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次の鉄道女子会はスペーシア Xの『コックピットスイート』で!!  「国際鉄道模型コンベンション」のにぎわいお届けします【レポート】

鉄道チャンネル

モデラー出展ゾーン。HOゲージとNゲージはほぼ半々。大型のOゲージなどがちらほらといったところでしょうか(筆者撮影)

夏休みも第3コーナーを回って鉄道イベントも今がピーク。頂点に立つのが「国際鉄道模型コンベンション(JAM)」です。23回目の今回は2024年8月16日から3日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで盛況に開かれ、約2万5000人が来場しました。

今年のテーマは「特急」。一時代前、「速く、快適に」だった特急列車の目指すところ、相次ぐ観光特急の登場などで、最近は「楽しく」が加わり、「新時代の特急パワー全開」を実感させます。

コンベンションはネーミングに「模型」を冠するものの、実物ファンも満足させるプログラムが満載。ベテランから子どもたちまで、来場者と出展者が交歓する光景が、会場いっぱいにあふれました。

「特急」テーマにあわせた南正時さんの写真展。国内、海外、ブルートレインの3テーマで入魂のショットが披露されました(筆者撮影)

自慢の模型を思う存分走らせる

国際鉄道模型コンベンションは実行委員会方式のイベントで、実質主催者は東京都品川区の模型メーカー・井門コーポレーション。出展は愛好家(モデラー)が約80団体、模型メーカーが約60社。模型クラブや個人が、ブースで自慢の鉄道模型を走らせるのがモデラー出展。日本の住宅事情では走行機会の少ない、大型模型を思う存分走行させてクラブ会員を募集します。

呼びもののステージイベントは全部で9本。初日の「鉄道女子会2024」と「鉄道車輌のカラーリング」を取材しました。

鉄道女子会にはスペーシア X1周年のゲスト・末永さん

会場の特設ステージ。会期2日目には堺正幸さん、笠井信輔さんを迎えた「鉄アナ重連トーク」もありました(筆者撮影)

鉄道女子会への初登場は末永桜花さん。名古屋をベースに活動するアイドルグループ「SKE48」の中心メンバーで、2023年7月と2024年2月発売のシングル曲で、2曲続けてセンターを務め乗りに乗っています。

末永さんの鉄道好きは、鉄道界に広がります。2022年12月スタートのJR東海「冬の飛騨路キャンペーン」でアンバサダーを務めたほか、本サイトでも紹介された2024年7月の東武N100系特急「スペーシア X」1周年セレモニーにもゲスト参加。「メンバーにスペーシア Xを勧めたい」と、〝ブルーリボン賞特急愛〟を語りました。

鉄道女子会のトークテーマは、「食べ鉄の推しグルメ」で、末永さんはスペーシア Xの「カフェカウンター」を推しました。

さらに、スペーシア Xでもう一つの推しが、6号車(浅草寄り先頭車)の豪華個室「コックピットスイート」。これには女子会に参加した女優・タレントの村井美樹さん、司会の鉄道アイドル・伊藤桃さんも「まわりに気兼ねなく列車旅を楽しめる」と大絶賛。「次回の鉄道女子会はコックピットスイートで」で一致しました。

OJゲージメーカー、Nゲージの台湾ELで勝負

ステージイベントの中休みを利用して、会場のメーカーブースを一巡。いかにも職人気質のオーナーが、電気機関車(EL)のHO模型をなど販売していた「武蔵野アクト」ブースで話を聞きました。

専門はOJゲージ。実物の45分の1、線路幅24ミリの大型模型ですが、会場でお披露目したのは台湾の国鉄に当たる台湾鉄路管理局の新型EL・E500形。メーカーは東芝で、2023年に工場からの出場風景がファンの話題を呼びました。

武蔵野アクトのNゲージ・台湾EL。一見高額に思えますが、円安も追い風になって日本の高級モデルに対する国際需要は根強いそうです(筆者撮影)

武蔵野アクトが狙うのは、最も模型人口の多いNゲージの台湾EL。国際鉄道模型コンベンションには海外バイヤーも多数来場するそうで、ビジネスチャンスを探ります。

ベテランオーナーの話によると、今の模型づくりの主流は3Dプリンター。そういえば、2024年8月はじめに取材した「鉄道模型コンテスト」でも、多くの高校生モデラーは製作ツールに3Dプリンターを挙げていました。

日本でただ1人!? プラレールのプロ

国際鉄道模型コンベンションでは若干アウェーに思える「ぺたぞうの鉄道王国」のプラレール。しかし、一番大きな子どもたちの歓声が聞こえました(筆者撮影)

続いて、ひときわ目立つ「ぺたぞうの電車王国」へ。オーナーの岩崎哲哉さんは、おそらく日本で1人だけという「プラレールのプロ」。べたぞうはハンドルネームです。

といってもプラレールの車両をつくったり、コレクションするわけでなく(もちろん膨大なコレクションはありますが)、各地のイベントなどにプラレールのジオラマ(とはいわないかもしれませんが)を展示して集客の目玉にします。プラレールで集客するうち、それが仕事になりました。

まさに「好きこそものの上手なれ」。北海道から沖縄県まで、全国から出張依頼が寄せられます。

「プラレールの魅力は?」の直球の質問には、「鉄道車両をそのままサイズダウンするのでなく、特徴をとらえてデフォルメするのが魅力ですね」と、名人・達人ならではのせりふが帰ってきました。

プラレール、模型ではなく玩具(おもちゃ)ですが、岩崎さんは「それまでユーザーをあまり意識しなかったメーカーのタカラトミーが、鉄道ファンにも届く製品をつくるようになったのが、活動の成果かも」のちょっといい話も聞かせてくれました。

トミックスは模型の撮り鉄向けにモジュールを出展。かつての名シーンを再現した碓氷峠の横軽間(信越線横川~軽井沢間)です(筆者撮影)

「お手本は女性のメイク」(鉄道車両デザイナーの南井さん)

会場で話を聞くうち、午後のステージイベントの時間に。スピーカーは日本の鉄道デザインの第一人者・南井健治さんです。

1979年に近畿車輛入社。国内ではJR九州の783系電車やJR西日本の221系、223系などの新快速シリーズを担当。そして、海外向け車両で力を発揮しました。

2024年6月に近車の取締役常務執行役員を退任。今後は1人の鉄道車両デザイナーとして、業界の発展に貢献します。

「鉄道車輌のカラーリング」と題したトークでは、「色は実は個人個人で見え方が違い、周囲の風景で感覚が左右されるなど非常に難しい」と前置き。「配色の分かりやすい例えで、挙げたいのは女性の皆さんのメイク。影を入れて陰影を付ければ小顔に見えます」と、ポイントを説きました。

鉄道車両で印象に残るのが、2009年に納入したドバイメトロ向け車両。「日本で見た時はステンレス地にブルーのラインで、くすんだ印象を受けましたが、現地の強烈な太陽の下では、実にくっきりと大きく印象を変えました」と、車両デザインの難しさや面白さを語りかけました。

このほか、コンベンション会場では多くの興味深いトークが聞けましたが、スペースの関係でここまで。私が取材した初日は台風7号襲来で、比較的ゆったり取材できました。台風一過の翌17日は約8800人が来場、過去最高を記録したそうです。

記事:上里夏生

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