広瀬すず&松下洸平、日常を切り取った仲睦まじい“夫婦ショット”『遠い山なみの光』場面写真
1989年にイギリス最高の文学賞であるブッカー賞、2017年にノーベル文学賞を受賞し、二つの世紀を代表する小説家となったカズオ・イシグロの鮮烈な長編デビュー作「遠い山なみの光」を、石川慶監督(『ある男』/22)が映画化した映画『遠い山なみの光』が、9月5日(金)より公開される。このたび、場面写真が一挙解禁となった。
ある女が語り始めたひと夏の記憶
日本人の母とイギリス人の父を持つニキ。大学を中退して作家を目指す彼女は、長崎で原爆を経験し戦後イギリスへ渡り、苦楽を共にした長女を亡くした母・悦子の半生を作品にしたいと考える。次女に乞われ、ずっと口を閉ざしてきた過去の記憶を語り始める悦子。それは、戦後間もない長崎で出会った、佐知子という女性とその幼い娘と過ごしたひと夏の思い出だった。だが、ニキは次第にその物語の食い違いに気づき始め——。
長崎の悦子を演じるのは広瀬すず、佐知子に二階堂ふみ、イギリス時代の悦子に吉田羊、ニキは、オーディションで選ばれたカミラ・アイコ、さらに、悦子の夫に松下洸平、その父親に三浦友和と、日英映画界の煌びやかな至宝がそろった。そのほか、日本パートには、柴田理恵、渡辺大知、鈴木碧桜(子役)が出演。豪華実力派キャストが集結し、物語を彩る。
「カンヌ国際映画祭」で一躍世界からの称賛を浴びた本作。レッドカーペットでは、華やかな衣装に身を包み多くの観客を魅了したキャスト陣の姿に公開を待ちわびる声も多い中、今回公開されたのは、1950年代の長崎で暮らす主人公の悦子(広瀬すず)と、夫の緒方二郎(松下洸平)の日常が垣間見える夫婦のショットだ。
妊娠中の悦子は、傷痍軍人の二郎と団地で暮らしている。世の中は、終戦から数年経って復興への兆しが見えていたが、川向こうの森で連続幼児殺害事件が起きるなど不穏な空気も漂っており、仕事が忙しい二郎は身重の悦子を案じる。
また、悦子が長崎で知り合うミステリアスな雰囲気漂う佐知子(二階堂ふみ)と、その娘の万里子。佐知子は米兵のフランクとの関係も包み隠さず、近いうちに一緒にアメリカへ渡る予定だと悦子に打ち明ける。女だからと自分の未来をあきらめず、夢への活路を見出す彼女の姿に、悦子は最初は戸惑いつつも、次第に憧れと共感を覚え始めるのだった。
さらに、福岡から訪ねて来て、しばらく悦子と二郎の団地に滞在することになる二郎の父、緒方誠二(三浦友和)や、うどん屋の藤原役の柴田理恵、高校教師の松田重夫役の渡辺大知など、本作に深みを与えるキャストの場面写真も公開された。
戦後80周年となる2025年にスクリーンに描かれるこの物語は、終戦間もない長崎という、まだ過去にしきれない「死」の記憶と、未来を夢見る圧倒的な「生」のパワーが渦巻いていた時代を生き抜いた女性たちの姿を鮮明に描き出す。先の見えない時代を生きる私たちに前へ進む勇気をくれる、感動のヒューマンミステリー。
『遠い山なみの光』は9月5日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー