【京都】うなぎに注目が集まる土用の丑の日にうなぎ信仰の「三嶋神社」を訪ねる
全国的にも珍しい「うなぎ」を祀った神社が京都にあるのをご存じでしょうか? 土用の丑の日でうなぎに注目が集まるこの時期に、うなぎ神社こと「三嶋神社」を詣でてきましたのでその様子をご報告いたします。
全国的にも珍しい「うなぎ」を祀る「三嶋神社」
京都屈指の観光名所・清水寺に程近い京都市東山区のマンションの傍らに、隣接して鎮座しているのが「三嶋神社」です。
三嶋神社は全国的にも珍しく「うなぎ」をお祀りする神社です。
境内には神使として「鰻」の像が建てられていました。
うなぎの絵馬もたくさん奉納され、信仰の厚さがうかがえます。
三嶋神社でどうしてうなぎが神使とされているのかというと、古来より「巳蛇(ミヅチ)」は神使として祀られてきましたが、その中で「水蛇」とも云われた「牟奈岐(むなぎ)(うなぎの語源)」が本殿近くの神池に多く生息し、栄養豊富なうなぎを食べると諸風(風邪など)を退けることから尊崇されたという経緯があるようです。
知る人ぞ知る「子授けの名代」
三嶋神社は古来より子授かり神社の名代として広く信仰を集めていました。
そのご利益はあらたかで、皇室とも縁が深く、秋篠宮文仁親王と紀子妃殿下も参詣されています。
特に秋篠宮殿下はお一人でも二度目の参拝をされていて、その後、程なくして悠仁親王が降誕されて話題になりました。
境内や社務所には、その際の写真が飾られ、秋篠宮殿下が行幸された際の様子をうかがうことができます。
源義経ゆかりの「遙向石」
「遙向石(ようこうせき)」の「遙」は、「さまよう・はるか・とおい」といった意味のある漢字です。
承案4年(1174年)、当時まだ牛若丸と名乗っていた源義経が三嶋神社に参籠すると、夢に白髪の翁があらわれ「汝志久しく可からず、早々に欧州に下る可し」との神託を授かったそうです。
目を覚ました源義経が翁のあらわれた場所に行ってみると、そこに「遙向石」があったというお話です。
そうした逸話から「遙向石」を手で触れ、お腹を撫でると牛若丸のような立派な子供が授かると信じられてきました。
また、江戸時代の三嶋神社の境内図では「遙向石」が雌雄一対の御神木の間にあったことから「夫婦和合」「縁結び」のご神徳もあるとされています。
うなぎを神池に放つ「鰻放生大祭」
三嶋神社は「祈願殿」が東山区JR東福寺駅近くの瀧尾神社境内にあります。
こちらでは毎年10月26日に、鰻業者の関係者がうなぎへの感謝と商売繁盛を祈ってうなぎを神池に放つ「鰻放生大祭」を執り行っています。
そんなうなぎに縁が深い三嶋神社を、土用の丑の日でうなぎに注目を集めるこの時期に足を運んでみてはいかがでしょうか?
基本情報
<三嶋神社>
◇拝観時間
・24時間可能
◇拝観料
・無料
アクセス
<三嶋神社>
◇電車
・京阪電車:清水五条より 徒歩20分
◇バス
・京阪バス:馬町より 徒歩3分
・京都市バス:馬町より 徒歩7分
◇駐車場
・ナシ
<三嶋神社祈願所(滝尾神社内)>
◇電車
・JR:東福寺駅より 徒歩3分
◇バス
・京都市バス:東福寺より 徒歩5分