“落ち込む映画”&“心が砕ける傑作ベスト20”で第1位!トラウマ映画の金字塔『レクイエム・フォー・ドリーム 4Kリマスター』
『ザ・ホエール』(2023)、『ブラック・スワン』(2010)でアカデミー賞を、『レスラー』(2008)で「ヴェネツィア国際映画祭」金獅子賞を受賞するなど、商業的にも作家的にも大きな成功を収めている鬼才ダーレン・アロノフスキー。わずか6万ドルの低予算で作られたデビュー作『π』(1997)で「サンダンス映画祭」最優秀監督賞を受賞し、世界の注目を集めた彼の監督2作目『レクイエム・フォー・ドリーム』が、4Kリマスター版として蘇り2026年2月6日(金)より公開される。このたび、本予告とポスタービジュアルが解禁となった。
鬼才ダーレン・アロノフスキー初期の衝撃的傑作
イギリスの映画誌「EMPIRE」が選ぶ<落ち込む映画>第1位(2009年)、アメリカのWebサイト「Taste of Cinema」が選ぶ<心が砕ける傑作ベスト20>第1位(2016年)に輝くなど、観れば必ず心がえぐられる“トラウマ級の傑作”として映画史にその名を刻む『レクイエム・フォー・ドリーム』。デビュー作『π』でサンダンス映画祭最優秀監督賞を受賞し、一躍世界の注目を集めた彼の監督2作目となる本作は、なりたい自分になるため、夢を叶えるための“手段”として薬物に手を出した者たちが、依存症となり薬物に溺れ堕ちていく姿を、圧倒的なビジュアル、強烈な映像センスで描いている。
製作された2000年から四半世紀がすぎた現在、SNSの世界的普及によって情報はますます氾濫し、人間の欲望は無尽蔵に増大しつづけている。孤独、自己顕示欲、性欲…心の欠落を埋めるために、耽溺してしまう“中毒”の恐ろしき本質を、徹底的に容赦なく描いた衝撃的傑作が、4Kリマスター版でスクリーンに蘇る。
物語の舞台は、ニューヨーク・コニーランド。サラ(エレン・バースティン)は一人息子のハリー(ジャレッド・レト)と暮らしている。サラの唯一の楽しみは、TVを見ながらチョコレートを食べること。ある日大好きなクイズ番組のスタッフを名乗る人物から出演を依頼されたサラは、サイズアウトした赤いワンピースを着るために「ダイエット薬」に手を出す。ハリーは恋人マリオン(ジェニファー・コネリー)との未来に向けて友人のタイロン(マーロン・ウェイアンズ)と麻薬売買を始める。それぞれに夢を抱いていたはずの彼らは、やがて抜け出せない地獄へと堕ちていく——。
本予告は、夢と希望に満ちた時間から一転、欲望が加速し、底なしの地獄へと落ちていく4人の姿を捉えている。ハリー(ジャレッド・レト)とマリオン(ジェニファー・コネリー)は、将来への夢と希望を語り合いながら無邪気に愛を育み、一方、TV番組への出演が決まり「やせて、あの赤いドレスを着るの」と胸をときめかせるハリーの母サラ(エレン・バースティン)は、美しくなるために必死でダイエット、さらにハリーと麻薬売買でひと儲けを企むタイロン(マーロン・ウェイアンズ)らの姿が映し出される。
だが続くのは、彼らにジワジワと忍び込む地獄とリンクするかのように映し出される、危うさと絶望が垣間見える映像。積み上がる札束、怪しげなクスリ、拡大する瞳孔——そして崩壊していく妄想と現実の境界線。「お金が問題じゃない。そのために何をするかよ」—マリオンの言葉も虚しく、途切れることなく加速し続けた欲望。それらがやがて4人を底なしの地獄へと飲み込んでいく様子が、4Kリマスターされた映像によって細部まで鮮烈に描き出されている。バックに流れるのは、アロノフスキー監督とタッグを組んだ『π』や、近年ではA24作品『愛はステロイド』でも知られるクリント・マンセルの楽曲。中毒のように耳にこびりつく美しいチェロの旋律は、まさに<トラウマ映画の金字塔>の名にふさわしい、唯一の存在感を放つ音楽となっている。
本ポスターは、劇中で重要なモチーフとなる<瞳孔>を全面に打ち出したデザイン。見開いた瞳は高揚感を宿しているのか、それとも絶望を映しているのか——。<あの絶望が、よみがえる>という4Kリマスター化にあわせたキャッチコピーとともに、ハリーとマリオンの朦朧とした姿が映し出され、まさに“絶望のフルコース”を印象付けるビジュアルに仕上がっている。
『レクイエム・フォー・ドリーム 4Kリマスター』は2026年2月6日(金)より新宿武蔵野館ほかにて全国公開