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「カビが生えたから返金して。商品は捨てた」オークションサイトで“返品詐欺” 粘着されて交通費まで請求された男性の苦い記憶

キャリコネニュース

画像はイメージ

個人が不要になったものを売買できるフリマアプリやネットオークション。便利なサービスである一方、個人間で行う取引だけにトラブルが起きることもある。

大手オークションサイトで未使用のキャラクター玩具を出品したという島村さん(仮名、60代男性)は、10数年前に返品詐欺と思われるトラブルに見舞われたつらい記憶がある。

「ゲームに出て来るキャラクターの合金製玩具で、好きで集めていたので購入した時の袋を開けずに飾っていました。定価より安く出品して落札されたのですが、3か月近く経って『カビが生えたから返金して欲しい』と連絡が来ました」

定価は1980円で、1000円で落札されたという。サービスとも言える価格の商品に数か月経ってからクレームとは驚きだ。その後はどうなったのか、編集部では島村さんに詳しい話を聞いた。(文:篠原みつき)

返金拒否すると「詐欺」「ひどい出品者」というコメントがズラリと並ぶ事態に

その当時、島村さんはオークションサイトを10年以上利用しており、サイト内での評価は高かった。

「それまで『悪い』と評価されたことはありませんでした。カビの件をメーカーに確認したところ、『前列はない』という回答でした」

そもそも数か月経ってからカビが生えたというなら、商品が届いてからの保管状態が悪かったことが考えられる。合金製なら相当なことが無い限りカビないだろう。それでも、島村さんは誠実な対応をした。「落札者に『送料を含めて返金する』と連絡すると、『商品は捨てたのでない』という返事でした。それでは返金できないと伝えると、今度はQ&Aサイトに載せると言われました」

これは脅しではなく、実行されてしまう。

「相談が掲載された途端、10以上の返信があり『詐欺』『ひどい出品者』という批判コメントがズラリと並びました。私もそのサイトをよく利用していましたが、相談後にコメントが一気に来るというのは、時事的な相談内容のものでしかなかったし、どのコメントも言葉は変えても句読点の付け方が似ていました。つまり複数アカウントで自作自演でやっていると分かりました」

計画的に追い詰めてくる、タチの悪い相手のようだった。しかし、当時はやり取りが全て個人間のメールで行われており、無視することもできなかった。

「結局、こちらの住所も連絡先も知られていて怖いので、送料含めて返金しました。運営に相談や通報もしましたが、回答は、『お互いで解決してほしい』とのことでした」

結局、運営が助けてくれることはなく、泣き寝入りとなってしまった。ところが、話はこれで終わらない。

「振り込んだ後にオークションをやめました」

島村さんが返金の振り込みを終えた後、相手はさらに要求を突き付けて来たのだ。

「相手は地方の人で、振り込むために電車に乗って銀行のある街まで行ったからと、往復の電車賃と銀行の振込手数料まで請求してきました。それだけで1000円を超えたと思います。納得いかないけれど粘着されたら嫌なので、振り込んだ後にオークションサイトの利用をやめました」

問題のQ&Aサイトのスレッドは、支払った後に削除されていたという。やはり詐欺の証拠を隠滅したのではないだろうか。被害額は数千円だが、商品もお金も取られ、心に深い傷を負ってしまった島村さん。精神的に参ってしまったという当時をこう語る。

「ずっとオークションをしていて、買って売っても直接に会って取引することもありました。楽しかったです。やりとりしてきたのが良い人ばかりだったので、なんでこんな連絡が来たのか思い当たる節もなく、人間不信になりました」

「捨てる方がいいと思うようになりました」

その後、オークションで知り合い親しくなった人たちに相談したところ、ネットオークションにはトラブルが多いことを知ったという。

「もっと大きな問題に遭遇している人も多かったので、これで済んで良かったと今は思います。不要になっても、同じものを好きな誰かが欲しがって喜んでくれるだろうとネットオークションを始めましたが、捨てる方がいいと思うようになりました」

一時は部屋に飾っていた同じキャラクターの玩具も、見ると怒りが込み上げ、数点を残して知人にあげたり捨てたりして処分してしまったと言う。現在の複雑な胸中をこんな風に語ってくれた。

「ずいぶん時間が経った今でも、そのキャラクターは人気があるのでよく目にしますが、見るたびに嫌な気分になります。ひとりの嫌な人のせいで、それまで楽しく利用していたオークションが嫌な記憶になったけれど、楽しいことも覚えていたいです。今はそのキャラクターを見ても、キャラクターが悪い訳じゃないと思っています」

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