石川早生」が市場に出るようになり、早い時期から目にすることが多くなりましたが、里芋の本来の旬は、秋から冬にかけての時期で最もおいしい時期とされています。
この時期に収穫される里芋は、寒さによってデンプンが甘みに変わり、特有の風味と甘みが増すため、煮物やおでんなどの伝統的な日本料理でその味わいを存分に楽しむことができます。
見分け方や保存方法、旬の時期を知り、おいしい里芋を選ぶことができれば、料理の味わいもぐっと高まりますよ!
shukana/webライター