えっ!仕送りが「贈与」になるの!?逆に節税できる場合も
仕送りという言葉を聞くと「大学生の子供が親から定期的にもらうもの」というイメージが強いと思いますが、子供から親に仕送りをしているというケースもあります。
仕送りも方法によっては税金がかかる可能性があることをご存知ですか?また税金が逆に安くなるというケースもあるのです。今回は仕送りと税金の関係にアプローチしてみましょう。
【1】親と子供の間の仕送りに税金はかかるの?
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まず、結論として「仕送り」には税金はかかりません。この場合の仕送りとは夫婦や親子などから生活費や教育費を援助することをいいます。日常生活で使う費用や学費などを親族間で送ることは税金の対象とはなりませんので安心してください。
注意すべきは、上記の仕送りの条件から外れる場合です。個人から財産をもらったときには、「贈与税」という税金がかかります。つまり、生活費などに使わないような「おじいちゃんから孫へ多めのおこづかい」は、仕送りではなく、「贈与」とみなされます。従って贈与税の基礎控除である110万円を超える財産を受け取ると贈与税の対象となります。
【2】仕送りをする人が節税できるポイントは扶養控除
贈与税の対象とはならない、実家へ「仕送り」をするときは、逆に節税できる可能性があります。生計を一とする親族や同じ家に住んでいない両親への仕送り、老人ホームの入居費用を子供が払っているなど費用を負担している側が申告することで扶養控除が適用されます。扶養控除されると所得税や住民税が減税されることになります。ただし4つの条件があります。
(1) 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)または都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。
(2) 納税者と生計を一にしていること。(日常の生活の資を共にしていること)
(3) 年間の合計所得金額が38万円以下(令和2年分以降は48万円以下)であること。
(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)。
なお合計所得金額は給与所得控除や公的年金控除をされたあとの金額です。
(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと。
一般的に実家に仕送りすることで税金が安くなるのは、70才以上の父母・祖父母を扶養しているケースとなります。
【3】親を扶養に入れるための手続き方法
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さて、いざ親を扶養に入れる場合はどのような手続きが必要でしょうか?
必須なのは住民票と年金支払通知書です。その他は所得証明書や非課税証明書、給与明細など、扶養される人の所得がどうなっているかを知らせる書類が必要になります。また社会保険料も負担する場合は健康保険の手続きも必要になります。会社にお勤めの方であれば人事担当の部門で確認してください。
【4】まとめ
仕送りと聞くと学生対象と思いがちですが、親に仕送り・親を扶養というケースは案外多いようです。税制上は親を扶養に入れることにより所得税・住民税が減り、その他のデメリットがないため、条件を満たしているならば扶養に入れた方が良いでしょう。
ただし扶養にはもう一つ、健康保険上の扶養という制度があります。この健康保険上の扶養の手続きを行うと、親は毎月の健康保険料を支払う必要がなくなります。ただし高額療養費制度と比べてどうか考える必要があります。
いずれにしても仕送りというのは生活費の範囲で行うもの、生活費でなければ贈与税がかかることがあるということを覚えておいてください。