【横浜市緑区】三保小学校など5カ所で横浜市が実証実験 ペットボトル回収機設置 水平リサイクル活発化を模索
ペットボトルを水平リサイクルする「ボトルtoボトル」の実証実験として、横浜市はこのほど、ペットボトル回収機を市内5カ所に設置した。緑区の三保小学校(鈴木康史校長、児童数872人)の職員玄関前には7月31日に設置。小学校では同校が唯一の設置校に選ばれている。
排出量約6割減
ボトルtoボトルとは、回収したペットボトルから再度ペットボトルを製造するリサイクル手法。石油から新たにペットボトルを製造する方法に比べ、二酸化炭素の排出量を約60%削減できるとされている。
市は地球温暖化防止に向けた取組として同手法に着目。資源循環と地域コミュニティの活性化なども目的に、8月1日から2026年3月31日までを期間とし、地域住民と連携しながら実証実験を実施している。
同実験で市は、三保小学校をはじめ、神奈川大学(神奈川区)、星川商店会(保土ケ谷区)、金沢センターシーサイド名店会(金沢区)、京浜急行金沢八景駅(金沢区)の計5カ所にペットボトル回収機を設置した。
キャップとラベルを外し、容器内を軽くすすいだ空のペットボトルを同回収機に投入すると、ボトルは自動で約3分の1の大きさに圧縮される。収集・運搬効率が向上するため、脱炭素効果を高めることにつながるという。市は「どの地域でどれほど集まるか」などについて調べ、実験結果を次年度以降の取組にどのように生かすか検討するとしている。
学習生かし、行動に
市によると、三保小は児童数の多さに加え、SDGsの達成に向けた取組を積極的に進めている小学校として設置校に選ばれたという。
現在、同校では多くの児童や教職員らが、不要なペットボトルを同回収機に入れる活動に取り組んでおり、設置から9月3日現在までに689本が回収されている。
三保小によると、4年生の児童たちは今年、社会科の一環で区内の緑資源選別センターを見学。資源の有効利用などについて理解を深めており、ペットボトル回収活動にとても積極的だという。
9月3日、活動に取り組んでいる4年生の中には「地球温暖化が進んでいるので、少しでもペットボトルのリサイクルができればと思う」「回収機に入れるとペットボトルがつぶれる気持ち良い音がする。いっぱい入れたい」と話す子もいた。鈴木校長は「学習したことを生かし、実際に行動に移していることがうれしい」と話している。