厚木歯科医師会 オーラルフレイル健診開始 堀真治会長インタビュー
一般社団法人厚木歯科医師会は、6月4日(水)から10日(火)の「歯と口の健康週間」に合わせ、歯と口に関するさまざまなイベントを行う。地域の歯科保健事業を担う同会の堀真治会長(荻野歯科医院院長)に話を聞いた。
厚木歯科医師会は、厚木市・愛川町・清川村にある92軒の歯科医院が加盟する。乳幼児から高齢者まで、各ライフステージに応じた歯科健診事業を通じて、地域住民の口腔(こうくう)の健康をサポートしている。
今年度からは厚木市の協力のもと、厚木市成人歯科健診に追加オプションとして、65歳・70歳・75歳以上を対象に「オーラルフレイル追加健診」を実施する。オーラルフレイルは口腔内の些細な衰えをきっかけに全身の衰えが進行することを指し、黒岩祐治県知事が提唱する「未病」を防ぐ取り組みの一環としても注目されている。
堀会長は「要介護状態になる前の段階でオーラルフレイルを早期に発見し、訓練によって回復を図ることで少しでも多くの厚木市民が健康寿命を延ばせるよう願う」と話し、定期的な健診の受診を呼びかける。愛川町と清川村でも来年度から同様の健診が実施できるよう、関係機関に働きかけていくという。
こども向けに
同会では、3歳6カ月児健診でも新たに「口腔機能の発達」に関する項目を追加し、早期からの予防・指導に力を入れる。「2歳6カ月児健診については、かかりつけ歯科での受診が可能なので、ぜひご相談してほしい」と堀会長。「妊婦歯科健診についても、妊娠中の軽度な歯周病が早産や低体重児出産のリスクを高めるとされており、安定期に受診してもらいたい」という。
他にも、学校歯科保健や災害時口腔保健、障害者歯科、休日歯科、要介護者・高齢者歯科をはじめとする厚木市歯科保健センターでの診療、在宅歯科医療連携室、医科歯科連携の充実など幅広い活動を展開する同会。堀会長は、「会員一丸となって、口腔を通じてあらゆる世代の健康維持と口腔保健に貢献していきたい」と語った。