『うんち・オシッコ』中の猫の危険なサイン4選 病気が隠れている可能性が…
1.何度もトイレに入る
猫が何度もトイレに出入りしている場合は、「下部尿路疾患」の疑いがあります。下部尿路疾患とは、膀胱と尿道の疾患の総称のことです。 尿道が詰まってオシッコがなかなか出ない、膀胱炎で常に残尿感がある、といったことが原因で、トイレを行ったり来たりしていると考えられます。
メスのケースでは少量の排尿が見られることが多いのですが、オスは結晶が詰まりやすい傾向があります。尿路閉塞を起こして急性腎障害を発症する可能性があるため、一刻も早く動物病院に連れて行きましょう。最悪の場合は数日で命を落とすこともある、恐ろしい病気です。
また、このような行動は便秘のときに見られることもあります。1回でうんちが出ないため、不快感から何度もトイレに行ってしまうのでしょう。小さな便が少量出ているだけだったり、お尻を床に擦り付ける仕草をしたら、便秘を疑ってみてもいいでしょう。
排尿も排便も気張りすぎると吐き戻すことがあります。気張って嘔吐する場合はいよいよ「出ない」時なので、緊急性が高いと思ってください。
2.排泄前後に鳴く
「下部尿路疾患」の疑いがある場合、排泄中に大きな声で鳴くこともあります。これは痛みを感じるためで、早急に動物病院に連れて行くのがおすすめです。
痛みを感じる原因としては、膀胱炎や尿路結石、腎臓疾患などが考えられます。便秘で排便通があるケースもあるでしょう。うんちが硬いため、排便時に強い痛みを感じるのです。このようなときには、排泄後にお尻を舐める様子が見られることもあります。
なお、俗に言う「トイレハイ」の状態となっている場合もあるようです。トイレの後にテンションが上がり、大声で鳴いたり、走り回ったりするといった行動です。トイレが汚くて鳴く場合もあるので、普段からトイレ前後の様子をチェックしておくといいでしょう。
3.苦しそうにしている
「下部尿路疾患」や「便秘」を患うと、思うように排泄が出来なくて苦しそうにすることもあります。目をぎゅっと細めていたり、長時間トイレから出てこないときは、病気を疑ってみてもいいかもしれません。
尿道閉塞などにより排尿ができない状態が1日以上続くと急性腎障害が発生し、1~2日程度で命を落とす危険性があります。排尿の異常に気づいたら、すぐにでも動物病院を受診しましょう。
ちなみに、猫の便秘は3日が目安とされています。3日以上排便がない、排便後に呼吸が荒い、ぐったりしているといった症状が見られたら、早めに動物病院に連れて行きましょう。
便秘は繰り返すたびに大腸の筋肉と神経が弱くなってしまい、そのまま放置した場合、排泄がまったく出来なくなる可能性もあります。便も尿も、排泄ができないことは命に直結する異常事態です。
気が付かないうちに手遅れとならないよう、猫の排泄中の様子をチェックするだけでなく、排泄物の観察も習慣化しておくといいでしょう。
4.変な姿勢で排泄する
排泄にまつわる病気が潜んでいる場合、変な姿勢で排泄をする姿が見られることもあります。尿道炎や膀胱炎などで痛みがあると、少しでも痛みを和らげようと姿勢を変えることがあるためです。排泄に関わらず、体のどこかが痛いというケースもあるでしょう。
便秘のために変な姿勢を取っていることもあります。いつもと同じポーズでは出ないため、姿勢を変えているのかもしれません。お腹に負担がかからない姿勢を取っていることも…。
なお、猫は非常に綺麗好きな動物です。トイレが汚くて踏みたくないと、トイレトレーの縁に前足を乗せるような姿勢で排泄することがあります。オシッコやうんちに異常がない場合は、トイレ掃除が行き届いているか確認してみてください。
まとめ
排泄物の状態から病気が見つかることもありますが、排泄中の行動も猫の健康に欠かせないチェックポイントです。何度もトイレに行ったり、苦しそうな様子が見られる場合は、早めに動物病院に連れて行くのがおすすめです。
「下部尿路疾患」や「便秘」などの病気を患った場合、排泄中の異常行動の他にも、食欲がない、元気がない、体重が増えないといった症状が見られることがあります。場合によっては命に関わるケースもありますので、トイレ以外での猫の様子も観察しておくといいでしょう。
(獣医師監修:唐野智美)