【横浜市中区】シネマ・ジャック&ベティ 運営改善へ「支援する会」発足 計画への賛同者募る
動画配信が広く普及する中、全国の独立系映画館の運営は厳しさを増している。中区若葉町にあるシネマ・ジャック&ベティも例外ではない。こうした状況を改善しようと9月15日、「シネマ・ジャック&ベティを支援する有志の会」を発足した。持続可能な運営の支援体制を目指す「アップデート計画」を立ち上げ、賛同者の署名を集めている。
有志の会を発足したのは、映画プロデューサーの古澤敏文さん(67)。古澤さんにとって同館は、前身である「横浜名画座」時代から通った思い出深い映画館の一つ。「こうした映画館は、地域や文化、コミュニティの面から見ても大切な存在。地域として応援できる形になればと思った」と会の設立動機を話す。
1950年代は、近隣には約30近くの映画館があったがその後、徐々に数を減らしていった。特に痛手だったのは2019年から始まったコロナ禍だ。多くの支援にも関わらず同館の有料入場者数は、約12万人だったコロナ禍前から約7万人台に減少。そんな中、コロナ時期の税金・社会保険料等の未払金や映写機の入れ替え費用のため、2023年から24年にかけてクラウドファンディングを実施した。目標金額を大きく上回る4300万円を達成したものの、予想以上に税金や施設維持に予算がかかり、設備の補修改修にまで十分な金額がまわせなかったという。
古澤さんはこうした現状に、「これまでのように映画作品を観客が鑑賞する場として存在するだけではなく、観客や地域の市民が主体的に関わる仕組みが必要だと思った」と話す。7月頃から梶原俊幸支配人らと話し始め、これからの時代にふさわしい地域映画館の在り方を検討してきた。
現在、同会のメンバーは古澤さんを含め5人。計画に賛同する人の署名を募っている。10月中に町内会など地域の人や支援者らと一緒にミーティングを行う予定。「皆のお知恵を借りながら、持続可能な運営をするにはどうしたらいいか考えていきたい」と話す。