【相模原市】相模原に交通少年団を 「育成会」が昨年発足
子どもたちが交通ルールを身に付け、地域の安全を守るため活動する「交通少年団」を相模原に作ろうとする動きがある。昨年10月、市内で子育て中の保護者ら5人が「育成会」を設立。今年中に交通少年団を発足させようと、現在は団員集めに奔走している。
交通少年団は全国各地に見られる組織で、子どもたちが交通安全キャンペーン活動などを行う。人格形成や自治意識の醸成などが期待されているが、神奈川県内には存在していない。
そこで「育成会」が立ち上がった。会長の棚橋由衣さんは6人の子どもを育てる母。「子どもを産むたび、この先このまちで安心安全が守られて過ごせるのかという不安が大きくなった。大人が守るのには限界がある」と話す。自身が幼少期に交通少年団で活動していたことを思い出し、手探りで活動を始めた。
現在は「プレ団員」として棚橋さんの子ども2人が市内で活動している。棚橋さんは「子どもが楽しめるイベントは市内に多くあるから、まちの基本的な運営に子どもが参加でき、住んでいるまちに愛着を持てる団体にしたい」と話す。
団の発足後は市内での啓発活動に加え、企業と連携した安全教室や地域の高齢者施設の訪問、警察署の見学、夜道の危険予測、清掃活動、宿泊体験といった活動の実施を構想している。「安全なまちを作る気持ちを持ってもらうことが将来的なまちの安全につながり、長い目で見たときに生きてくる」
資金などに課題
活動を始めるにあたっては費用をどう捻出するかなどの課題がある。「他自治体では地元の団体のバックアップによって会費を抑えているところがある。金銭的な厳しさなど家庭の事情があっても幅広く参加できるように会費はできるだけ安くしていきたい」と棚橋さん。習い事に高額な出費をしなくても子どもたちにさまざまな学びや体験をさせられる地域の在り方を模索している。
団員の対象は小学3〜6年生(2年生応相談)。団の発足に向けた活動や発足後の計画づくり、関係機関との調整などを行う大人たちの組織「交通少年団育成会」の会員も募集している(子どもの入団の有無に関係なく入会可能)。問い合わせは棚橋さん(メール/ksi.sagamihara@gmail.com)。