市内自主防災 浸透し30年 阪神淡路教訓に増加
6千400人を超える死者・行方不明者を出した阪神・淡路大震災からあす17日で30年。家族や近隣住民の救出によって被害が最小限に抑えられた事例として振り返られることが多い阪神・淡路。町田市の自主防災組織の形成にも影響を与えている。
阪神・淡路大震災は1995年1月17日の午前5時46分に発生。6千400人を超える死者・行方不明者を出した。死因の多くが家屋の倒壊や家具などの転倒による圧迫死だった一方で、倒壊した建物の被害から生き延びることのできた人のほとんどが家族や近隣住民の手によって救出されたという。
そのため、この震災は自助・共助について考えるきっかけとなり、各地で自主防災組織が結成されていくことにつながった。町田市内でも95年時に224だった町内会や自治会などで構成される自主防災組織数は現在、302まで増えた。
情報発信も
市内の自主防災組織は避難訓練を実施し防災に関する情報を発信するなど、地域の防災意識向上に貢献している。
900を超える世帯を見守る図師町内会自主防災会は年2回、防災訓練を実施。そこでは災害時に役立つ簡易トイレの設置方法を伝えるなどしているといい、担当する吉田功依さんは「いざという時、つながりをもてることを町内会に入会するメリットにしていきたいと考えている。若い世帯を呼び込むPRポイントになる」と笑顔をみせる。
講習会を開くなどして、市内の自主防災組織を後押ししている町田市の担当者は「近年はさまざまな年代の方が防災イベントに参加してくれるようになっている。機動性をもたせるため、大きな団体を少人数に分けて運営する形にする組織が増えている」と話している。
24日までフェア
町田市役所では現在、防災知識の普及と向上を目的とした防災フェアが開かれている。1階イベントスタジオで実施されているもので、阪神・淡路大震災の様子が分かる写真展示のほか、発災から3日間に焦点を当てた家庭での備蓄についてや、避難施設での生活に関してなどの展示が行われている。フェアは24日(金)まで。時間は各日、午前8時30分から午後5時。(最終日は午後3時)。