三浦市 新庁舎完成8カ月遅れ 工事追加や現場休日確保で
旧県立三崎高校跡地(三浦市初声町下宮田)で進んでいる新市庁舎の整備事業を巡り、三浦市は完成時期を当初の2026年3月から同年11月まで8カ月先送りする。一部工事の追加や工事現場の休日確保に伴うもので、資材高騰が重なったことで整備費も約5億5800万円増額する。22日の市議会本会議で関連事業費を盛り込んだ2024年度一般会計補正予算案が可決された。
新市庁舎は、鉄骨造3階建てで延べ床面積約8千平方メートルの庁舎棟等と、約1800平方メートルの付属棟から成る。庁舎棟には市役所や市議会、県保健福祉事務所などが入居し、付属棟には車庫や書庫などを設ける。工事の追加では執務スペース拡充のため付属棟を約700平方メートル広げるほか、両棟をつなぐ約15mの渡り廊下も設置する。
市市長室によると、工期延長は働き方改革の推進を背景とした4週8休の厳格化を求める国や施工会社に応じたもの。現庁舎がある城山地区は今後民間への売却が見込まれているが、工期の遅れに伴い同地区の整備事業も先送りになる。
増額の主な内訳は、建築資材や人件費高騰が約2億800万円、工事の追加が約3億3400万円。整備費は増額分を加え約47億6千万円とする。22年10月当初の事業者公募では約37億円を見込んだが、応募者がなく5億円を追加した経緯があり、整備費は10億円以上膨らむことになる。
今回の措置を巡っては施工会社から最大約20億円の増額も示されたというが、市は「(設計と施工を一元化する)デザインビルド方式による契約の本旨に沿って上乗せを抑えた」と説明。今後も物価高騰が想定されることに対しては「工事契約の約款に沿って協議には応じるが、あくまで公共単価に基づいた交渉が前提」と再度の増額に慎重な姿勢を見せた。
地鎮祭で無事故祈る
着工に先駆けた23日には地鎮祭が執り行われ、施工会社の社員を中心に市や市議、自治会関係者など約40人が出席。吉田英男市長らがくわ入れなどの儀式を行い、工期中の安全を祈念した。
吉田市長は「市制70周年の年に事業が実現できたことに縁を感じる。2町1村合併前の中間地点に当たる場所。市民交流や災害拠点として機能を発揮する施設にしたい」とあいさつした。同施設は2月に着工する。