発明展で優良賞「取っ手も便利」
暮らしを便利にするアイデア商品のコンテスト「第28回身近なヒント発明展」(一般社団法人発明学会主催)で、西有年の高野博文さん(63)が考案した「取っ手も便利」が優良賞を受賞した。
受賞作は3本の鋭利な爪がついたステンレス製。段ボール箱の側面に突き刺して穴を開けることで簡単にきれいな取っ手を作ることができるというもの。スーパーで買い物した商品を取っ手穴のない段ボール箱に入れて持ち帰ろうとして持ち運びに苦労したことで思いついたという。
もっともこだわったのは爪の厚み。箱に突き刺さりやすい厚みを探して0・1ミリ単位で試作を繰り返し、0・6ミリが最適と突き止めた。全国から1000点を超える応募があった同展で大賞1点、優秀賞5点に次ぐ優良賞10点の一つに選ばれた。
昔からものづくりや機械いじりが好きで、現役時代は大手自動車ディーラーの整備士として働いた。定年退職後に「姫路発明研究会」に入会。仲間とともに発明にチャレンジする日々を送っている。
同展の応募は3年連続で過去2回は5席にあたる努力賞だった。自身初の優良賞。アイデアに興味を持った企業からのオファーで商品化の話も進んでいるという。
「日頃から『どうしたら便利になるかな』と考えている」と高野さん。「アイデアはいくらでもある」と今後もライフワークとして発明に取り組む。