国展写真部で福原信三賞 北野中の大川礼子さん
日本最大級の美術公募展「第99回国展」(国画会主催)の写真部で、北野中の大川礼子さん(71)が福原信三賞を受賞。大津の西山昭子さん(83)は初入選した。
大川さんの受賞作は、JR因美線のとある無人駅の待合所で撮影した一枚。被写体を探しながら複数の駅を巡っていた中、ポツンと置き去りにされた傘が目に留まり、「どんな人が忘れていったのだろう」と思いを馳せながらシャッターを切ったという。窓から差し込む光を活かして印象的な作品に。「過去の忘れ物」とタイトルをつけて応募した。
入賞は3年前の斎木幸子賞に続き2度目。同展に写真部を創設した写真家、福原信三の名を冠した栄えある賞に「身に余る賞をいただき、夢のよう」と喜びを語った。
公民館のカメラサークルで約10年の活動歴がある西山さんは、自宅庭にある柿の切り株に氷盤を乗せて撮影した「深淵」でうれしい初入選。氷の水疱が奥に透ける年輪と相まって、まるで銀河のようにも見える作品だ。