犬に嘘をつくと『デメリット』がある?愛犬との信頼関係が崩れる理由や注意点を解説
犬は飼い主の嘘が分かる?
犬の知能は2~3歳程度、IQが高いといわれるボーダーコリーは5歳程度といわれています。これを高いと見るか低いと見るかは人それぞれでしょう。
しかしながら、犬は自身の体験したことをしっかりと覚えており、褒められたことや叱られたことを学習し、その後の行動の参考にしています。
『散歩に行くよ』と言った後に散歩に行くのは、言葉と行動に矛盾がないため問題ありません。しかし、散歩に行くと言ったのに行かないという行為が発生すると、犬は徐々に不信感を抱きます。
期待させてから裏切ってしまうことが繰り返し続くと、犬は期待が裏切られることを覚えてしまい、その人の指示やいうことに対して反応をしなくなります。犬の気持ちを代弁すると「どうせ嘘でしょ?」といった感じでしょうか。
これは『人の嘘を見抜いている』ともいえるのではないでしょうか。
犬に嘘をつく『デメリット』とは?
犬に対して場当たり的に嘘をつく人もいるかもしれませんが、多くの場合は「良かれと思って」「かわいい表情が見たくて」という理由です。
特に「良かれと思って」という場合、本当のことをいうと犬が嫌がって言うことを聞かなくなるから仕方なくということも多いのだと思います。
✔病院など苦手な場所へ連れていくとき
✔薬を飲ませるため
✔お風呂や歯磨きなどのケアのため
これらを好んでさせてくれる犬は、ほとんどいないでしょう。『病院』『お風呂』という言葉を発するだけで徹底的に拒否し、捕まえるのに一苦労…なんてことも日常茶飯事かもしれません。
飼い主さん的にはやむを得ずという気持ちでも、愛犬は「嘘をつかれた」「裏切られた」と捉えられかねません。
前述のように、犬は自分にとって起こった良いことや悪いことを学習します。『ごはんだよ』『散歩に行こう』と言われ、期待した通りのことが行われると、満足して飼い主さんへの信頼度も上がります。しかし反対のことが繰り返されると、飼い主さんに対し失望してしまうことも十分にあり得るため注意してください。
失った信頼関係を取り戻すことは、人間同士でも大変ですよね。言葉で意思疎通ができない犬であれば、なおさらです。
愛犬にとっては飼い主がすべて
愛犬に嘘をつくデメリットは前章で述べた通りですが、それでは愛犬との信頼関係を崩さないために飼い主さんにできることは『嘘をつかず誠実に接する』ことに尽きます。
可愛い表情や仕草が見たいからといって、意図的に嘘をつくことはやめましょう。愛犬をわざとからかうような動画も、SNSで見られますがおすすめしません。
例えば、病院へ連れていくときにはお出かけと偽るのではなく、十分にお散歩をしてから改めて「動物病院へ行くよ」と言って連れて行ってあげましょう。そして、病院に着いたらしっかりと褒めてあげてください。
これを病院へ行くたびに繰り返し『嫌いな場所から好きな場所』へ上書きしてあげます。ご褒美のおやつを。上手に使うことも良いでしょう。人が好きな犬の場合は、病院の先生や看護師さんと積極的にスキンシップをさせてあげるのもおすすめです。
同じようにお薬を飲めた、お風呂に入ったなどの苦手なことを頑張ったときには、愛犬の気持ちに立って大げさなくらい褒めてあげましょう。
もちろん時間はかかりますが、嘘をついて信頼をなくすよりもずっと良いこと。愛犬だけではなく飼い主さんのストレスも減るはずです。
まとめ
悪気なく無意識で、その場をしのぐために嘘をついていませんか?犬は学習能力の高い動物です。
飼い主さんの言動に矛盾を感じると、せっかく築いた信頼関係にヒビが入ってしまう可能性も十分にあり得ます。一度でも犬からの信頼を失えば、それを取り戻すのは容易ではありません。
忍耐力が求められますが、嘘はつかず誠実に愛犬と向き合うことを心がけましょう。